映画の日、800円で見たハンガリーとドイツ映画

今日は、映画の日。そんなことも知らずに高田馬場のとある映画館に行き、あるドイツ映画を観ようとしたが、何と800円で2本立てという。まるで20年以上前に戻った感覚である。今や1本立てで1800円が当たり前なのに。

そしてもっと面白いことに、そのドイツ映画の前に見たハンガリー映画の方が、楽しめたのだ。ドイツ映画の方を期待していたのだが、思わぬ番狂わせ。

映画のタイトルは「君の涙 ドナウに流れ ハンガリー1956」という1956年に起こった反スターリン、駐留ソ連軍追放の民衆運動を舞台にしたドラマだ。

オリンピック水球選手のカルチは、AVOという秘密警察からソ連選手と乱闘をしたことで警告を受けてしまう。それでもさほど政治的でない彼は、大学校内での反ソ連演説を聴き、そこで出会った女性ヴィキに恋に落ちる。国家の代表としての立場を顧みず、彼女の率いる革命運動に協力する。ソ連軍の武力鎮圧にも勇敢に戦い、多くの犠牲者を出しながらも革命は成功を収めたように見えたのだが、オリンピックの出場のためメルボルンに発った時、ソ連軍が再び攻め入り、ハンガリーは再び共産主義者の手に。そのころ、メルボルンでカルチは、ソ連と対戦。怨念をぶつけ挑む中、革命家の彼女は占領軍に捕えられてしまう。

ハンガリーとは、そんなに身近でない国だが、こんな激動の歴史があったことを知り、驚嘆だった。ちと、今のチベットと中国のような関係に似ている。ハンガリーは独立国家でありながら、共産圏としてソ連に支配されていたから、同じにはできないが、民族自尊を求める民衆のうねりというものは、どこでも凄まじいものなのだ。映画に味を添えたのは、主演男優の水球選手役をしたイヴァーン・フェニェーだ。かっこよすぎる。演技も抜群。この男はすごい。

男女の恋愛、自由を求める情熱、オリンピックへのこだわりと様々な気持ちが交錯する。歴史イベントエンターテイメントの最高峰といえるのではないか。

その後にドイツ映画「ヒトラーの贋札」を観た。この映画こそが目的だったが、残念ながら期待していたほどではない凡作。ユダヤ人の贋札作りのプロが、強制収容所で「ベルンハルト作戦」と呼ばれた敵国の経済を混乱させるための贋札作りの指令を受ける。拒否すれば死が待っている。イギリスのポンドはうまく作れたが、アメリカのドル札の偽物作りに奮闘する中、囚人となった彼らは、ナチスに協力していることに耐え難いジレンマを感じる。だが、それしか彼らに生き延びる手段をなかった。ホロコーストの知られざる一面ともいえる。だが、映画は全体として、ドキュメンタリー的に淡々と流すだけで、やや退屈な感じも受けた。

どちらの映画も「抑圧の歴史」というものをテーマにしていたと思う。自由な時代を当たり前のように生きている我々には想像もできない抑圧の日々。もしかして新たに忍びよってきているかもしれない。実に考えさせられる。

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by masagata2004 | 2008-06-01 23:00 | 映画ドラマ評論


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