ドイツ映画「ベルリン陥落 1945」 ソ連軍による性暴力
ナチスや戦争関連のドイツ映画を、また観てしまった。数年前から、そのジャンルの映画が公開されると必ず映画館に行くなり、レンタルで観ることにしている。例をあげれば、ヒトラーが誕生から独裁体制を築くまでを描いた「ヒットラー」、そのヒットラーが戦争末期、自殺するまでの日々を描いた「ヒトラー 最期の12日間」、ナチス時代に抵抗運動をしたため処刑された若い女性の物語「白バラの祈り」、ナチスの独裁を高校の授業で実験する「ザ・ウェーブ」などなど。詳しくは、このブログのタグ「ドイツ」で評論を読んでいただきたい。
実際にその影響で2年前にベルリンとアウシュビッツを訪問して、その歴史の足跡を追ったこともある。
以下は、その旅の総集ビデオ映像
だが、そのドイツも被害者の面が大いにある。そのことを描いたのが、映画「ベルリン陥落 1945」である。
これは実在した女性の手記を元にしてつくられたもので、ベルリンがソ連軍により陥落して、ベルリンにいた女性達がソ連兵にレイプされていくストーリーである。
意外なのは、被害にあった女性達が、互いにその体験を話し合っている場面があることである。極限の状況において、女性達が、生き延びるため、気持ちを現状に適応させたということなのだろうか。そして、大事なところは、そんな加害者のソ連兵も、自分の家族がドイツ兵に殺されたりしているということを被害者の彼女らが思い知るところである。
先日、ドイツの戦後処理について説明する講演会に参加した。そこで、この映画のことが、紹介されていた。講演者は、ドイツ在住のジャーナリストの梶村太一郎氏であった。実に詳しく分かりやすい講演だった。ただ、ドイツの例と日本の例を、そのまま比べるのは無理があるのではないかと思った。
戦後処理に置いて一番大きな違いは、ドイツは、国家が分断され、冷戦の真っ只中に置かれたため、日本と違い、再軍備をしなければいけない状況だった。そのうえ、徴兵制を採り入れた。そうなると、陸続きの周辺国が黙っていない。なので、過去の克服は国家を総動員してやらなければならない重要な課題となったのである。日本には、それほど差し迫った状況はなかった。島国でもあるし、アメリカの庇護を受け、経済の復興に専念すればよかっただけのことだ。
そして、日本は憲法9条という「戦争をしない、軍隊を持たない」と詠った条文があったため、だから、もうあんな過ちは起こせやしないと、ごまかしを決め込む口実が存在した。
だから、ドイツのように、過去の間違いがなぜ起こったのかを検証する総括を十分できないままでいたのだ。
だが、9条は改正しなければいけないものだろう。そこがジレンマとなっている。9条のせいで、日本人は戦争はしてはいけないもの、だから、軍事を議論することさえタブーにしてきたが、現実世界をみるとそれは違うと思う。
この映画の最後は、ソ連兵とベルリンの女性達がダンスをして仲良くなる場面で終わるのだが、その時に、ナレーションとして「戦争とは人間のさが、それを止めるには死しか方法はない」と語られた。
だからこそ、ドイツ同様に日本にも再軍備が必要で、自衛隊も正式な軍隊に昇格しなければならないと思う。そのためにも、過去の戦争の失敗は身にしみるほど学び、戦争は避けられぬとも、できるだけ最小化し、二度と虐殺などのようなあってはならない悲劇を繰り返されないような体制と市民一人一人が、良心により国家の暴走を防ぐ心構えを持つべきだと思う。
ドイツは軍隊を保持しているものの、侵略戦争は禁じており、NATOの枠組みの中でしか出兵を出来ない仕組みになっている。また、兵士一人一人の義務として「人道に反する命令を拒否すること」が定められている。
不戦の理念はすばらしいものの、ごまかしと曖昧さが、リスクになっている日本の9条よりも、ドイツのやりの方がすっきりしていて、かえって安全じゃないかと思うのだが。
実際にその影響で2年前にベルリンとアウシュビッツを訪問して、その歴史の足跡を追ったこともある。
以下は、その旅の総集ビデオ映像
だが、そのドイツも被害者の面が大いにある。そのことを描いたのが、映画「ベルリン陥落 1945」である。
これは実在した女性の手記を元にしてつくられたもので、ベルリンがソ連軍により陥落して、ベルリンにいた女性達がソ連兵にレイプされていくストーリーである。
意外なのは、被害にあった女性達が、互いにその体験を話し合っている場面があることである。極限の状況において、女性達が、生き延びるため、気持ちを現状に適応させたということなのだろうか。そして、大事なところは、そんな加害者のソ連兵も、自分の家族がドイツ兵に殺されたりしているということを被害者の彼女らが思い知るところである。
先日、ドイツの戦後処理について説明する講演会に参加した。そこで、この映画のことが、紹介されていた。講演者は、ドイツ在住のジャーナリストの梶村太一郎氏であった。実に詳しく分かりやすい講演だった。ただ、ドイツの例と日本の例を、そのまま比べるのは無理があるのではないかと思った。
戦後処理に置いて一番大きな違いは、ドイツは、国家が分断され、冷戦の真っ只中に置かれたため、日本と違い、再軍備をしなければいけない状況だった。そのうえ、徴兵制を採り入れた。そうなると、陸続きの周辺国が黙っていない。なので、過去の克服は国家を総動員してやらなければならない重要な課題となったのである。日本には、それほど差し迫った状況はなかった。島国でもあるし、アメリカの庇護を受け、経済の復興に専念すればよかっただけのことだ。
そして、日本は憲法9条という「戦争をしない、軍隊を持たない」と詠った条文があったため、だから、もうあんな過ちは起こせやしないと、ごまかしを決め込む口実が存在した。
だから、ドイツのように、過去の間違いがなぜ起こったのかを検証する総括を十分できないままでいたのだ。
だが、9条は改正しなければいけないものだろう。そこがジレンマとなっている。9条のせいで、日本人は戦争はしてはいけないもの、だから、軍事を議論することさえタブーにしてきたが、現実世界をみるとそれは違うと思う。
この映画の最後は、ソ連兵とベルリンの女性達がダンスをして仲良くなる場面で終わるのだが、その時に、ナレーションとして「戦争とは人間のさが、それを止めるには死しか方法はない」と語られた。
だからこそ、ドイツ同様に日本にも再軍備が必要で、自衛隊も正式な軍隊に昇格しなければならないと思う。そのためにも、過去の戦争の失敗は身にしみるほど学び、戦争は避けられぬとも、できるだけ最小化し、二度と虐殺などのようなあってはならない悲劇を繰り返されないような体制と市民一人一人が、良心により国家の暴走を防ぐ心構えを持つべきだと思う。
ドイツは軍隊を保持しているものの、侵略戦争は禁じており、NATOの枠組みの中でしか出兵を出来ない仕組みになっている。また、兵士一人一人の義務として「人道に反する命令を拒否すること」が定められている。
不戦の理念はすばらしいものの、ごまかしと曖昧さが、リスクになっている日本の9条よりも、ドイツのやりの方がすっきりしていて、かえって安全じゃないかと思うのだが。
by masagata2004
| 2010-07-19 00:22
| 映画ドラマ評論
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