映画「キャバレー」とドラマ「6千人の命のビザ」 なぜあんなことが!?

両作品に共通することは、ナチズムである。

まず、「キャバレー」は、1930年代のナチスが台頭するベルリンを舞台にキャバレーのアメリカ人歌姫が、同じアパートに住むイギリス人留学生と恋に落ちるというもの。このドラマは、ナチスが政権を掌握する前のドイツの状況がどんなだったかを表している。特にベルリンは、キャバレーがあるほど優雅でリベラルな雰囲気が漂った街だったので、ナチスの台頭は対照的な現象だった。実をいうと筆者は、似たようなテーマで、筆者の英語版ブログに同時代のベルリンを舞台にした小説を書いている。この場合は、キャバレーではなく、当時の前衛芸術であった「バウハウス」だ。面白いことがある。ベルリンは当時大変リベラルで、ゲイも自由であったという。このキャバレーの映画にもその要素が盛り込まれていたが、しかし、70年代の映画とあって、その辺の表現が実に曖昧となっている。筆者の小説にもそれは盛り込まれている。というのは、あのヒットラーが同志として慕った突撃隊のエルンスト・ロームは、ゲイであったということで歴史に名を残している。何でもヒットラーに粛正されるため逮捕されたとき、男の愛人と一緒だったとか。

さて、同時に借りたドラマ「六千人の命のビザ」は、1940年、ソ連に占領されたリトアニアで、ナチスの迫害を逃れるため日本領事館にビザの発給を求めにやって来たユダヤの民に政府の命令に反し日本の通過ビザを発給した外交官杉原千畝氏の物語である。反町隆史に外交官役なんて、と思ったが、これが意外なまでにイメージを凌駕する演技力で、久しぶりにドラマを見て涙してしまった。戦後、氏の偉業はひっそりと称えられ、死後になって日本国内で評価されることとなった。筆者はアメリカ留学中にカリフォルニア州の州都サクラメントの州営の施設で氏の写真が壁に何枚も偉業の説明と共に展示されているのを見た。

さて、なぜ、あんなユダヤ人の迫害、ホロコーストなることが起こったのかというと、結局は、世の中とか人間社会とはそんなものなのかということが分かりやすい結論なんだと思う。写真は昨年、ポーランドのアウシュビッツにて筆者と有名な「働けば自由になる」と書かれた門。


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ドラマの中でびくっとする言葉があった。「自分はユダヤ人でなくて良かったと思うことは、結局はナチスと同等になることだ」ということ。自分には、関係ないと思ってしまうこと自体、大きな罪を背負うことを意味するのだろう。昨年、訪ねたアウシュビッツだが、それは人類全体の罪と責任を象徴しているのだと思う。

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by masagata2004 | 2009-09-17 22:18 | 映画ドラマ評論


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