ドキュメンタリー「非現実の王国で」 孤高な人生の美学

誰にも、その才能を見出されず、ひっそりとその孤独な生涯を閉じた男の謎に満ちた生涯を追ったドキュメンタリー。彼の名は、ヘンリー・ダーガーというシカゴに住んでいた雑役夫で享年は81歳であった。1892年に生まれ、1973年に死亡。身内などおらず孤独で小柄な男であった。彼の死後、住まいのアパートから15000ページ及ぶ小説と、その小説に関する画集が発見された。死後、作品が発表され、世間を圧倒させることとなる。

彼は、孤児として生まれた。だが、幼い頃から虐待やいじめを受け続けていたらしい。その後、貧しい生活をしながら、日々のつらさから逃れるためか、「非現実の王国で In the real of the unreal」という小説を書き、そして、独自の手法で、小説の世界を絵の具で描いていく。面白いのは、自分で描いた絵を写真に撮し、それを写真屋に拡大化するように頼み、それを元に登場人物の複製画を描いていったことだ。かなりの懲りよう。

それらの作品は、彼が生前の時に世に出ることはなかった。彼自身、周囲からも孤立した生活を送っていたほどだ。

そんな謎に満ちた生涯、そして、死後明らかになる彼の残した作品。悲しき切ない人生なのだが、ふと、そんな人生も、それなりの人生なんだなと思う。どこか町の路地裏で、たった一人でひっそりと佇み、ひっそりと死んでいく。だが、自分だけの世界を持っている。究極の都市住民の生き方かもしれない。別に家族を持ち、多くの友人を持ち、社交的で、世間に認知されていることが人間の一生ではない。結局のところ、人は一人で生まれ、一人で死ぬ。無理して人とのつながりを強めて生きていく必要はない。たった一人でも楽しめる娯楽を持っているのなら、それで十分ではないか。最近流行のオタクと共通する点でもある。

ただ、この人、もし今の時代に生きていたのなら、生前に自らの作品を堂々と発表する手段があったのに。それは、このブログを読んでいるなら誰でも分かる。ネットでの公表だ。そうすれば、誰かの目に留まり、そこから別の人生が開けていたのかもしれない。それがいいことなのか、悪いことなのか誰にも分からないが。

ちなみに、その点でいえば、ヘンリー・ダーガーと共通することが私にもある。このブログで自作小説を発表している。興味のある人は、カテゴリーの自作小説か、タグのノベルズをみて欲しい。

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by masagata2004 | 2011-08-28 19:59 | ライフ・スタイル | Trackback | Comments(0)
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