江ノ島で「日本男児」を体験する

 7月10日、神奈川県の江ノ島で、人生で最も刺激的な体験をした。それは、江ノ島神社の天王祭での海中渡御に参加できたことだ。江ノ島の天王祭とは、江戸時代、対岸の腰越神社の御神体が台風で流されたのを江ノ島の漁師が拾い上げたというのが起源の夏に行われる祭事。

 その日の天気は晴れで高温多湿、江ノ島の対岸の湘南海岸には海水浴客が詰めかけていた。

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 まずは、江ノ島神社にて祭事の式典が執り行われた。そして、その後に、神社から御神輿を階段を下りながら、担いで降りていき、ついには浜辺近くまで持ってきたところで、一旦、据え置く。そして、男衆による海中渡御の準備をする。そこから、皆、白褌一丁の姿にならなければいけない。周囲は、好奇の目で一杯になる。

 それもそのはず、白褌とは、六尺褌で、お尻は丸出し、前は大事なところのみを隠した状態になるのだ。かつての日本では、漁師にとっては当たり前の姿だったのだろうが、今では男性が公衆でそのような格好をするのは、実に珍しい。お祭りぐらいだと思えるが、その祭事でさえ、昨今は褌の習慣が廃れているという。江ノ島の天王祭のように白の六尺褌一丁というのは全国的にも珍しいほどだ。

 海中渡御では、褌一丁の男衆数十人が御神輿を担ぎながら、海へと入水する。それを数百人もの客が見つめる。そして、海上では、御輿を取り囲むように船に乗った神社の神官が清めの儀式を執り行う。

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 わたしは、御輿を担ぎながら、海の中で最高の海水浴をした。それは褌だからこそできたことだ。現代の水着では、腰の側面と尻の部分は、ほぼ覆ってしまうことになるが、褌だと直接水に触れることができる。下半身が直に海水に触れることになるのだ。これこそ、海水浴というものである。膝近くまで覆う現代のボクサー水着では、海水浴とはいえない。

 体と褌がどっぷり海水に浸った後、御輿は海から浜辺へと出る。そこから、また、多くの観客が見つめる中を御輿を担ぎながら路上行進していくわけだが、白褌は水に濡れ泥も混じっているためか、一同の前の部分は形がくっきりと浮かんだ状態になる。さすがに恥ずかしいと思い、おもわず前を隠しそうになるが、これは厳粛な儀式でもあるため堂々としていなければと考え、御輿を担ぎながら進むことにした。御輿はただ前に進むだけでなく、時折、掛け声を上げながら、上下にジャンプする行為も行った。

 端から見れば、裸の男衆のそんな姿を観るのは一興だろう。自分が、その一部に加われたことに最上の悦びを感じた。

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 そんな祭りが終わり、考えたことがあった。果たして、この日本の中で伝統主義者と豪語する頭の固そうな男たちの中でどれだけが六尺褌を自分で絞められるのだろうか。2メートル近くの長さがある布きれをねじったりして体に巻くちょっと複雑な着物だ。また、身につけられたとしても、人前で堂々と歩けるのだろうか。それがお祭りだったとしてもだ。

 世にいう頭の固そうな伝統主義者とか保守とか呼ばれる方々は、ネクタイの締め方は知っていても、褌の締め方は、知らないのではないか。人前で、あんな格好をすること自体をはばかるのではないか。

 だからこそ、そんな彼らは外国軍の基地が自国の土地や空を占拠している状態を容認できるし、日本では、ほとんど採れないウランを原料に使った発電施設を、頻繁に地面が大揺れして、大波が襲うこの島国に建てることをよしとする。一度、壊れてしまえば甚大な被害が出るということは、かねてから予想されていたのにもかかわらずにだ。

 発電なら、日の丸に象徴される太陽、富士山に象徴される火山国ならではの地熱を使うことの方が日本ならではと思えるはずではないのか。
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 そんなことを考えると、褌文化の廃れは、日本が今、直面している諸問題と無関係とはいえないのだと思えた。

 日本男児よ、褌を締めて真の伝統に目覚めよ、もちろん、大和撫子もね。伝統の全てがいいことばかりとはいわないけどさ。
by masagata2004 | 2011-07-11 23:50 | マサガタな日々 | Trackback | Comments(2)
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Commented by ふんどしランナー at 2013-06-20 23:00 x
いいことをおっしゃいますね。私は毎日ふんどしでランニングしていますよ。ふんどし文化を大切にしたいという強い思いからです。ちなみに私は原発職員。後始末の責任をとるために働いています。決して再稼働を望んでいるわけではありません。
Commented by masagata2004 at 2013-06-23 19:21
ふんどしランナーさん、コメントどうも。ランニング頑張ってください。私も同じこと時々します。


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