混浴について考える

先週末の青森県八甲田山への旅行では、スキー以外に、どうしても体験しておきたいことを体験してきた。それは、温泉の混浴である。
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場所は、酸ヶ湯温泉旅館である。スキー場から車で20分ほど離れたところにある雪がどっぷりと積もった場所だ。温泉は宿泊客以外の人には入浴料を払い入れるようになっている。そして、玄関には混浴のルールを書いた標示板がある。
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そこに千人風呂と呼ばれる大浴場があり、そこが混浴の場となっている。二つの大きな湯船があり、男性は左側から、女性は右側から入るのだが、湯は白濁色なので、いざ浸かってしまえば湯に入ったところは見えない。風呂場の真ん中で男女を区切るついたてがあり、一つの湯船では女性はついたてに隠れながら、湯に浸かることができる。だが、私が入った2日間では、ほとんどが男性客で、女性はずっと少なく、その多くは高齢者だった。若い女性もいたが、布を巻いていたり、または湯船に浸かるまでタオルでしっかり体を隠していたりした。

もっとも、女性の裸に興味があったわけではなく、混浴文化とはどういうものであるかを肌で感じるのが目的であった。ちなみに、私にとって、この酸ヶ湯は生まれて初めての混浴ではない。生まれて初めては、意外にもアメリカはカリフォルニア州北部にあった露店温泉風呂である。学生時代で、16年ぐらいも前のこと。大学の山間部キャンパスで植物学の講座を受講するのが目的だった。そこの近くにあった露天風呂の温泉で、それが何と混浴だったのだ。その時、アメリカ人の学生が、混浴には、保守主義からの脱却としての意義があると話していたが、それと日本の混浴文化とは意味合いが違うように思う。

日本では、古来から混浴が当たり前であった。少なくなったのは明治時代以降であり、かつてまで男女が共同浴場で全裸になることは恥ずかしいことではなかった。明治時代の筑豊炭坑の生活を描き世界記憶遺産とまでなった山本作兵衛の絵画記録では、炭坑夫たちの混浴風景も描かれている。それは、何ら特別なものとしてでなく、当たり前のことのように記録されているのだ。

温泉で混浴となると、それは限られたスペースを区切らず、老若男女を問わず、いつでも誰でも楽しめるようにすることが目的だといわれている。昔の日本人にとって、お風呂とは誰もが全裸になって浸かるものだから、風呂場でお互いの全裸を目にするのは特別なことではなかったと考えられる。

それは、現代でいえば海水浴をするために浜辺で、水着姿になるのと同じようなものだ。誰も、海水浴場での水着姿を恥ずかしがったりしない。それと同じように風呂場で全裸になるのは恥ずかしいものではないとみていたのだろう。

だが、そんな混浴の習慣は、明治時代に日本を訪ねた西洋人の目からは「非文明的」な習慣として映り、当時の日本の指導者も、そのように思うようになった。

混浴は、褌、着物と同様に、外からの影響を受け、我々が失いつつある伝統なのだろうか。
by masagata2004 | 2013-04-10 23:44 | ライフ・スタイル | Trackback | Comments(1)
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Commented by 混浴大好き at 2015-09-04 10:46 x
これからの日本は江戸時代から続いてる伝統の混浴文化を守り混浴を良い意味で復活させていく必要があります。男女全裸で混浴を活かすべきだと思います。男女別浴は異様な雰囲気に包まれます。


人生は常に進歩していかなければならない


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