超短編小説 グローバル・ストーリー

これは、グローバル化に蝕まれる地球の現状を表した小説です。

主な登場人物は、グローバル企業の社長、シングル・マザーとその息子、ある貧しい国の地主、その地主の小作人で工場で働く労働者たち。

世界で最も豊かな国のグローバル企業の社長、年収500億円。最近、買収した歯磨き粉の会社の工場を賃金の安い海外に移転させ、元々働いていた従業員を解雇しました。

従業員の中には、失業のため再就職先が見つからず、家族もろとも路頭に迷い、ついには一家の大黒柱であった父親が精神病にかかり離婚した者も。その妻で母親である女性は、シングル・マザーとして自分と10歳の息子を養うためお金持ちの立ち寄るレストランでウェイトレスとして働き始めます。

グローバル企業の社長は、自家用機で海外に飛び、貧しい国の地主と工場建設及び生産委託の契約を結びます。その土地は元は農地でしたが、より金になる歯磨き粉工場を建てることになり、農地で働いていた小作人は、工場で働くことになりました。グローバル企業社長にとっては、安い賃金と勤勉な労働力が魅力でした。彼らは、1日12時間働かせられます。

ある日、その超過労働がたたって、従業員が間違って、歯磨き粉原料に塗料の劇薬を混入してしまいます。それはそのまま、グローバル企業社長の国に出荷され販売されます。

シングル・マザーは、安月給でも買える安価な商品の並ぶ日用品店で息子のために歯磨き粉を買いました。偶然にもそれは、元夫が勤めていた会社の歯磨き粉でした。息子には寝る前には、必ず歯を磨くように言い聞かせています。そして、息子はある夜、歯磨きをして寝た後、けっして起きることはありませんでした。

ニュースで、同じ歯磨き粉を買った消費者が数多く死亡したことが報道されました。グローバル企業に責任が問われました。社長は、工場との契約を即解除。地主は、工場を閉鎖させられた上、損害賠償を求められ、ショックの余り自殺してしまいました。元小作人だった工場労働者達は、皆、失業です。農地を失い、生活基盤のない彼らの中には、物乞いをしなければいけない者も発生しました。

シングル・マザーは、レストランでグローバル企業社長を見かけました。歯磨き粉の毒混入事件で大きな損害を受けたものの、世界中に数多くの企業を持ち、事業収入が豊富にあるため、相変わらず悠々自適な生活を送っています。ウェイトレスの彼女は、社長にコーヒーを注文されました。そして、注文されたコーヒーに息子が歯磨きに使った歯磨き粉を混ぜました。

社長は、心を落ち着かすため、そのコーヒーを飲み、事業拡大に明け暮れるストレスの多い日々から永遠に解放されたのです。

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by masagata2004 | 2007-10-18 00:37 | 環境問題を考える


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