カテゴリ:米留学体験談( 17 )

米大統領選トランプ勝利に関して思い出すこと

実業家のドナルド・トランプ氏が、元大統領夫人のヒラリー・クリントン女史を破り、第45代大統領の就任が決定した。正確にいうと、これ以外に、ゲリー・ジョンソン(リバタリアン党)とジル・ステイン(緑の党)という候補者がいたのだが、二人は討論会にも参加できないほどの冷遇。小選挙区二大政党制の元、二者択一しかないアメリカの選挙制の元では、日本の共産党や公明党のような少数政党の人が大統領になることも、議席をとることも非常に難しい状況。

なにはともあれ、暴言振りまき、人種差別主義、性差別主義、反移民、反イスラムを掲げる傲慢な男が大統領に就任することになったのだけど、これは、かねてから予想できたこと。世論調査では拾えない隠れ支持者がいたのだから。

しかし、私は、こうなることを20年前から予想していた。20年前は確か、共和党の予備選で、パット・ブキャナンという人物が過激思想で物議をかましていたが、ちょうどその時、私はサンフランシスコの大学の学生だった。アジア系の学生が、「あんな奴が大統領になるなんて」と不安を露わにしていたが、共和党の代表候補にさえなれず、選挙結果はクリントン女史の旦那さんである現職が続投。

大学では、二大政党への不満を先生が話していて、民主も共和も似たり寄ったりで、だから、投票率は低いんだと。どっちに入れても同じなら、外出していくなんてばかばかしい。ましてや、日本と違い平日に投票日があるから、仕事を休まなければならない。平日投票制度は、19世紀に日曜の教会の後、汽車に乗って投票所に行かなければならない時代の名残だとか。

ついでに日本と違い、投票にいく前に、有権者登録をしなければならない。選挙の年になると、道に立って「Register to Vote」と呼びかける人が目立つようになる。
でもって、こんな面倒なことが投票率を押し下げ、そして、この制度はトランプを嫌う非白人が投票に行きにくくするからくりを生み出している。つまり、不法移民は当然投票をできないが、黒人やラテン系の人々は、意図的で複雑なプロセスで門前払いを食らうことになるのだ。そして、今年は、そういうことを禁止する法律が無効になった初めての選挙なので、さらにあからさまになったとか。

トランプの勝利に関しては、白人の人種差別意識が影響したというが、もうそんなものは存在しなくなったのではと思われがちだが、そんなことはないということを留学時代に思い知った。いくつか、トランプ現象を予感するエピソードを紹介したい。


続き
by masagata2004 | 2016-11-14 16:34 | 米留学体験談 | Trackback | Comments(0)

思い出す「ライジング・サン」

Excite エキサイト : 芸能ニュース

マイケル・クライトンという作家が亡くなったようだが、この人は「ジュラシック・パーク」などSFもので有名な印象があるが、実際は、かなり政治サスペンスものなんかも書いている人だ。私が最初にこの人のことを知ったのは、そのジャンルであった「ライジング・サン」という小説からだ。

ロサンゼルスの日本企業で女性の変死体が発見され、その背後にとてつもない陰謀が、というもので、ストーリーの背景は、バブル時代の日本資本の異常なまでのアメリカ進出に対する不満だ。留学時代、この本を読んだ時はかなり衝撃を受けた。映画化され、それに対しアジア系のアメリカ人が抗議運動をしていた。

実際のところ、本や映画もそうだったが、かなり誤解が多く、また、人種偏見に基づいている部分も多い。当時、大学の経済学の先生から、「アメリカで最も多く不動産を所有している外国人はイギリス人なのに、なぜか2番目の日本人ばかりが非難の対象になっている」と聞かされた。

ま、所詮はフィクションだったけど。
by masagata2004 | 2008-11-06 09:28 | 米留学体験談 | Trackback | Comments(0)

人間性学の講義で出会った初老レズビアンカップル

カリフォルニアの同性結婚式、第1号は80代カップル | Excite エキサイト

もう10年以上も前のことであろうか。私がサンフランシスコ州立大学の大学生だった頃、専攻の国際関係学とは別に選択科目として「人間性学」を興味本位で取ったのだが、ある日、初老のレズビアンのカップルをレクチャールームに招待して、40年近く連れ添う彼女たちの体験を話してくれたことを覚えている。

