人気ブログランキング | 話題のタグを見る

「ディファイアンス」と「レディ・エージェント」 ナチスはネタになる

最近は、ナチスをテーマにした映画が数多く上映されている。トム・クルーズ主演のヒットラー暗殺を企んだ将校の物語「ワルキューレ」、ブラット・ピット主演のナチス狩りをするエージェントを描いた「イングロリアス・バスターズ」、ナチスの独裁を高校生が実体験する「ザ・ウェーブ」とか。これって、イラク戦争現象とリーマン・ショック以降の世界同時不況によるものなのか。昨今の状況が、あの時代に似てきているからなのか。筆者も以前からナチスに関しては、興味があり、DVDで「ヒットラー」というのを買ってしまった。そして、一昨年は、その影響でベルリンとアウシュビッツを旅行してきてしまった。その時の模様はこの記事を。

さて、今回は、2つのDVDを借りた。どちらも実話に基づくもの。一つは、「ディファイアンス」というタイトル。007でボンド役を演じているダニエル・クレイグ主演で、ポーランドでナチスの迫害を逃れるため、森に隠れながらユダヤ人難民で共同体を作り、多くのユダヤ人を救い生き延びた兄弟の物語。

この映画では、反ユダヤ主義とは別に共同体を運営することが、いかに大変かということを考えさせられる。文明から離れ、森の中で木を切り丸太小屋を作り、飢えと寒さといつ来るか分からない追っ手からの恐怖に耐える日々。集団の秩序を保つのは実に大変。ついには、その秩序を守るため、仲間を殺すことさえする。人間社会の基礎的な構造を勉強させられる。また、自分の共同体は自分で守るべしという防衛の思想の大切さも。

反ユダヤ主義でいえば、この映画で強調されているのは、反ユダヤ主義は、ドイツのナチスだけでなく、現地ポーランド人と、またドイツと敵対するソ連赤軍の中に色濃く存在していたということだ。ヨーロッパの反ユダヤ主義とは複雑で実に根深いといわれる。この映画で、クレイグの弟役として出演したリーヴ・シュウレイバーは、私が買ったヒットラーの伝記ドラマ「ヒットラー」で、ヒットラーのパトロンとなる実業家の役を演じている。まさに正反対の役を演じていて、そのギャップが何とも奇妙なコントラストを醸し出していた。

もう一つの作品は、「レディー・エージェント」というフランス映画。私が大ファンのソフィー・マルソー主演。もう40を超えたおばさんになった彼女だが、この映画の中では、ナチスに捕らわれた学者を救い、将校を暗殺する任務を命ぜられたエージェントを好演している。彼女と美女数人がタグを組み、コスプレ、ヌードダンス、色仕掛けを使い悪と戦うというものだけど、彼女以外は悲惨な運命を辿る。まるで、舞台を大戦時に変えたシリアスなチャーリーズ・エンジェルといったところか。

てなわけで、ナチスはネタが尽きない。いろいろ考えさせられると共に、スリルあるドラマが数多くある。もっとナチスに関して研究したい。ドイツ語も勉強しよう。

ちなみに、私自身、英語版ブログでナチスをテーマにした小説を書いた。英語が読めて、興味のある方はBauhauslerをご覧下さい。

人気ブログランキングへ
by masagata2004 | 2010-01-12 12:53 | 映画ドラマ評論 | Trackback | Comments(0)


私の体験記、意見、評論、人生観などについて書きます


by マサガタ

S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

カテゴリ

全体
プロフィール
自作小説
映画ドラマ評論
環境問題を考える
時事トピック
音楽
スポーツ
ライフ・スタイル
米留学体験談
イベント告知板
メディア問題
旅行
中国
風景写真&動画集
書籍評論
演劇評論
アート
マサガタな日々
JANJAN
スキー
沖縄

タグ

最新のトラックバック

フォロー中のブログ

高遠菜穂子のイラク・ホー...
ジャーナリスト・志葉玲の...
地球を楽園にする芸術家・...
*華の宴* ~ Life...
poziomkaとポーラ...
広島瀬戸内新聞ニュース(...
井上靜 網誌
美ら海・沖縄に基地はいらない!
辺野古の海を土砂で埋める...

その他のお薦めリンク

ノーモア南京の会
Peaceful Tomorrows
Our Planet
環境エネルギー政策研究所
STAND WITH OKINAWA

私へのメールは、
masagata1029アットマークy8.dion.ne.jp まで。

当ブログへのリンクはフリーです。

検索

その他のジャンル

ブログパーツ

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

東京
旅行家・冒険家

画像一覧