ソ連映画「ベルリン陥落」 プロパガンダだけどいい作品

第二次大戦が終わって4年後に上映されたソ連映画。それだけに、独ソ戦の実態が刻銘に描かれていたような気がする。いい例が、ヒットラーと握手するナチスドイツの味方側に日本とバチカン王国がいたというところだ。当時であるからこそ明確に表現できた箇所が見受けられる。

ストーリーは、若い女性教師と製鉄工員の恋物語を中心に繰り広げられる。二人は麦畑で婚約をするのだが、その時にドイツ軍が二人の村を襲撃。二人は負傷し、女性は捕虜となり離れ離れに、怒った男はドイツ軍への復讐を誓い兵士となる。

最終的には、ソ連軍がベルリンを占領。議事堂を支配下に置き、最後、男は捕虜となっていた女性と再会。そこに、スターリンが参上。スターリンのおかげで解放されたと東欧諸国の人々が感謝の意を叫ぶ。スターリンは実に英雄であったという見事な終わり方。

まさに、プロパガンダだけど、終戦間もないこともあって、事実に関してはごまかすわけにはいかず、ほぼそのまま再現されたかと思うと興味深く観賞できた。

以下、抜粋すると、



ベルリンの議事堂のシーンは、本物をそのまま使っての撮影らしく、焼け焦げた建物の迫力が凄まじい。

スターリンのソ連側だけでなく、ヒットラー率いるドイツ軍について、きちんと描かれている。ヒットラーの顔が本物そっくりで、また、敵側であったのにもかかわらず、貫録ある指導者として描かれている。ヒットラーの愛犬が毒を飲んで死んでいく演技がわざとらしいながらも名演で面白い。

地下壕で愛人と結婚式を挙げる場面が美しく描かれている。

ソ連軍の進軍を阻止するため地下鉄を浸水させ避難していた市民が溺れ死ぬところや、秘書の女性が荒れ果てたベルリン市街を見て嘆き悲しむ場面があることから、敵なりに情けをかけていたことが理解できる。

また、ソ連軍というとロシア系の白人ばかりと思うが、アジア系と思われる兵士がいて、彼が他のソ連兵と同様に敵兵に詰め寄り、正義漢を振舞うのは、ソ連は意外にも多民族性を尊重できる国家だったのかと思わせてしまう。

ちょっとばかり、これまでのソ連の印象を変えた映画だ。だが、所詮は映画。実態は、また違うのだろう。

そのためにも、ドイツ側の視点でこの陥落を描いた映画を観るといいと思う。それはベルリンが占領されていた時、ソ連兵にレイプされた女性たちのサバイバル・ストーリーだ。それに関しては、この記事を読んでいただきたい。なぜか、このブログで一番読まれている記事だ。
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by masagata2004 | 2014-09-21 12:20 | 映画ドラマ評論 | Trackback | Comments(0)
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