韓国映画「マイ・ウェイ 12,000キロの真実」 国家と自分

実話を元にしていると宣伝文句にあるが、どう考えても完全なる実話でないことは確か。だが、史実を元に、観客を飽きさせない最高のストーリーに仕上げている。

そして、映画は、ある種の人間のサガというものをテーマにしていて、その意味で考えさせられる。

日本が韓国に統治されていた時代、祖父を軍人に、父を医者に持つ日本人の少年が、ソウルの祖父の家を訪ね、その家で使用人として働く男の息子と親交を深めることになる。二人の男はマラソンのライバル選手同士として成長していくが、差別、戦争が彼らの人生に覆い被さり、両者はユーラシア大陸の戦場をまたぐ数奇な運命を辿る。

国家に忠誠を誓うことがどんな意味を為すのかということを考えさせられる。韓国人にとって、自分たちを二流国民扱いをする宗主国だった日本は、本当に忠誠を誓うべき対象だったのか。もちろん、そうではないからこそ、捕虜になった時、日本人と韓国人は違った行動をすることになる。

また、命からがら生き延びたいと思えば、1個人としての自分が重要で国家なんてどうでもよくなる。その時、その時に人間はいかように環境に対して適応できてしまう。それはあさましいことでもあるが、同時に国家という物自体、まぼろしでしかないのではないかと、実をいうと多くの人々が分かっているのに口に出さないだけだと。戦場という極限の状態は、そんな人間の本性が暴露される場だ。

この映画では、韓国を占領統治する日本人役に名だたる俳優が出演していることに感心する。ほとんどの役柄は、傲慢な日本人統治者だ。脱原発俳優、山本太郎の軍人キャラも強烈だ。これが韓国人の見る日本人の姿なのかということをまざまざと思い知らされる。

でも、考えてみれば、そんな類の映画を日韓共同で製作できるようになったというのが現代における日韓関係なのかもしれない。二度と、映画で表された時代のようになりませんように。

人気ブログランキングへ
by masagata2004 | 2012-07-21 03:05 | 映画ドラマ評論 | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://masagata.exblog.jp/tb/18689510
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。


人生は常に進歩していかなければならない


by マサガタ

プロフィールを見る
画像一覧

S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30

カテゴリ

全体
プロフィール
自作小説
映画ドラマ評論
環境問題を考える
時事トピック
音楽
スポーツ
ライフ・スタイル
米留学体験談
イベント告知板
メディア問題
旅行
中国
風景写真&動画集
書籍評論
演劇評論
アート
マサガタな日々
JANJAN
スキー
沖縄

タグ

最新のトラックバック

映画「終戦のエンペラー」..
from soramove
【映画】バーダー・マイン..
from しづのをだまき
インサイダー
from 映鍵(ei_ken)

フォロー中のブログ

高遠菜穂子のイラク・ホー...
ジャーナリスト・志葉玲の...
増山麗奈の革命鍋!
*華の宴* ~ Life...
poziomkaとポーラ...
広島瀬戸内新聞ニュース(...
楽なログ
美ら海・沖縄に基地はいらない!

その他のお薦めリンク

ノーモア南京の会
Peaceful Tomorrows
Our Planet
環境エネルギー政策研究所


私へのメールは、
masagata1029アットマークy8.dion.ne.jp まで。

当ブログへのリンクはフリーです。

検索

ブログパーツ

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

東京
旅行家・冒険家

画像一覧