映画「主人公は僕だった」 職業としての小説家って?

国税庁に勤めるしがないサラリーマンの男、ハロルドは、ある日、自分の生活行動をナレーションする不気味な声が耳打ちされるようになってから悩ましい日々をおくる。実は、それは、とある女性作家が書いていた小説の文で、主人公はハロルド自身であった。作家は悲劇作家で、主人公を最後に必ず殺す人だった。そのことを知ったハロルドは、女性作家に対面して、彼女に自分を殺させないように懇願するが・・・

というストーリーで、内容的には「あなたにも書ける恋愛小説」に似ている。現実の世界と小説の世界が交錯するという設定だ。今回は、小説そのものが現実であったというドラマ。評価としては、C級だな。設定は面白いのだが、強引かつ想定内。もっとひねりがあってもいいのにと思った。

私も、ある種の小説家として共感できる部分は多々あった。どんなストーリーにしようか悩むことはよくある。特にそれで食っていっている職業小説家なら尚のことだろう。

だが、小説のストーリー作りに死にたくなるほど悩むという行為は、端から見ればナルシストか、いわゆる統合失調症に見られる病的なものとしか写らない。そんな連中を見ていると何だか嘆かわしい。

芸人経験があり今はホームレス支援をしているある男性が話していたことが最近、印象的だ。「ショービズのようなものは、あまり職業化すべきものではない。ニコニコ動画とか携帯小説とか、趣味の領域で誰もが発表して、自己満足感に浸ればいいのじゃないのか」って。つまり、第3次産業の中の第3次産業、実態のないものでかせぐ連中がはびこると世の中駄目になってしまうようなことだ。

小説や映画を年1本作る奴が、畑を耕し、食うための米何百人分を生産する農民よりもはるかに多額の収入を稼いでいる。これっておかしくないか。食料自給率の低下著しい日本の現状を嘆く意味で、このことは憂慮すべきだろう。

また、小説をどう評価するかということにも言いたいことがある。何をもっていい小説というのか? 「恋空」のような稚拙とか批判されている小説が結局、大ヒットしている。たかがフィクションじゃないの? 偉そうにいいとか悪いとかいって、「こんな小説がヒットするのは世も末だ」とか嘆く学者どもの心境が分からない。そういう輩が文壇といういびつな世界を形成して、楽して金儲けできるという誘惑を世の人々に提供する。そのおかげか、食糧自給率は下がる。

この映画を作ったのは、ハリウッドで、ハリウッドの映画産業はすごい。巨費をかけていろんな映画を作っており、俳優や脚本家は、豪邸に住んでいる。だけど、アメリカは、世界有数の農業国でもあり、自給率はゆうに100%を超えている。まあ、それだけ資源に恵まれ、市場もでかい国と同じことをしてもね。日本は、いい映画を作ることよりも、食糧自給率や自然エネルギーで電力供給をまかなうことに金を投資すべき。加工貿易による外貨収入を使ってね。資源が枯渇すれば、金出しても、どこの国も売ってくれなくなるもんね。携帯やパソコンのレアメタルなんて反日運動激しい中国から輸入しているって知っている?

以前、小説家とか物書きで食っていければと夢見ていたことがあったが、仮にそんなチャンスが巡ってきても、そういうことが立派なことだとは思わない。ずるがしこいあぶく銭をせしめていると罪悪感を感じないといけないだろう。大金を手にしても、その半分をNGOなどの慈善活動に寄付すべしだし、食糧自給率を上げるために、農業支援でもしなければならないと思う。

でもって、最悪なのは、芸人とか作家を目指して都会で貧乏暮らしをしながら叶わぬ夢の実現を目指す連中。どうでもいい虚業に全生命をかける愚かで、迷惑千万な行為をするなっていうの。小説の書き方やダンスをインチキな連中から学ぶより、農業者から畑での鍬の使い方でも学べばいい。

ちなみに、私は翻訳家だが、主に実務的なものの翻訳をしている。だけど、これは日本という食料や資源を海外に依存する脆弱な国家の生命を食いつなぐための大事な仕事だと思い引き受けている。

以上、言いたい放題でした。

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by masagata2004 | 2007-12-24 14:37 | ライフ・スタイル | Trackback(1) | Comments(4)
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Tracked from ほしみんの日記 at 2007-12-28 22:27
タイトル : [雑記] すっぱいブドウ
[芸術的な日々 : 映画「主人公は僕だった」 職業としての小説家って?] 「あのブドウは、きっと、すっぱい」をここまでひねりなくやられると見ててつらいな。世の中、実用だけで生きていけるもんですかね?とか、突っ込むのも気の毒か。芸事の道に進まなかったのは正解でし... more
Commented by すかんく at 2008-01-27 11:10 x
で、そういう考えを実行に移したのがポルポトですか?

娯楽を否定した社会ってなんですか?
娯楽を作り出す人たちの技量を不当に貶める職業差別では?
だって「プロとして娯楽を提供する」ってことを否定しているんですから。

もっといえば、娯楽の才能がある人間であっても、他に正業を持たなくては娯楽を発信できないなら、娯楽はある程度生活に余裕がある人間しかできなくなりますよね。貧乏人が自身の才能を武器にしてのし上がる道をひとつ奪う発想ですよね。

アマチュアを神聖視することが結果として裕福層しかスポーツを楽しめなくしてしまうという矛盾と似ていますよね。
なぜ昔はアマチュアよりプロのほうが下に見られていたか知っていますか?アマチュアという立場でスポーツにかかわれる「恵まれた層」が「お金をもらわなければスポーツができない層」を見下していたんじゃないですか?
Commented by masagata2004 at 2008-01-27 20:07
「花より団子」の理論です。美しい花を観ても腹は満たせませんが、団子なら満たせ飢えをしのげます。腹が減っては戦が出来ぬと言うでしょう。だから、娯楽偏重は程々に。誰でも、どうやって自分たちの食い物ができているのか、場合によってはそれらの生産の仕方を知っておくべきです。
Commented by すかんく at 2008-01-27 22:15 x
ですから。
その論理がポルポトじゃないの?と言っているんです。

あなたの論理は最終的には
「すべての国民が農民なら誰も飢えない」
と、知識人を虐殺した論理となりませんか?

ついでに言えば、
>その加工貿易による外貨収入を使ってね。
過去貿易の少なからぬものが、娯楽のために作られている事実を認識していますか?

それと、そんなに言っているあなたが自分自身農業に従事していない以上何の説得力もありませんが。

自分の翻訳家という職業を言い訳のように書いていますが、私から見れば他人の書いたものをただ訳すだけでお金をもらっていることのほうが(あなたの言葉を借りれば)よっぽどあぶく銭ですよ。
Commented by at 2008-08-07 00:26 x
結局はマスメディアの受け売りですね。


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