映画「パフューム」 芸術家と犯罪者は紙一重

この映画を観た後、そんなことを感じてしまった。

物語は、18世紀のフランス、パリ、捨て子として孤児院で育ったジャン・バティストは、類い希な香りを見分ける才能が生まれつきあった。その才能を買われ香水職人として大成功を収めるが、彼にはどうしてもやり遂げたい仕事があった。

その仕事をやり遂げようとパリを離れ、香水製造の町に移るが、そこで次から次へと女性を誘拐しては殺し、彼女たちの体臭を抽出していく。

ここからはネタバレになるので、まだ見てなくてこれから観たい人はご注意。


最後には、ジャンは連続誘拐殺人犯として逮捕されてしまう。そして、死刑判決を受けるのだが、彼には生き延びる秘策があった。それは、女性達の体臭から抽出した香りの調合で作った魔法の香水であった。

それは、死刑執行人をとりこにし、教会の司祭、裁判官、死刑を眺める大衆をも魅了させた。彼らが普段抑えていた欲情をはなたち、ジャンは、天使として扱われ無罪になり死刑を逃れる。

まあ、そんなことあり得ないのだろうが、ただ、過去の歴史を見れば、香水の香りではなくても、大衆を上手い具合に扇動して犯罪的行為をのうのうと成し遂げてきた事例はある。いい例がナチスドイツである。面白いことに総統だったヒットラーは、政治家になる以前は画家を目指していた。

ヒットラーがあれだけの大衆扇動をやり遂げたのには、彼の芸術家としての才能が影響したと考えられる。最近でいえば、小泉前首相の異常高支持率人気。あの人、オペラ好きだったね。

芸術といえば、ただ芸術としてだけ存在し、日常には関連しないと考えがちだが、実をいうと、恐ろしいまでに我々の日常に影響を与えている。時に、その芸術のために、非常に危険な行為に人間は及んでしまう可能性があるという教訓かもしれない。

究極の芸術を求めることとは、ある意味、究極の犯罪行為なのかもしれない。特にこの映画では、18世紀のフランスという、人命がとても軽んじられていた世相をモチーフにしていたため、主人公が残虐に見えない描写となっている。

芸術家には世間知らずが多いというよね。私個人としては、そんなにまでなって芸術を極めたいとは思わないよ。現実主義者だし、現実主義が好きだから。

いい評論だと思ったらクリックしてください。ランキングへ。
by masagata2004 | 2007-09-08 15:38 | 映画ドラマ評論


人生は常に進歩していかなければならない


by マサガタ

プロフィールを見る
画像一覧

S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

カテゴリ

全体
プロフィール
自作小説
映画ドラマ評論
環境問題を考える
時事トピック
音楽
スポーツ
ライフ・スタイル
米留学体験談
イベント告知板
メディア問題
旅行
中国
風景写真&動画集
書籍評論
演劇評論
アート
マサガタな日々
JANJAN
スキー
沖縄

タグ

最新のトラックバック

映画「終戦のエンペラー」..
from soramove
【映画】バーダー・マイン..
from しづのをだまき
インサイダー
from 映鍵(ei_ken)

フォロー中のブログ

高遠菜穂子のイラク・ホー...
ジャーナリスト・志葉玲の...
増山麗奈の革命鍋!
*華の宴* ~ Life...
poziomkaとポーラ...
広島瀬戸内新聞ニュース(...
楽なログ
美ら海・沖縄に基地はいらない!

その他のお薦めリンク

ノーモア南京の会
Peaceful Tomorrows
Our Planet
環境エネルギー政策研究所


私へのメールは、
masagata1029アットマークy8.dion.ne.jp まで。

当ブログへのリンクはフリーです。

検索

その他のジャンル

ブログパーツ

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

東京
旅行家・冒険家

画像一覧