名護市長選でみえたもの

沖縄県名護市の市長選で現職の稲嶺進氏が1月19日に再選した。票差は4155で、前回、初当選したときに比べ3倍もの得票差での勝利。この時のことに関しては、すでにこの記事で記している。

今回は、それをより詳しく記しておきたい。
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自民党の方では、勝利したといっても、当初、世論調査の結果で考えられていたダブルスコアというほどの圧勝ではなかったのだから、必ずしも反対一辺倒ではないのではないかという意見があるが、そこがみそである。

というのは、この選挙での対立候補への票の中には、いわゆる組織票、または買収票が含まれているというのだ。現場にいて、いろいろな人の話を聞くとそのことが如実に分かってくる。



名護市というのは人口が6万人で、そのうち有権者は4万人ぐらいだ。そのうち、5千票は金で買える票だといわれる。失業者などを標的にした買収によるものだ。それ以外に企業や団体からの推薦に従うというパターン。ただ、ここで思うのは、投票は秘密なんだから、何をいわれても、お金をもらっても、投票所では最終的に自分の選んだ候補の名を書けばいいのではと思うのだが律儀な沖縄人は、それができないという。

また、沖縄は地縁や血縁の強い社会であり、政策で支持していても、自分の親戚などが関連業者に務めているということであれば、そのことを考慮に入れざる得ない環境にある。

また、身近に基地で働いている人がいると単純に基地が来て職が増えるのだから悪いことはないじゃないかという意見を持っている人もいる。

自民党は、かなりの圧力を加えて、買収工作もあからさま、例えば業者の市長との付き合いが選挙前になってぱったりと止まったという。

買収工作では、直接渡すのとは違った手法が横行していたと噂される。失業者の多いパチンコ屋に特別に玉をプレゼントしたり、飲み屋に元女優の自民議員が現れ、ビールを注文しても、一切飲まず、2万円ほどを置き、釣りはいらないという。そうやって飲み屋をはしごする。(その場面を想像すると色っぽい)。

組織圧力による選挙を防止しようと、現地では投票所に監視団を置き、バスなどの団体で来ていたりする場合は、車のナンバーを撮るなどして、一種の抑止作戦を実施していた。また、町中を「買収のないきれいな選挙。買収は払う側ももらう側も罪になる」とスピーカーでアナウンスしている車も見かけた。

選挙戦をみていて共通したのは、両候補の支持者と運動員の種類の差である。稲嶺市長は、まさに一般市民でほとんどが普段着。対立候補の末松氏は主に背広や作業着のまさに企業抱えの運動員と思われる人々ばかり。みていておっとろしさを感じた。

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街頭演説の聴衆の数は、稲嶺氏が圧倒していた。それでも油断できなかったのはスーツ姿の運動員によるみえない集票活動だった。だからこそ、期日前投票というのが、名護市では4割近くにもなる。期日前の出口調査では4人に3人は回答を拒否というのだから、票の行方は全く読めなかった。

ちなみに推進派の末松氏は、稲嶺氏が市長になる前の推進派であった島袋市長の元、副市長をしていた人。設計などを請け負う会社を経営しており、だからこそ推進で、基地滑走路の埋め立ても、那覇の空港拡張のための埋め立てとどう違うのかと言い切ったほど。

何にせよ結果は予想通りに稲嶺氏が勝利。午後8時の投票締め切りと同時に速報で当確のテロップがテレビの画面に表れた。

なぜ勝てたかといえば、現職としての4年間の実績があり、市民から信頼されていたことが大きい。特に子供を持つ親御さんにとっては学校のトイレを整備したり、クーラーを取り付けたり、医療費を無料にしたりと、身近なところでの変化が身に染みていたと思われる。

また、対立候補も選挙直前まで候補が2者となるなど分断され、2000票の組織票を持つ公明党が自主選挙に回ったことで、がっちりと票を固めきれなかったことも要因として大きい。

ただ、最大の争点であった辺野古の新基地計画への反対が支持を得たというのが、最もな要因であるのは明白だ。組織の圧力や地縁、血縁を除けば、大多数が反対なのだ。

稲嶺氏の選挙戦の応援で、辺野古移設案が浮上して推進側であった故岸田元市長の夫人が演説に立ち言ったのは「亡き夫が実のところ反対で、本当に基地ができるようなら力づくでもとめないといけないと言っていた」ということだった。

1999年移設案に対する住民投票が実施されたが、その時は公選法の縛りがないため、買収が公然とされていたのにもかかわらず、反対が過半数となった。その時の状況と変わっていない。「やも得ず」とか「どうでもいいや」というのより、明らかに「絶対にいや」という意見の方が多数派だということだ。

さて、4年前、稲嶺氏初当選数か月前の頃、辺野古に初めて来てから、これで9回目の来沖となった私だが、しばらく、この活動に対しやや休止状態にさせてもらうことにした。一喜一憂に疲れ切ってしまった。

やめるというわけではない。まだまだ、敵はあきらめていはいない。投票日、当確が出る少し前に、背広を着た男二人が、稲嶺氏の応援事務所の近くに来てこちら側の車のプレートや事務所の様子を盗撮するかのようにとっていたことを覚えている。結果が分かった時点で、次の作戦に出ようと準備をしていたのか。
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その翌日に政府が埋め立てのためのボーリング調査の実施を発表。意気込みが衰えていないことの証だろう。

とはいえ、あの辺野古の海岸を埋め立てるのは無理ではないか、と強く感じる。それは最初に辺野古を訪れて以来、感じていたことだ。あの海岸はまるでパワースポットなのだ。
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投票日の朝、訪れると、美しい御光のような朝日が照っていた。それはまるで、その上に神様か仏様か、とても神聖で荘厳な力が存在するかのように思わせた。誰も手出しできないところのように思える。

また、現地で活動している人々もあきらめない、相手側があきらめるまでは、と自信を持って語っていた。

そして、思わぬ応援が、米大使がイルカ保護を訴えた。それについては、いずれ詳しく。
by masagata2004 | 2014-02-02 19:36 | 沖縄 | Trackback | Comments(0)
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