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ドラマ「ザ・ホワイトハウス3」を見よう

映画・ドラマ

NHKの衛星第2で放送されている海外ドラマ「ザ・ホワイトハウス3」は、見ものだ。このドラマは、アメリカの首都ワシントンにある大統領官邸の日常を大統領と官邸スタッフを交えこまめに描いたものだ。アメリカのNBCで1999年から放送されているシリーズで、今、NHKで放送されているのは、2001年からの3シーズン目だ。原題は、"The West Wing"。直訳すると西翼、官邸の西翼側は、大統領執務室や補佐官などのスタッフルームがあり、観光用に公開されている東翼とは区別される。

大統領のバートレットを演じるのは、映画「地獄の黙示録」で主人公役を演じたマーティン・シーン、チャーリー・シーンのお父さんだ。だが、大統領は、このドラマでは決して主人公ではない。主人公は、むしろ報道官の女性、C.J.クレッグだろう。彼女を通して、政治と世論がどう関わっているのかを考えさせられる。報道官は、記者会見に出席し、マスコミを相手に大統領に代わり、大統領の意見や政策を発表する。だから世論の動向や、マスコミのことを知り尽くしているのだ。日本では、官房長官がその任にあたっているのかな?

今シーズンでは、大統領が再選に向けて励むのだが、ある大きな問題にぶちあたる。大統領が不治の病を患っていたことを隠していたことが、発覚したのだ。大統領は、それを自ら発表し、そのうえで再選を目指すことを発表するのだが、それ以来、報道官や、その他スタッフはてんてこ舞いである。大統領とスタッフは、陪審や議会で偽証をしたのではないかと問い詰められ、これでは再選も怪しい。さて、どう切り抜けるかとなる。

このドラマと今のブッシュ政権は、面白いことに正反対だ。ドラマの大統領は、民主党でリベラル、環境問題や銃規制、戦争犯罪を裁く国際刑事裁判所の設立を推進している。現実とドラマの世界のギャップに苦しむ視聴者も多いのではないか、ドラマの制作スタッフも大変だろうなと思う。

ドラマではあるが、政治の勉強には大いになる。政治の理想と現実、政治の仕組みなど。
日本で官邸を舞台に同じドラマは作れるかというと、どうも無理な感じがする。日本は官邸より官僚が強い国だからね。

以下に私がこのドラマで学んだ政治の知識。

1.北朝鮮領海で活動していたアメリカの潜水艦が行方不明に。敵に見つからないようエンジンを切っているため連絡が取れないのかもしれない。だが、事故である場合、北朝鮮に知らせるべきか。官邸に呼んだ国務次官のアドバイスは以下の通り。
北朝鮮は世界第4位の軍事国家、1968年に潜水艦プエブロ号事件があり、この時は北朝鮮領海内で調査活動をしていたアメリカの潜水艦が、北朝鮮軍に拿捕されるという事件が起こった。乗っていた兵士は11ヶ月に及んで拷問を受け、ついにはアメリカが、国際法違反の諜報活動をしたことを認め謝罪するという事態に至った。北朝鮮は、手ごわく、知らせれば宣戦布告と受け取りかねない。ちなみに、この事件、あの曽我さんの夫、ジェンキンスさんが関わっていたということで有名です。

2.再選をかけた大統領選の選挙戦キックオフと同じ日にFDA(食品衛生局)が、中絶薬の認可を発表すると聞かされた官邸スタッフたちは動揺する。だが、FDA(食品衛生局)は、独立機関なので変更するよう干渉すれば違法行為となる。

3.嘘は、どんなに小さいことでも、偽証罪となる。大統領が不治の病である多発性硬化症(MS)を患っていることを公表するが、そのことで、これまで嘘をついてなかったか、大統領だけでなく、家族やスタッフが大陪審や下院行政監視委員会に呼ばれ聴聞を受ける羽目に。大統領の身近な世話をする私設秘書のチャーリーは、自らの弁護のために10万ドル以上の弁護士費用を負担しなければならなくなる。また、補佐官秘書のドナは、自分が日記をつけていなかったか聞かれ、「ない」と嘘をいったため、騒動となる。一番、ピンチに陥っているのは、大統領夫人のアビー、彼女は医師でもあり、夫の看護を密かにしていたが、その行為が倫理規定違反になることを問い詰められる。
クリントン前大統領の不倫スキャンダルの時も、似たようにもめましたね。
日本では、民主党の古賀潤一郎氏が、学歴に中退を大卒と書いたことでもめてましたが、それに似てますね。でも、最近、ブッシュのイラク戦争の大儀に関する嘘の連続を見ていると、この辺、怪しいですよね。

4.共和党員のエンズリーを大統領が抜擢し、官邸スタッフとして登用するが、周囲は猛反発。だが、エンズリーは言う。「あなたたちは、違う意見を憎んでいるんじゃなくて、そういう意見を持つ人を憎んでいるのでは?」
なるほど、意見が異なるだけで人を排除するのは間違っている。

その他、諸々。


ところで、今回(11/23)のエピソードでは、アメリカのネブラスカ州でBSE牛が発見されるかもしれないという騒動があったが、吹き替えではBSEと言っているが、言語ではMud Cow、つまり狂牛病と呼んでいるのだ。考えてみれば、狂牛病をBSEと言い出したのは、日本の農水省で、これは、狂牛病と聞くと、恐怖感を煽るので、勝手に略語をつくりあげたのである。
by masagata2004 | 2004-11-24 00:59 | 映画ドラマ評論 | Comments(1)
Commented by ruhiginoue at 2008-11-04 18:01
 マーチン・シーンと息子のチャーリー・シーンは時々逮捕されて話題になりますが、理由が異なり、父は反戦とか環境問題のデモや座り込みで、息子は酒か女がらみの暴力沙汰。親子共演した『ウォール街』の、気骨ある父とバカ息子の図式は、ほんとうにそのままだとか。
 反戦運動でブッシュ政権を真っ向から批判したマーチン・シーンは、『ザ・ホワイトハウス』の降板の危機もあったとか。


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