彼女たちが出会った1950年代では、レズビアンは皆「クローゼット」の中にいたと言っていた。そして、60年代から、アウトして活動を続けるようになったと。

彼女たちに私は質問をした。丁度、その頃、近郊の小学校で同じようにレズビアンのカップルを呼び、小学生に自分たちのことを語る集会があったのだが、その時、ある小学生が「あなたは男になりたいの?」と彼女たちにきいて、カップルの一人が「誰かが男になる必要はない。セックスにはディルドー(人工ペニス器)を使うわ」と答えたことで、生徒の親たちが大反発、集会を開いた教師が資格剥奪処分にあいそうになる騒動が起き、そのことに対してどう思うかを質問したのだ。

すると、彼女たちは「そんなのおかしい。子供達には知る権利がある」と返答した。このこと以外に、サンフランシスコでは同性愛問題に関して様々なことを学んだ。詳しくはこの記事を。ついには、最大州カリフォルニアが結婚を認めるまでになったか。

アメリカや西欧諸国において同性愛者の解放は、黒人や女性の解放運動と同様に個人の権利主張運動と関連するものだ。キリスト教国の彼らにとっては、文化的には日本より厳しい見方がされる。日本において同性愛を異端視し始めたのは、明治に入って西洋文明が入ってきてからだ。詳しくはこの記事を。

でも、日本でも、現代において解放運動には目が出てきている。昨年の参院選では、民主党からレズビアンであることを公言した候補が公認を得て、比例区に立候補した。残念ながら落選したが、これは大きな時代の変化だったと思う。こちらが彼女のサイト

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by masagata2004 | 2008-06-17 22:51 | 米留学体験談 | Trackback | Comments(0)

私のルポ「貧困大国 アメリカ」

最近、岩波の書籍で堤未果著の「ルポ 貧困大国アメリカ」が話題となっているそうな。本は買っていないし、読んでもいないのだが、ネット上では、かなり話題となっている。この著者の本は、別のなら読んだことがある。それも似通った内容だったが、書かれ方がちょっと稚拙な個人体験記という感じで、途中で読むのをやめた。

著者は、90年代にニューヨークの大学に通っていて、私と同じ国際関係学を専攻していたとのことで、ほぼ同じ時期とあって、その意味で同輩的な感覚がする。彼女は、911をニューヨークで経験して以来、アメリカに対する見方が変わったと書いていたが、実際のところ、彼女と同じ時期に留学していた私自身、アメリカの貧困ぶりは、かなり認知できていたので、意外にこの人は、主観的感覚で動く人なんだなあと思ってしまった。もっとも、私の場合は、サンフランシスコ、実をいうと、気風がとてもリベラルなところなので、アメリカの暗部は実に開けっ広げに語られていたので認知しやすかったように思える。

例えば、40代の黒人女性講師が、自らの大学時代に関して語っていたことだが、彼女の大学時代、人種差別はもっとひどかったが、それでも、アメリカ自体はとても豊かだったと。週16時間、アルバイトでもすれば、ほぼ自活できたのだと。大学の授業料は無料、教科書や教材代を払えばいい。家賃、車のガソリン代も、アルバイトの稼ぎだけでまかなえたと。黒人のそんなに豊かでない層でもそれが可能だったほど豊かだったのだ。ところが、フルタイム働いても生活費が稼げる学生はいない時代へと変わってしまったと。授業料は年に数千ドルになり、その上、毎年、予算カットで講義は減らされ、卒業するのに余計な年月がかかってしまう事態に。

「アメリカン・ドリームは死んだ」と嘆く人々をよく目にした。スーパーの入り口近くで、「WORK FOR FOOD」と段ボールの紙を掲げて座り込む子連れの夫婦の姿が未だに忘れられない。

政治学の講師が、こんなことをよく言っていた。貧しい連中の不満をそらすため、政府は、いらない戦争を起こして、爆撃をエンターテイメントのように見せつけているんだと。

つい最近まで、日本人の多くは「アメリカを理想の国」として憧れていたようだけど、実を言うと、それは、アメリカの中でも、限られた時期、限られた地域、限られた層のイメージが誇張されて流されたものだったことに気付き始めている。

今や、脱・アメリカの時代になろうとしている。ちなみに最近、わたくしこんなことやっています。

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by masagata2004 | 2008-04-10 22:06 | 米留学体験談 | Trackback | Comments(0)

