映画「スクール・ウォーズHERO」とラグビー

DVDで、この映画を見た。

この映画は、荒廃した高校を体育教師がラグビーを通して、生徒達を変え、立て直した実話を元にした話だ。

すでに80年代にテレビ番組にもなって有名な話しで、数年前にはNHKのプロジェクトXでドキュメンタリーとして紹介され、この物語自体はよく知っていた。

映画版は、テレビドラマと違い、実話にかなり近付けた感じで、舞台も京都で、言葉も関西弁を使い、荒々しさが強調された感じだ。

感想を言うと、まあまあというところだろう。主役の照英の演技は、関西弁も自然な感じでとても良かった。体格もラグビーコーチらしくがちっとして、はまり役だったように思う。生徒達の演技も、見事な不良になりきっていて上出来だった。こんなことが、実際にあったと思うと確かに感動ものだ。こんな出会いが出来た生徒達を、私はとてもうらやましく思う。

もっとも、いらないキャラクターもあった。実話に近づけたかったのだろうが、2時間と言う時間制限を考えると、最初に卒業していく不良たちと、部のマネージャーをするフーローは、なんとなく紛らわしい。慎吾の役割を考えると、もっと最初の方に登場させた方が良かったように思う。

それから、このラグビーに関して言いたいことがある。
日本では、ラグビーはとかく、荒くれ男の野蛮なスポーツと言う認識がなされているようで映画の中でも、「ルールのあるけんか」と表されているようだが、発祥の地イギリスでは、もともと貴族の子弟が通う学校で最初に行われたスポーツなのだ。だから、紳士の国の紳士のスポーツと考えた方がいいのでは。

それから、日本ではラグビーは、土のグラウンドでどろんこになってするスポーツと考えられているが、イギリス、ニュージーランドでは、サッカー同様、緑の芝生で行うスポーツなのだ。日本では、気候のせいもあるが、芝生の上でスポーツをするものだという考えが一般的でない。それが、問題だと指摘する声がある。

芝生のグラウンドだと怪我も少なく、選手も怪我を恐れず思い切ったプレイが出来る。見るほうも豪快なフレイが見れていいのだ。これは、ラグビー、サッカーに限らず野球にもいえる。世界第2の経済大国なのだから、いくらでも金をかけられるはずだが、その辺がどうも遅れているらしい。また、芝生のグラウンドは、環境にもやさしく、植物による温暖化防止効果が注目されている。

ところで、この映画のテーマともいえる青年の育成についてだが、この物語を参考に提言したいのが、社会人をもっと教育現場に入れることだ。現状では、高校までの教師は、年齢制限があり、社会経験を経た人が教師になるのは難しい。若者を育成するのは、年齢の近い若い先生の方がいいように思えるが、実際は違う。むしろ、人生経験を経て、精神力と知恵を養い、若者の心理を読める人の方がいいのだ。

私のアメリカ人の友人で、教師資格を30代後半で取り、美術の高校教師となり、年間最優秀教師賞を受けた人がいる。アメリカでは、就職における年齢制限は禁じられている。

気まぐれな若者と付き合うには、その気まぐれさに付き合ってあげるだけの精神力と知恵を備えた人がのぞましい。特に高校時代というのは、人生にとって最も重要な時期だ。その時の人との出会いで人生は大きく変わる。「自分にもこんな時代があったな。若い時代は、不安定なものだ。大人が根気強く適切なアドバイスを与え続けないと」と考えられるようになった中高年の人々の力こそものをいうのでは。

映画の中で、生徒達を殴るシーンがあった。試合にぼろ負けして、生徒達が「先生、殴って俺達を鍛えなおしてくれ」と言ったため、それに答えるために殴るシーンだが。

これって、よく誤解する人がいるので言っておきたい。この場合、生徒と教師の間にしっかりとした信頼関係が出来上がっていることが前提だ。よく殴って叱り飛ばし、信頼関係を築こうという人がいるが、実際は逆である。信頼関係があるからこそ、殴ったり叱ったりできるのだ。この物語の場合も、そうだったのだと思う。
by masagata2004 | 2005-03-17 23:03 | スポーツ | Trackback(1) | Comments(0)
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Tracked from 渋谷で働くサラリーマンの日記 at 2005-12-28 18:28
タイトル : 『スクール・ウォーズ HERO』('04・松竹)
『スクール・ウォーズ』、オンタイムでドラマを観たという記憶は微かに残る(多分、'84年の土曜21時から放映されていた。親父が珍しくドラマにハマっていた記憶…)が、その後の再放送では何度も観た。ラーメン屋の主人役の梅宮辰夫が刺されるシーンには毎度、怯えたものだった。その後、'90年代初頭に『スクール・ウォーズ2』も放映され、ワクワクして毎週観ていたが、さほど大したことがなかった記憶…。”元祖”のドラマの印象がかなり強いだけにどれだけ映画で描き切れるのかに注目してみた。 【ストーリー】1974年、京都。...... more


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