映画「ヒマラヤ杉に降る雪」 日系人の苦難の歴史

それを真正面から見つめた作品だった。

工藤夕樹の演技と英語(ネイティブ並)がどんなものかと思い、レンタルのDVDで見た。

ストーリーは、1954年のアメリカ西部の漁村の海で、漁師の死体が引き揚げられ、殺人容疑をある日系人男性がかけられ逮捕される。地元の新聞記者イシュマルは、工藤夕樹演ずる容疑者の妻ハツエとかつて恋仲であったが、彼女との恋を成就できなかった未練から当初は傍観する。

だが、無罪を証明する決定的な証拠を見つけ判決が出る直前に提出、彼女の夫と彼女を救う。

物語は、戦前から戦後にかけ、日系人の人々が歩んだ苦難の歴史を綴ったものだ。まあ、日系人に申し訳ないというアメリカ人の想いが込められていた感じの映画だ。これって被告を黒人にした似たようなストーリーで映画が数多くあるので今更驚くことではない。ちなみにこの映画のようなストーリーは評判が良くない。差別を受ける当事者の視点ではなく、善良な白人が可哀想なマイノリティを救うという形だからだ。

この映画には、このブログで連載している自作小説と共通する場面があったので、それが印象的だった。それは、イシュマルの父親が真珠湾攻撃の直後、日系人を擁護する記事を書いたがため、誹謗中傷や広告のキャンセルなどのバッシングを受けるところだ。満州事変後の朝日新聞にもあったことで、それは侵略を支持する世論に同調しなかったため受けた圧力だった。

最近では、911後の米マスコミや、北朝鮮による拉致認定後の日本マスコミにも共通したことだ。情動により偏見が増幅される現象だ。そして、どんなに正論を言っても、誰も聞く耳を持たない。

現在、米の下院議会で日本軍の元従軍慰安婦が証言に立ち、日本政府に公式な謝罪を求める決議案の公聴会が開かれている。この決議案を提案したのは、日系人議員のホンダ氏だが、この人も映画に出てきたような苦難を経験したのだろう。その意味で、祖先の国を糾弾する立場に回り、自分がアメリカ人であり、日本に加担しない者であると見せたかったのか。それとも、祖先の国が正義を全うしてくれることを望んでのことか。私は決議案には反対だが、ホンダ氏は立派なことをしていると思う。

ところで、日系人の苦難といえば、近々「東京ローズ」という映画が制作されるらしい。東京ローズと呼ばれた実在した日系人女性の物語で、この映画と似たような日米戦争により過酷な運命を辿る日系人の歴史を浮き彫りにする。誰が主役を演じるのか分からないが、工藤夕樹が日米での知名度で言えば最高なのだろう。この映画でも法廷での証言シーンや、社会の偏見に打ちのめされる演技を見事に見せたほどだし。もちろん誰になるか分からない。

ちなみに私は、工藤夕樹の英語上達レッスンDVDを購入して、発音の学習をしている。さすが、ハリウッドで頑張っているだけある。

いい評論だと思ったらクリックしてください。ランキングへ
by masagata2004 | 2007-02-17 20:59 | 映画ドラマ評論


人生は常に進歩していかなければならない


by マサガタ

プロフィールを見る
画像一覧

S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

カテゴリ

全体
プロフィール
自作小説
映画ドラマ評論
環境問題を考える
時事トピック
音楽
スポーツ
ライフ・スタイル
米留学体験談
イベント告知板
メディア問題
旅行
中国
風景写真&動画集
書籍評論
演劇評論
アート
マサガタな日々
JANJAN
スキー
沖縄

タグ

最新のトラックバック

映画「終戦のエンペラー」..
from soramove
【映画】バーダー・マイン..
from しづのをだまき
インサイダー
from 映鍵(ei_ken)

フォロー中のブログ

高遠菜穂子のイラク・ホー...
ジャーナリスト・志葉玲の...
増山麗奈の革命鍋!
*華の宴* ~ Life...
poziomkaとポーラ...
広島瀬戸内新聞ニュース(...
楽なログ
美ら海・沖縄に基地はいらない!

その他のお薦めリンク

ノーモア南京の会
Peaceful Tomorrows
Our Planet
環境エネルギー政策研究所


私へのメールは、
masagata1029アットマークy8.dion.ne.jp まで。

当ブログへのリンクはフリーです。

検索

その他のジャンル

ブログパーツ

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

東京
旅行家・冒険家

画像一覧