映画「ホテル・ルワンダ」を見て南京大虐殺も考えろ

渋谷に行って、映画「ホテル・ルワンダ」を見に行った。

評判通りの映画だった。1994年、アフリカのルワンダという国で、フツ族がツチ族を虐殺して、100日間に100万人もの住民が殺されたルワンダの虐殺を描いた映画である。ジャン・レノがちょい役で出ているのが笑えた。

物語は、ベルギー資本のホテルで働くフツ族の支配人が、ツチ族を匿うため奔走し、最後は命からがら脱出する実話である。このツチ族とフツ族というのは、元からあった民族ではない。これは、ルワンダがベルギーの植民地だった頃に、植民地支配をやりやすくするため作られた民族の区分けで、体の特徴が多少違うだけで見た目はほとんど同じだ。つまり、「分割して統治せよ」の典型的な例だ。そのかつての支配者の分断により、お互い無益な対立をする愚かさが、あのような悲劇をもたらしたのだ。

私がアメリカの大学で国際関係学の専攻を始めた頃、講義でルワンダの虐殺を取り上げたことが今でも印象に残っている。ちょうど、その時期だった。講師はこんなことを言っていた。「コソボには関心を持って軍を派遣するが、ルワンダではあれだけの虐殺が起こっても知らんぷりだった。それは肌の色のためか」と。

ところで、いかにも外国のことと考えがちだが、これは日本にとっても身にしみる思いがする出来事だったと考えなければいけない。映画で表された地獄のような光景は、今から約70年前の中国・南京でも見られたものだ。ルワンダは内戦だったが、南京は外国の侵略によるものだ。よく南京虐殺を取り上げると「30万人も殺せるはずがない」とまぼろし説を唱える人々がいるが、ルワンダの虐殺では、100日間で100万人、それも主にナタなどの単純な武器を使って虐殺が行われたことを考えてもらいたい。南京では、2ヶ月で30万人と言われている。

この映画はアメリカで大ヒットしたにもかかわらず、日本での上映が危ぶまれたと言われる。それが、ネットで若者達の署名を集めて実現できたらしい。そのせいか観客に若者が多かった。だが、その若者達は自国の犯した似たような虐殺事件に対して、考えを巡らせたことはあるのだろうか。よーく考えて欲しい。自分たちの先祖も同じことをしてきたんだと。これは、日本の平和運動、特にイラクなどの国での残虐行為を批判する立場の人達に絶対に言いたいことだ。他国のことをいうのも重要だが、それなら自分の出身国のそのような歴史をしっかり踏まえておけと。日本では、歴史教育が立ち遅れている。そんな状態を何とかすることが、先決じゃないかと。でないと、誇りを持って平和運動など出来やしないし、世界平和に貢献など出来ないし、尊敬などされない。南京虐殺などなかったことと考えれば日本人として誇りを持って生きれると考えるのは、大間違いだ。

ちなみにこのブログの他の記事を読んでくれれば分かるように、私は南京虐殺のことに関する市民運動を支援している。実際に虐殺を目撃した被害者たちにも会って話を聞いたことがある。

そういえば、ハリウッドが、虐殺の南京を舞台にした映画を制作するそうな、クリント・イーストウッド監督、メリル・ストリープ主演で、来年12月南京大虐殺から70周年を記念して着々と制作が進行しているらしい。中国側も、もちろん大協力。オリンピックを前に、世界で上映される。(*)

日本で上映は実現するのだろうかと思う。ただ、それをしなければ日本は世界に大恥をかくことになろう。中国はそれを利用して、日本がいかに無反省な国家であることを印象づけ、アジアにおける自国の立場をますます強めることを画策するであろう。歴史カードを常に譲っているのは日本であることにその時気付くであろう。

まあ、そんなこと言ったって、タゴサク政治家とノー天気なウヨちゃん、でもって、自国の侵略戦争の歴史をよく知らず、他国の批判をするノー天気な平和運動家どもには分からないだろうけど。

でもって、わたしは世に言う左翼じゃないと思うけど、この映画を見て、憲法9条を変えるべきだとますます思った。あのような虐殺事件をとめるには、軍隊の介入が必要になるのが現実だ。南京虐殺の時も、アメリカに報道されたため、アメリカの世論は世界の平和と秩序を乱す日本を討つべしという考えに染まっていったことと似ている。きれいごとは言ってはいられない。もちろん、軍隊だからこそ、慎重に運用しなければいけない。軍隊が虐殺してしまう事態だけは防ぎたい。南京、ルワンダ、そしてイラクのような悲劇を繰り返してはならない。

(*)追記:3月7日の産経新聞によると映画制作の情報は誤報だったとのことです。制作側も、映画の元となり米中で出版される小説の原作者も情報を否定しているとのこと。余談ですが、このブログで連載中の自作小説には南京虐殺は出てきます。
by masagata2004 | 2006-02-03 00:13 | 映画ドラマ評論


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