賄賂を留学費用に

Excite エキサイト : 社会ニュース

前防衛事務次官への賄賂が、その娘の米留学資金になっていたとは。

同じ留学経験者として、ちときまずい。

ところで留学にかかる費用といいますと、この記事では、語学留学で200万円となっていまいたが、私の場合は、90年代のカリフォルニア州立大学。学部学科に関わらず、費用は同じで。1学期フルタイム12から15単位で、5000ドル以上が、2学期、それに加えて夏は休まずサマー・セッション。2ヶ月ほどで500ドルから多ければ1000ドルぐらいだったかな。1年間でざっと11000ドルぐらい。これって日本の私大と変わらない水準だよね。当時の円レートでも今の円レートでも。国立だって、60万円近いだもんね。

アメリカの市民権や永住権を持っていれば、1学期1000ドルぐらいで、1年に2000ドルぐらいだと。しかし、それでも彼らの多くは文句を言っていた。講義数が減らされ質が落ちていっていたこともさることながら、かつては授業料なんて無料だったと。そう、アメリカがとても豊かだった時代までのお話。戦後、他国が戦争の後遺症で疲弊していた時代、アメリカにのみ富が集中していた時代と比べれば、不自由になるのは当然。

60年代学生だった講師の話では、昔は、週16時間働けば、学生なら家賃、ガソリン、食費などの生活費は十分まかなえたと。学費に関しては教科書、教材代さえ払えば良かったから、完全に自立して勉学に励めた。

予算不足の大学は質を落としてでも生徒数を増やし、高い授業料を払ってくれる外国人留学生なんて大歓迎だった。ちなみに留学生は州立でも私立でも額はそんなに変わらないと聞かされた。ただ、州立の方が、何割か安かった。

だけど、この記事によるとこの留学していた次女の年齢は26歳で、語学学校に通っていただと? そんな年まで何をしていたのか。大学院を目指していたのか。大学を目指していたというのなら、少し年を取りすぎているような。それに、語学学校を大学進学前に行くのはお薦めしない。すでに入学が許可されているならともかく、そこで英語能力を磨いて入学許可を得られる水準にしようというのは、リスクがある。ただ遊んで終わっただけの結末に。よく失敗して早期帰国するいい例。

官僚のお嬢様のご遊学のために我々の税金が無駄遣いされたということかね?

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by masagata2004 | 2007-12-02 00:44 | 米留学体験談 | Comments(0)

我がキャンパスライフを思い起こせば

Excite エキサイト : 国際ニュース

今度のバージニア工科大学での銃撃事件は、ある意味、親近感を感じた。自分も、かつてアメリカでのキャンパス・ライフを体験したことがあるからだ。

映像に映し出されているように実にのどかな風景。芝生が広がり、広い公園の中に校舎があるような感覚を覚える。私が通っていたところは、比較的安全な方だったのだろうか、警官がうろちょろしていても、その警官が銃を持っていることはない。銃を持つべきか議論になったほどだ。でも、キャンパス内での犯罪の話しはよく耳にした。

今までよく無事に生きて来られたなと思うほどだ。

元アメリカの大学生として、この度の事件には深い悲しみを感じる。哀悼の意を捧げたい。

銃犯罪は、アメリカだけの深刻な問題ではなくなったみたいだ。昨日は、日本の長崎市の市長が選挙運動中に銃撃されたとか。

陰鬱な時代である。
by masagata2004 | 2007-04-18 23:53 | 米留学体験談 | Trackback | Comments(0)

思い出すサリン事件とドイツ人講師

「ヒットラー食堂」、改名を決定 | Excite エキサイト


08年3月19日追記:ドイツのメルケル首相が、イスラエルを訪問中にホロコーストに対して謝罪した記事にTBしましたが、以下のような経緯があります。

追記:ドイツ出身の豪サッカー選手がヒトラーの仮装をしたというニュースに対して、以下の記事をTBしましたが、元は、下記のような似たようなエピソードに対する反応記事です。


インド、ムンバイのレストランが、当初「ヒットラーズ・クロス」という店名にしていたのが多数の抗議の末、変更するに至ったとか。

こんなことは、ドイツやオーストリア、その他、ヨーロッパ諸国では許されないどころか、刑罰に処されることだ。

そのことで思い出したことがある。私がアメリカに留学中のことだ。

95年の1月だった。その時、東京の地下鉄でサリンガス事件が起こった。
そのニュースは海を越えてアメリカでも話題となっていた。

たまたま、選択科目としてドイツ語(初級)を取っていた私だったが、その科目を教えるドイツ人講師が、「今日は、あなたに関係のあることをお話しします。」と私の方を見て言った。講師は女性で、40代か50代だった。

