米映画「トッツィー」 すでにフェミニズムの時代は終わっているが

ダスティン・ホフマン主演の売れない役者が、高額のギャラを取ろうと、女装して昼メロのキャリア・ウーマンの役をゲットする。

この映画を高校時代、社会の教師に授業の一貫として見せられたことを覚えている。何でも、ジェンダーについて考えようというのがテーマだったが、生徒からはオカマが引き起こす騒動コメディとしてしか捉えられていなかった。

制作者にそんな狙いがあったとは、なかなか思えない作品である。結局はただのコメディではなかったのか。

ただ、当時、フェミニズムに、それなりに関心のあった私は、真剣にそのテーマに挑むべく観賞した。でも、今、見返してみると、単なるコメディに過ぎないのではないかと思える。

同じようなストーリー展開で、黒人に化けて奨学金を得てハーバード大学に入学する白人青年を主人公とした映画「ソウル・マン」ならば、コメディながらも、テーマ性がしっかりしていたように思える。違う立場の人間になることで、思わぬ気づきをするというネタ。

どちらの映画も、最後には、主人公の正体がばれるのだが、変身していた自分を本物と思っていた人と新たな付き合いを始め、それによって、性とか人種などの垣根を超えて人と人は理解し合えるものだというメッセージを伝えたかったように思える。

「トッツィー」では、フェミニズムがテーマだったとして、フェミニストが好むキャリアウーマンとしての強い女を演じる男から、男でも女の立場や気持ちは理解できるのだと訴えたかったのだろう。

だけど、もうフェミニズムなんて関心のない今日この頃。いくつか理由を挙げると、



1.今更、男尊女卑を肯定する男など存在しない。まあ、男女平等が当たり前になったという意味で役割が終わったということか。

2.男女平等といわれながら、女性は意外に保守的なまま。例えば、最近になって家庭で主婦をしたいという女性の割合が増えてきたとか。特に若い世代に。その一因に、景気が悪くなり、能力のない女性が高収入の職業に就けにくくなったためだとか。

3.女性の社会進出が進んでいったといっても、まだまだ世界は、どこも男性優位社会。変化はあるものの、少しずつで今後も、急激に変わる見込みはなく、また、こういう変化は鈍くてもいいのではないか。例えば、少し前まで務めていたとある米国系の企業の重役会では、10人近くいる役員のうち、女性は、たった一人だった。もちろん、日本よりずっと進んでいるはずなのだが、それでも、上の上では、男女平等だとは、まだいえない現状。

4.女だから、男だからより、個人の実力、能力で判断すべし。無理して、男勝りになる必要も、女らしくなる必要もなし。まあ、それが本来のフェミニズムの目指すべきところなんでしょうけど。当初、ウーマン・リブとかが、もてはやされていた時代は、何でも男の世界に女が入っていくことが格好いい、時代の最先端だとかみられていたが、ま、結局は個人の能力に見合ったところに落ち着くわけで、結果的に男の多い職場はそのまま、逆もしかり。また、個人能力以外に職場環境という意味で、男だけ、女だけという偏りを無理して補正するのは、その環境の変化による全体への悪影響を考えれば無理しない方がいいのでは、とも思う。

私は差別主義者ではないが、もう時代は変わった。悪くなったという意味ではなく、ブームとか流行とかいう段階は過ぎたんだなと。

そういえば、最近はジェンダーといえば、男、女を超えて、ゲイ、レズビアンということがアメリカではテーマとなっていると聞くが、この映画でも、それが出ていたが、30年前だったということがあり、否定的に描写されている。

映画とは、その時代の風潮を反映しているもの。時代の鏡という役割を担っているのだとつくづく思う。

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by masagata2004 | 2010-07-25 17:56 | 映画ドラマ評論 | Trackback | Comments(0)
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