福島で放射線除染ボランティアに参加

7月16日と17日の2日間、福島第一原発から50キロ離れた位置にある福島県伊達市の富成小学校を訪ねた。目的は、コープ・フクシマNPO「放射線安全フォーラム」代表の田中俊一氏の呼びかけによる校庭及び校庭周辺の放射線除染作業にボランティアとして参加するためだ。
b0017892_20522960.jpg

16日朝、現地に到着すると、SPとマスコミ記者に囲まれた細野豪志原発事故担当相が来ていた。何でも、この除染作業を視察に来ていたとのこと。その日の報道で知ったことによると、除染は政府が責任をもってすると述べたとのことだ。私は、細野氏が帰った後、ボランティア作業グループに加わった。
b0017892_2054651.jpg

一同は、帽子にマスク、軍手をつけて、学校の校庭周辺の傾斜のある法面(のりめん)の雑草と表土を鎌やスコップを使って剥がしていくという作業であった。その表土に放射線物質がびっちり付着しているのだ。私は、自前のガイガーカウンターを持って、表土を測定した。私が持っているのは、簡易型で、最高1ミリ(1000マイクロ)シーベルト/毎時まで計るものなので、必ずしも、正確に計測できるものとはいえないが、計ってみると、1~3マイクロシーベルトの間を針が振れており、東京では1を越すことがなかったということを考えると、明らかに高めの値が出ていることが分かった。
 
富成小学校は、伊達市の中では、国の基準である年間20ミリシーベルト(3.8マイクロシーベルト/毎時)を校庭で超したところであり、校庭はすでに表土を削る作業を終えている。だが、斜面はショベルカーなどの機械では削れないので人間の力を使わなければならない。なので、団体はボランティアを多数募集した。

表土を削っては、埃が舞うといけないので、水を上から撒く。削った土は、土嚢袋に入れてまとめる。午前と午後、ほぼ2時間ずつ、しばしば休憩をとりながらの作業である。晴天の下、気温は35度は超え、湿度も高く灼熱地獄の中、汗が多量に出て、喉もめっぽう渇く。

削った後、測定すると、私のカウンターではたいした違いはみられなかったが、団体の計測器では、2KCPMが、1K未満になるという結果が出て、効果は出ていた。
b0017892_2142787.jpg


ボランティアには、地元、福島県からと私を含めた首都圏以外に大阪からの参加者もいた。年代は私を含めた中年世代が主だったが、それ以外に、若い人も数人いた。また、福島県選出の参院議員、森雅子氏も作業に参加していた。

団体は、当初、参加人数を200-300人としていたが、結局、集まったのは40人程度であった。なので、実際のところ、作業に対し人数は足りているとは言い難かった。
 



地元の人達に話を聞くと、様々な情報が錯綜し、不安でたまらないとのことだ。10人の学者に話を訊くと10通りの答えが返ってくる。誰を信じていいか分からない。なので、学者などの説明会を住民向けに行うと、説明だけで質疑応答が許されなくなっているというのだ。人々は、説明したことに対し、絶対的な保証を要求したがるものだが、そんなこと、どの学者もできないのが現実だからだ。

また、必要以上に不安が煽られ、風評被害が広がるのが心配であるという。肉牛や野菜・果物の汚染が報道されているが、現状の汚染度では、それを毎日のように食べたとしても、人体に影響が出るほどもないのに大袈裟だと不満をこぼす人もいた。

学校周辺は、美しい田園地帯であった。ところどころに里山のような低い山々もみられた。まさに日本の原風景というべきところである。伊達市の計画では、学校に限らず、山林を含めた全域の除染を計画している。
b0017892_2162927.jpg


水田は、田植えされたお米の苗が緑色に生い茂り、これから生育していく過程であるのがみてとれたが、その田圃の土も、どれだけ汚染されているか分からないままで田植えをしたという。結果を待っていては遅すぎるからだ。なので、せっかく収穫しても、その後、市場に出せるのか分からず不安であるという。農家によっては、自分の子供に農業を継がせるべきか悩んでいる人もいるという。

早い話、原発というのは、我々にとっては選択肢であってはならないということだ。原発が嫌だ、というのが感情論であったとしても、我々は、そんな感情を持った生き物だ。実際にどれだけの被害が出るかということが問題ではない。何だかの大きな被害がでるかもしれないという不安を与えるということで、十分、失格なのだ。

そもそも原発は、事故は起こり得ないという安全神話を元に存続してきたようなもの。それ自体、間違いであった。この世に完璧なものなどない。最悪の事故が起きても、最悪の結末をもたらさないものでなければいけなかったのだ。しかし、原発の事故というのは、社会の根底を揺るがすほど、最悪な被害を生み出す。
 
そして、それが起こった。それも我々の庭の中でだ。もう、それで原発の存在意義は吹っ飛んだ。今更、電力不足とか経済が停滞するとかいう議論はナンセンスだ。

原発よ、とっとと、この地球上から消え失せろ!



2011年8月4日追記

以下が、その日の除染作業の成果報告となります。

放射能除染ボランティア活動報告 その1(7/16・17 : 伊達市富成小学校)

人気ブログランキングへ
by masagata2004 | 2011-07-18 21:08 | 時事トピック | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://masagata.exblog.jp/tb/15963992
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。


人生は常に進歩していかなければならない


by マサガタ

プロフィールを見る
画像一覧

S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31

カテゴリ

全体
プロフィール
自作小説
映画ドラマ評論
環境問題を考える
時事トピック
音楽
スポーツ
ライフ・スタイル
米留学体験談
イベント告知板
メディア問題
旅行
中国
風景写真&動画集
書籍評論
演劇評論
アート
マサガタな日々
JANJAN
スキー
沖縄

タグ

最新のトラックバック

映画「終戦のエンペラー」..
from soramove
【映画】バーダー・マイン..
from しづのをだまき
インサイダー
from 映鍵(ei_ken)

フォロー中のブログ

高遠菜穂子のイラク・ホー...
ジャーナリスト・志葉玲の...
増山麗奈の革命鍋!
*華の宴* ~ Life...
poziomkaとポーラ...
広島瀬戸内新聞ニュース(...
楽なログ
美ら海・沖縄に基地はいらない!

その他のお薦めリンク

ノーモア南京の会
Peaceful Tomorrows
Our Planet
環境エネルギー政策研究所


私へのメールは、
masagata1029アットマークy8.dion.ne.jp まで。

当ブログへのリンクはフリーです。

検索

ブログパーツ

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

東京
旅行家・冒険家

画像一覧