3D映画「ドラえもん STAND BY ME」 Back to 1970's

CGによる立体映画というこれまでのドラえもんとは一味違った作品。むしろ大人向けだったといえよう。それゆえに私なんかは、ドラえもんをテレビで見始めた子供時代を思い出す。

そして、ドラマは、その1970年代を舞台にしている。のび太の机にはパソコンはなく畳敷き。のび太の家のテレビは、手で回す木の枠のボックス。お父さんは家では和服を着ている。車も古い。金持ち気取りの同級生、スネ夫は、まだ経済格差が大きくなかった時代の世相を反映している。なんだか懐かしくしんみりしてしまった。

驚くのは、のび太が大人になる21世紀が、当時イメージされた21世紀になっていることだ。それが変だ。空飛ぶ車なんて発明されっこないのに、そんなものがある21世紀になっている。

だが、ドラえもんは22世紀から来たロボット。のび太の子孫がのび太の世話をさせるためにタイムマシンで送ったロボットなのだ。

考えてみれば、この物語は突込みだらけだ。そもそも未来から過去へのタイムトラベルなんて理論的にあり得ない。なのにドラえもんでは繰り返しそんな展開が起こる。また、ドラえもんが差し出すグッズの数々は、未来のテクノロジーによってではなく、むしろ魔術によって成し遂げる技といっていい。

映画の中でも出てきた「言ったことがすべてウソになる薬」とか「開いた後に最初に見た者に惚れ込む卵カプセル」とかは、そうでないと成り立たない。子供向けアニメだから、そんなところはごまかされるのだろうが、ドラえもんを魔界から来た魔術師にしてしまうと、楽しいアニメがホラーに変わってしまうので、未来から来た猫型ロボットに仕立てたのだと思われる。

しかし、現在までドラえもんが子供だけでなく大人にまでも支持を得ている理由は、登場人物の人間臭さなのだということが実感できた。準主役であるのび太は、気弱で間抜けなようで、実をいうといざというときには勇気を奮って困難に挑む根性があり、また、意外にも賢い。のび太が嫁にする静ちゃんのお父さんは、のび太のそんな良さを理解し、父親を気遣い結婚をしぶる娘に最大の愛を伝える。観客の若い女性が、そのセリフに涙したと言っていた。

そして、なんといっても、ドラえもんは、ロボットだけど温かみがあり友情深いのだ。いつものび太のことを想い、のび太を気遣ってくれている。子供時代、誰もが、そんな友人がそばにいてくれたらと考えたことがあるのではないか。

ドラえもんが猫型ロボットだったことで、飼っていた猫のことを思い出した。子供の頃、実家で飼っていた猫もそうだが、大人になって自分の住まいで飼った猫のことも、ドラえもんのように、どんな相談相手にでもなってくれるルームメイト。それこそが、ドラえもんの素晴らしさの本質なのだろう。

人気ブログランキングへ
by masagata2004 | 2014-10-13 21:53 | 映画ドラマ評論 | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://masagata.exblog.jp/tb/23560750
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。


人生は常に進歩していかなければならない


by マサガタ

プロフィールを見る
画像一覧

カテゴリ

全体
プロフィール
自作小説
映画ドラマ評論
環境問題を考える
時事トピック
音楽
スポーツ
ライフ・スタイル
米留学体験談
イベント告知板
メディア問題
旅行
中国
風景写真&動画集
書籍評論
演劇評論
アート
マサガタな日々
JANJAN
スキー
沖縄

タグ

最新のトラックバック

映画「終戦のエンペラー」..
from soramove
【映画】バーダー・マイン..
from しづのをだまき
インサイダー
from 映鍵(ei_ken)

フォロー中のブログ

高遠菜穂子のイラク・ホー...
ジャーナリスト・志葉玲の...
増山麗奈の革命鍋!
*華の宴* ~ Life...
poziomkaとポーラ...
広島瀬戸内新聞ニュース(...
楽なログ
美ら海・沖縄に基地はいらない!

その他のお薦めリンク

ノーモア南京の会
Peaceful Tomorrows
Our Planet
環境エネルギー政策研究所


私へのメールは、
masagata1029アットマークy8.dion.ne.jp まで。

当ブログへのリンクはフリーです。

検索

その他のジャンル

ブログパーツ

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

東京
旅行家・冒険家

画像一覧