カナダ映画「アララトの聖母」 アルメニア虐殺とは

テーマは「アルメニア虐殺」というものが、この世に起こったということ。

舞台は、カナダのトロント。アーシル・ゴーキーというアルメニア出身の画家について研究している女性学者が、トルコ軍によるアルメニア虐殺と、その生き残りであったゴーキーの半生を描く映画の制作に歴史考証のため協力する。

彼女も、アルメニア出身で、元夫がトルコ大使暗殺を企て射殺されたという曰く付きの過去を持つ。彼女の息子は、自らのルーツを探るため、トルコに旅に出て、帰国していたが、税関に不審人物として尋問を受ける。

その税関は年老いた男で、ゲイの息子がいて恋人と同棲。息子の生き方を受け入れるのに苦慮していた。その息子の恋人がトルコ系の男で、職業は俳優。ゴーキーの半生映画で、アルメニア人を虐殺するトルコの総督を演じている。

不思議と互いがつながっている。この映画が、真にテーマとするものは、人間社会の不寛容さというものではないのか。アルメニア虐殺とは、1915年、トルコが、アルメニア人を強制移住させたことによって行われ、ゴーキーは、それを何とか逃れアメリカに渡り画家となった。虐殺により母を失い、その母と自分が並んだ姿を「芸術家と母」というタイトルの絵画に描いた。ゴーキーは、その後、44歳の若さで自殺してしまう。

ところで、トルコ政府は、この虐殺があったことを認めていない。フランス議会では、ホロコーストと同様に、この虐殺否定をすることを法律で禁じている。実際に起こったことなのである。ホロコーストや南京大虐殺のように。

だが、もう過ぎたこと、こだわらなくていいのじゃないかと誰しも思うが。そこで、ヒットラーの言葉が台詞として出る。それはホロコーストを実行するに当たり将校にいった言葉だ。「誰がアルメニアの虐殺を覚えているのか」

まるで、過去、この世で起きた虐殺犠牲者全ての叫びが聞こえてくるかのような映画だった。

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by masagata2004 | 2007-09-04 22:47 | 映画ドラマ評論 | Trackback | Comments(0)
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