話しは、ホロコーストでサリンと似たようなガスが使われ、多くの人々が殺されたことだった。
ドイツ人として、身の毛のよだつことだと語っていたのを覚えている。

その時は何だ、と思いながら、ドイツ人にとって、サリン事件は、ホロコーストを連想させる、そのくらい、民族の加害の記憶として語られていることなのかなと感じた。特にアメリカに住んでいる人だと、ドイツ人であることとナチスの暗い過去は、常に意識しなければならないのだろう。

帰国後、ドイツかオーストリアの映画で、ネオナチのような過激な集団によりウィーンの舞踏会でホールにガスがまき散らされ、ドレスアップされた人々が次々と倒れて殺されるようなストーリーをレンタルビデオで見たことがある。明らかに地下鉄サリン事件にヒントを得た話だった。

でもって、それに比べて、そう言う歴史に関して鈍感なのは我が国日本である。小泉首相の靖国参拝、歴史認識問題などなど、こうも堂々と間違った過去を正当化する態度は、同じ敗戦国としてあまりにも対照的だ。

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by masagata2004 | 2006-08-26 17:01 | 米留学体験談 | Trackback | Comments(0)

最近は変わったのかな でも、アメリカの大学がいい

Excite エキサイト : 社会ニュース

<論文ランキング>東大が世界13位 95~05年に被引用

私がアメリカに留学する前は、日本の大学はくそ食らえといわんばかりだったような気がする。東大は国連のランキングでも40位以下とか聞いた。

学内に権威主義とかあって、大して何もやってないけど、上役に媚びることで出世するとか。そんなんだから、駄目なんだと、ノーベル賞学者から批判されたりと。

そういうこともあって、最近は閉鎖的な風土が変わっていって、熱心な研究者に道が開かれるようになったのか。

ただ、この調査結果も、何を元にしているのかによるから、偏っているといえるかもしれない。まあ、大学の善し悪しなんて、基準は様々だからな。

要は自分に合う大学、学びたいことを選んで決めればいいんだと思う。日本の大学でも、アメリカの大学でもいいんだ。アメリカの大学では、ハーバードが有名だけど、私立だからブッシュのようにコネで入ったりもする。ブランドはすごいけど、ハーバードよりもいい大学はあるわよとアメリカ人から聞いたりすることもよくあった。

私は、どうしても日本の大学よりアメリカの大学だった。それは英語を完璧にマスターしたかったから。実をいうと、そのことがどんな学問をマスターするよりも将来重要であることを予感しており、その予感がまさに当たったと感じる今日この頃だ。

つまり、世界の共通語は英語だからだ。英語でものが理解でき、自分の意見を直接伝達できることは、日本の大学で日本語の論文で博士号を取得することより、役立つことなんだと。就職活動していてもそれは感じた。他に技能がたいしてなくとも、英語がすらすらと理解できる、アメリカの大学に留学していた経験があるというのは、他の資格や技能や経験を日本語で持っていることよりも、職業選択の幅を広げている。

日本が嫌なら、他の国、それも英語を母国語としていない国に行っても通用するのだ。あらゆる分野のグローバル・レベルな入り口となっている。

そういえば、思い出すな。以前、化学系の翻訳の仕事を請け負った翻訳者の人がいて、彼はアメリカの大学で化学を専攻していて、翻訳のために日本語で化学用語を学んでいたが、「どうせ日本の学者さん達だけのためのものなんだから、学んだって役立つところが限られている」と言っていた。まあ、確かにその通り。

化学の研究を深める前に、英語で化学論文を書く勉強をすることが先決なんだろう。

<論文ランキング>東大が世界13位 95~05年に被引用 [ 04月10日 19時53分 ]
毎日新聞
by masagata2004 | 2006-04-10 21:36 | 米留学体験談 | Trackback | Comments(0)

カリフォルニア州提案189を思い出す (米留学体験記)

Excite エキサイト : 主要ニュース

確か90年代の中頃だったろうが、カリフォルニア州で州民投票として、似たような法案が議論され、ヒスパニック系やリベラルなアメリカ人は反対していたものの、結局通ったものだ。

