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辺野古と報道

先週から1週間ほど、沖縄県名護市辺野古にまで行って来た。

話すことは、たっぷりあるが、とりあえず、今回はこの写真と共にお話をしよう。

辺野古と報道_b0017892_13064885.jpg
これは、新基地建設(普天間基地の移設先といわれる)現場を撮影、取材をしているメディアの方達が、工事現場の辺野古崎から大浦湾を見下ろすことのできる展望台にたむろしている様子。現在、埋め立て工事のための護岸工事が進められている。

海の上の赤い線は、フロートで、船やボートによる抗議、阻止行動を防ぐために設定したもの。海保がその周辺を見張っている。前日に、私はカヤックで抗議する一団に加わり、フロートの近くまで漕ぎ着けた。
辺野古と報道_b0017892_13330200.jpg

問題なのは、この護岸工事は県知事が認可していない岩礁破砕許可を申請せずに行われようとしていること。前知事が認可した許可は先月末で切れていて、それ以降は、工事を進める沖縄防衛局は申請をしていない。それでも、できると居直るのは、辺野古の漁民が漁業権を放棄しているから、許可は必要ないという理屈。それは明らかに違法。

なので、法を犯してでもいつ護岸工事をするのかが注目の的となっている。それをすれば、県知事は提訴して、ひいては埋め立ての承認撤回に踏み切ることにもつながる。

そんなことで、展望台に集まったメディアのクルー達もやきもきしている様子だったが、私は単に眺めたくて来たのだったが、ついでだから、メディアにとっての辺野古をカメラマンや記者の人々にきいてみた。





展望台にいたメディアは、地元の新聞、琉球新報とテレビ局のRBC、全国系は、新聞は朝日新聞、テレビは日本テレビだった。テレビ局はテレビカメラを設置して、カメラの先の海岸に目を向けていた。丁度、写真右側のフロートの先の浜辺が護岸工事の開始点となる。

私が彼らにきいたのは、各メディアはメディア独自の政治スタンスで取材をしているのかということだ。彼らの答えは、「あくまで必要な映像と情報を得るためだけにいる。それをどう論評するかは、アウトプットしたものを使う制作側の方針」と。

それで、私はメディアというのは、それなりの政治スタンスがあっての報道をしているのではないかときき、アメリカの大手ネットワーク・メディアの対比で、FOXニュースがフジテレビ、NBCが日本テレビ、ABCがTBS、CBSがテレビ朝日ということで丁度合うのではないかと語った。FOX・フジはとても保守。NBC・日テレはやや保守。ABC・TBSは中央、CBS・テレ朝はリベラルという感じ。

すると、朝日新聞の記者が、自社が左だなんていわれるのは変であると、というのはロゴに旭日旗を未だに掲げており、社用機は海外で飛ぶ時、勘違いされないようにロゴを隠しているというのだ。

その朝日のスタンスが左、リベラルというのがまやかしというのはもっともなことだ。朝日新聞は、戦前は翼賛報道を展開していた。日中戦争時は軍用機の献金キャンペーンをしていたほどだ。それは言論統制のためだったというよりも、当時の世論に迎合した結果だった。このことに関しては、このブログ上に書いた小説「白虹、日を貫けり」を読めばよく分かると思う。日中戦争のきっかけとなった満州事変(中国東北部の日本が権益を持つ南満州鉄道が爆破された事件)が、軍部のやらせであったというのは当時の新聞は知っていたのにも関わらず、また、報道規制もしかれていなかったのにも関わらず、報じなかったのは当時の熱狂する世論に配慮してのことだったという。

つまりは、世論が右や左にシフトすることで、論調を変えていくということだ。

メディアは、権力、株主、広告主に加え、世論への配慮という制約を受けながら報道をしているのだ。

また、報道の自由の先端を行くとみられているアメリカでは驚くことに、イラク戦争時、世論の半数が戦争に反対であったのにも関わらず、大手メディアの99%は賛同する立場のコメンテーターを出していたという。これは、どうやら、違った要素があるらしい。

ところで、この展望台に立った日と前日と翌日は、工事予定日とされていたが、結局、工事はなかった。だが、記者達はこう言い放った。
「NHKと読売の記者がここに来たのなら、工事は必ず始まるぞ」と。

つまりは、明らかに権力べったりで、権力側の広報なのだから、彼らが来るとしたら、正しい情報を提供されプロパガンダとして撮影取材に来るはずなのだ。

その後に、権力側に都合のいい報道が流され、世論を都合のいいように差し向けようとする。

だけど、今は、大手メディアだけが情報源や世論形成している時代じゃない。ネットで多方面の情報を得て、各人が判断をしている時代。もちろん、「フェイクニュース」や「ポスト真実」のような難点があるのだけど。

どのみち、権力提灯報道したって、それはそれね、と受け流されてしまう時代である。実際に現場で起こっていることを知りたければ、現場に来ればいい。そこで実際に戦っている人々の話をきけばいい。そして、自主取材をして、それをこのようなブログで報じるのだ。個人がメディアを持て居る時代。

ついでに沖縄なら観光も楽しんでみては。

いやあ、シーカヤックは楽しかったよ。

by masagata2004 | 2017-04-20 14:16 | 沖縄 | Trackback | Comments(0)


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