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映画「ココ・アヴァン・シャネル」 男社会に挑んだ女性の悲哀

を描いたような映画だった。そんな映画を鑑賞するためか、ご年輩のマダムと一緒にこのフランス映画を観た。

孤児だったシャネルが、酒場で歌手をやっていた時に貴族の放蕩男に拾われ愛人に、その後、愛人の邸宅で出会ったイギリス人貴公子と恋をし、彼の支援を受け、新しいスタイルの夫人ファッションを世に広め大成功を収める。

マダムの意見も混ぜて、評論を書くと。

全体的に言ってつまらない映画であった。前置きが長過ぎる。最後は、とっても輝いていただけに、その前置きの場面をだらだらと流しすぎ。無駄な場面が多い。主演女優は演技も容姿も素晴らしかったのだが、いまいち、ストーリー展開がだらだらの上、ちぐはぐ。色気で男を虜にするだけではない、シャネル流のしたたかさが描き切れていない。その意味で、なぜ彼女があれほど成功したか理解するだけの説得力に欠ける。

ファッション界で華開く彼女の動静を表すためにも、ネックレスとか服装がどのように進化していったかなどの描写がなく、ファッションに興味のある女性としては不満。そのマダムは、ハリウッド版の「ココ・シャネル」を観たのだが、それは分かりやすく伝記風に描かれていてよかったと。このフランス映画は、観たい人がいたとしても、お薦めできない。

さてさて、私個人の評論としては、上記に合意するところとは別に述べさせて貰いたいものがある。

19世紀から20世紀前半にかけての女性たちの苦悩が描かれていることが、この映画の特徴であって、その辺にテーマを据えていたというか、据えすぎていたのではと思う。

つまり、女性に参政権もなく、お金を管理する権利もない男性優位な社会で道を切り開くには、結局、男に媚びるしかなかった。嫌でもそうするしかなく、それだからこそ、彼女のファッションは女性解放的なスタイルが盛り込まれている。当時の女性は、長いスカートにコルセットなどで歩きにくく締め上げられているのが当然だった。

彼女の成功は、女性解放に役立ったものの、実をいうと、彼女自身は、女性の中で最も悲哀を味わった存在であったということを表したかったのだろうと思う。

映画「ココ・アヴァン・シャネル」 男社会に挑んだ女性の悲哀_b0017892_17504457.jpg


映画館に行く前に見たこのシャネルの広告は、そんな悲哀を表しているようでならなかった。
茨の道をかき分け、大成功を収めるのは並大抵のことではないということね。
by masagata2004 | 2009-10-01 17:52 | ライフ・スタイル | Trackback | Comments(0)


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