その時はあくまで州だけの法案だったが、今度は連邦政府レベルで行われることになる。

私の友人のジェレミーが言っていたことを思い出す。「どうしても来たければ、アメリカはその人達を受け入れるべき」という温情主義だった。彼は、特にそんな性格だったが。

ただ、すでに法定よりも低い賃金で働いてくれている移民が、経済を支えている現状を考えれば、かえって経済に悪影響。それから、不法であることを恐れて、病気になっても届け出ないことで病気が拡散し、またそれによって、さらに医療費の負担が増えるという矛盾が起こるという実利的な意味での反対論も聞かれた。

だが、その当時でさえ、不法移民は反感の対象となっていたくらいだ。かつてのアメリカン・ドリームと呼ばれた豊かな暮らしぶりが徐々に消え、貧しくなり不満を抱えるようになった人々にとってこれ以上の移民、それも不法で、アジア系やメキシコ系をアメリカが受け入れるのには限界があるのだろう。ましてや、911後のアメリカは、社会不安が今までにないほどに広がっている。不寛容な方向に進むのは、やも得ぬことかもしれない。

ところで、日本語では「不法移民」と訳されているが、CNNの記事を読むと「illegal immigrants」ではなく、「undocumented immigrants」と「書類記録されてない移民」と書かれている。当時、聞いた話だが、illegal(不法)ではネガティブな印象が強いから、この言葉を使うようになったとのことだ。

不法移民の規制強化に20万人が反対デモ、米ロサンゼルス [ 03月26日 17時55分 ]

ロイター

 [ロサンゼルス 25日 ロイター] 米カリフォルニア州ロサンゼルスで25日、移民法の厳格化に反対するデモが行われた。
警察の発表によれば20万人が参加した。
 

by masagata2004 | 2006-03-26 21:09 | 米留学体験談 | Trackback | Comments(0)

ソースを示せ! 信頼できるね (米留学体験記)

米大学留学時代の体験について語るシリーズ。

アメリカの大学で論文を書いたり、プレゼンをしたりする時に必ず講師から注意される事柄として、提供するSource(情報源)を示すことが求められます。そして、情報源は各ページの脚注や最後にまとめて参考文献として明示する方法があります。これは、必ずしなければならず、しないものは論文として認められません。まあ、このことはアメリカに限らず、日本でも世界の他のどこの国でも同じことだと思います。

情報源といっても、何でも認められるわけではありません。絶対認められないのは、どこかで聞いたといかいう事柄です。英語では、hearsayなどと言いますね。それから、活字体の情報源といえども、認められない場合が数多くあります。覚えているのは、新聞記事や雑誌の記事を論文のソースにしようとすると「あまり信用できるものじゃないから駄目だ」と言われたことです。アメリカでは、新聞などのマスコミって、日本ほど信頼されてないという感じを受けます。

日本ではどうでしょう。もちろん、こんなこと常識だと思っている方は多いのでしょうが、ただ、情報ソースを明確にするとかその信頼性を検証するとかいう感覚は、非常に疎い感じを受けます。日本人で同じ大学を卒業した人が、帰国してから言っていたのは、彼は日本に帰っても日本の書籍はあまり読まず洋書をよく買って読むというのです。それは、日本の書籍はソースを明示してないものが多く、信頼しにくいからだそうです。

確かに、いわゆる専門書といわれるものでもそんなことが多いですね。ある意味、日本のアカデミズムや出版業界の体質を表している感じもします。

だからこそ、日本では専門家でもない人の事実誤認がまかり通ったりすることがしばしばあります。特に歴史問題はいい例といえましょう。象徴的なのは「南京大虐殺事件の捏造説」です。

南京虐殺に関しては、以前私が書いた記事「南京大虐殺の史跡を訪ねて」を読んで貰えれば分かりやすいのですが、歴史的既成事実として揺るぎないものであるにも関わらず、なぜこうも捏造説が流布されるのか。いろいろと要因は考えられますが、やはり、それは情報をろくに検証もせず鵜呑みにしてしまう性格が影響しているのだと思います。

ところで、何度か南京虐殺に関してこのブログと市民ネットメディアのJANJANで記事にしてきた私が、なぜ南京虐殺事件が捏造でないと言い切れるのか、アホ臭いながらも説明しますと、まず、私はこの手の歴史に関する専門家でもなければ、研究者でもありません。従って、私が独自に調べたとか研究した成果からそう言いきっているのではありません。

