ビデオニュースを知ってますか?

ニュース・評論

皆さんは、インターネットでビデオの時事対談番組を流しているビデオニュース・ドット・コムという番組を知ってますか?アドレスは、文字通り(http://www.videdonews.com)です。運営しているのは、TBSのNEWS23などにニュースを提供しているビデオジャーナリスト、神保哲生さん。彼は、かつてAP通信で記者をやっていた経験があり、日本のメディア業界の現状を憂い、インターネットによるニュース専門番組をつくったそうです。

私は、イラクの人質事件がきっかけでこのサイトを知り、以後、毎週必ず見ることにしています。毎週、神保哲生さんが司会で、様々なゲストを呼び、様々な社会問題に関し、討論を繰り広げます。神保さんの補助的役割、いわば解説者として毎回討論に参加するのは、社会学者の宮台真司さん。ちょっと、インテリ気取りですが、ゲストと神保さんの補足的コメントをして、番組を盛り上げています。

この番組の得意とすることは、既存のマスメディアでは、決して報道されないことを、報道できると言うことです。つまり、既存のマスメディアが持つ問題点を堂々と語り合うわけです。以下は、その問題点の箇条書き。

1. 記者クラブという大手5系列16社しか国会や官庁の記者会見に参加できないという制度。その結果、国政に関する情報は、これらの報道機関により独占され、報道市場の新規参入が阻まれるだけでなく、独占状態を維持する見返りとしての政治と報道機関との間に談合状態が生まれ、追求姿勢が欠け、不正行為などの情報が正しく世間に伝わってこない。

2. 報道を制作会社やフリーの記者に依頼する下請けシステム。イラク人質事件で人質となったジャーナリストに対してバッシングが起こったことで象徴されるように、危険地帯での取材を大手メディアが積極的に行わず、制作会社やフリーランスへ下請けさせるため、報道機関に戦場報道取材に対する理解が少ない。従って、イラクでの自衛隊報道は防衛庁からの大本営発表となり、イラク全体の報道は海外ソース頼み。

3. 新聞、雑誌、書籍、音楽用CD、テープ、レコードなどを、小売業者に規定の価格を守らせて販売させる再販制度。再販制度自体、独占禁止法違反なのだが、これらの著作物に関しては適用除外となっている。この制度により、新聞は、宅配制度を維持することが出来、紙面や論説による記事の品質を競う姿勢が欠ける。ちなみに宅配制度は、欧米では一般的でなく、新聞の大半は即売。日本の場合は9割以上は宅配によるもの。読売新聞の発行部数1000万部も、この宅配制度によるところが大きい。アメリカでは、全国紙のUSAトゥデイでさえ、100万部程度で、8割はスタンドで売る即売。

4. テレビ局と新聞社の系列化。ご存知のように、日本の大手テレビ局と新聞社は、同資本により運営されている。テレビ朝日は朝日新聞、TBSは毎日新聞、日本テレビは読売新聞、フジテレビは産経新聞、テレビ東京は日経新聞と大手5系列があるが、新聞社がテレビ局のような政府の許認可を必要とする事業体の株主となるのは、報道の自由の阻害要因として大きい。そもそも、この系列化は、田中角栄が推進したもの。また、このような集中化はメディアにおけるオピニオンの多様性を制限する。

5. 広告収入便りの民間企業である放送局は、スポンサーの不利益になることは報道しない。原子力発電の危険性、遺伝子組み換え食品の危険性などが、報道されないのは電力会社や食品会社の圧力によるものが、そのいい例。ちなみにNHKは、受信料による公共放送だが、予算を政府が決めるため、国策報道になりがち。

6. 視聴率や売上げ部数を伸ばすのに注力するため、情動に駆られた報道が横行する。いい例が、9.11後にアメリカ批判ができにくくなったことや、北朝鮮の拉致が発覚した後に、朝鮮の慰安婦問題が語られなくなった。また、最近ではイラクの人質事件で被害者に「自己責任」バッシングが集中したことがいい例。

それ以外に、メディアの問題とリンクした日本の社会が持つ様々な問題を取り上げます。海外の報道機関を経験した神保哲生さんと、社会学者として日本社会を分析する宮台真司さんの切り口は、独占横並びの既存大手メディアとは一味違います。

イラクの人質事件は、日本のメディアの堕落と、日本社会及び政治の未成熟さが浮き彫りなった事件でした。このことを、分かりやすく説明してくれたのが、ビデオニュースでした。

メディアの堕落というのは、実際のところ日本に限らず、世界的に起きている現象だといえます。既存の放送局、新聞社、出版社では、もう限界に来ているかもしれません。だからといって、情報の循環が円滑に進まない社会は、過去の歴史を振り返れば分かるように悲劇をもたらします。

だからこそ、規制を受けにくいインターネットという新しいメディアを使ったビデオニュースのような報道が、現在、求められているのでしょう。
by masagata2004 | 2004-10-21 16:49 | メディア問題 | Comments(0)


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