実に簡単なことです。信頼できる情報源から、そのことを聞いてきたからです。中学校の時に歴史の授業で習いましたし、教科書にも書いていることです。この教科書は権威ある文部省の検定を受けているものです。最近の検定をパスした教科書にも南京虐殺に関する記述はあります。あの「つくる会の教科書」でさえ、結局のところ否定はしてなく「議論がある」と言うところでとどめています。東京書籍や日本書籍には、一般市民を含めた虐殺があったことをそれなりに明記しています。

それから、最近の司法でも当然のことながら、南京虐殺の存在は事実認定を受けています。南京虐殺の被害者であった中国人女性の李秀名さんを嘘つき呼ばわりした亜細亜大学の学者は名誉毀損で起訴され東京地裁と高裁で有罪となっています。その他の裁判でも、南京虐殺については、事実認定を受けていますし、外務省の中国課に問い合わせても、虐殺の事実はあると認めています。

あったなかったということと同様、争点となっているのは規模が中国側が発表する 30万人であったかということですが、これは戦後の東京裁判と南京裁判で出された推定値に基づく数値だとのことですが、この数値に関しては最近、民間の学者による3カ国の歴史共同研究によって出版された「未来を開く歴史教科書」にも、この推定値がそのまま表記されています。

私が関わった南京虐殺のことを語り継ぐ市民団体「ノーモア南京の会」の方々や、会の活動に関係する研究者の方も同様に「30万人説」ということにさしたる疑問はないと見ています。ただ、もちろん推定値ですから、幅はあり、十万単位の間違いがあるということから数十万といった方が妥当と言えば妥当かも知れません。

ちなみに、ホロコーストによるユダヤ人の虐殺数600万人とか、日本の戦災者数 200万とかいうのも推定値です。実際、正確な実数値を出せというとかなり幅が出るものと思われます。最近のイラク戦争の民間人死者数も1万人から10万人以上とかなり幅があります。戦争の混乱期ということもあり、犠牲者数を正確に計測することは非常に困難な作業だからでしょう。

ただ南京虐殺に関して言えば、中国側の事情があって研究が不十分なままになっていたという事実もあります。というのも、南京戦というのは南京が当時国民党の首都であったということもあり、その後、共産党が支配するようになった中国では国民党に関わる歴史研究というのは敵視政策もあり、あまり進まなかったという事情からです。むしろ最近になって、生存者の聞き取り調査を幅広くするようになってきたと聞きます。

ちなみに南京虐殺に関して私にとって大きな情報源となった「ノーモア南京の会」の人は、強制連行の賠償問題などの裁判にも関わってきた人です。それだけ研究や実地調査をやってきた方々です。きちんとした歴史学の専門家の方々と連携を取っています。匿名でなく責任を持って発言をしている方達です。

もちろん、上記に挙げたものが必ずしも、100%の信頼性を保証するとはいいきれません。司法であれ間違った判断をすることは多々あります。イデオロギーがないといえば嘘になるでしょう。ですが、小林よしのりの漫画やイデオロギー丸出しで「自国中心の歴史観の何が悪い」という風にわざわざ主観的であることをアピールしている学者の言説よりは、客観的で公正中立とみえるため、信頼に足るものといえます。

まあ、南京虐殺の否定論をよく読むと、ほとんどが「・・とは考えられない」とか、「嘘をついていることもありうる」とか憶測で言いたい放題、揚げ足取り、詭弁ばっかりですよね。出してくる情報も、ソースは明確でなく、信頼性には疑問視すべき点が多く、また断片的だったりします。

彼らの論法を使えば、広島・長崎の原爆投下、東京大空襲、日清日露戦争、関ヶ原の戦い、そういうのも捏造だということになりますよ。ついでにもっていえば、地球は実をいうと丸くなく、平らなんじゃないかという説も成り立ってしまいます。

そういえば、最近、ポルトガルのイラン大使が「ホロコーストはあり得ない600万人もの人をそんなに短期間に虐殺出来るはずがない」と発言したとか、これってムハンマド風刺画に対する当てつけか、イスラエルに対する反感からか。イデオロギーは別として、しっかりとした情報源による歴史認識を持って欲しいものです。
by masagata2004 | 2006-03-06 23:37 | 米留学体験談 | Trackback | Comments(0)


人生は常に進歩していかなければならない


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