カテゴリ:映画ドラマ評論( 195 )

映画「小さいおうち」 東京版「細雪」か

昭和初期の中流家庭の生活を描いたレトロ時代ドラマ。

山形県から女中として東京のある一家に住み込むことになった若い女性が、雇い主である奥様の秘かな情事を知ってしまい、思い悩むことに。

ストーリー自体は、そんなに大したものではなく、ただかつての時代がどんなものであったのかを、如実に表した内容に思われる。現代との対比では、やや余計な描写が多過ぎた感じがする。

ただ、すばらしかったのは奥様役の松たか子の演技である。着物姿もばっちり。当時の上品なマダムの喋りぷりなんかも、きれいに再現していたような感じだ。その点からすると、同時代を舞台とした作品「細雪」を思い起こす。「細雪」は大阪が舞台だったから、さしずめこの映画は東京版「細雪」といえる。

また、マダムが若い男性と秘かな情事に走るという点では、「アンナ・カレーニナ」を思い起こさせる。

ドラマの中には、巧みに伏線が混じっていたのが印象的だ。子供の絵本に「タイタニック」。真珠湾攻撃の日に「風と共に去りぬ」を読書(当時日本で出版されていたのかな?)。

つまり、日本が戦争をしていた時代なのに、やけに庶民はのんびりで危機意識を感じていなかったということだ。あの時代でさえ、お受験なんてものがあったのだ。だから、今となんら変わりがないということ。

つまり、いつだって当たり前の平和は壊される状況にあるということなのだろうか。

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by masagata2004 | 2014-02-19 23:39 | 映画ドラマ評論 | Trackback | Comments(0)

映画「華麗なるギャツビー」 華麗なるホリエモンを想い起こす

映画館で2度観て、ブルーレイが発売されたので買った。
ディカプリオ主演の成金男が上流階級の人妻を仕留めようと、派手なパーティーを開いて気を引こうとする。

この映画の主人公のギャツビーを観ると、数年前、若いながらに富豪となり、時代の寵児としてもてはやされたが、後に株価操作など不正の角で投獄されたホリエモンこと堀江貴文氏のことを思い出す。映画のギャツビーも似たようなというか、もっとひどい結末に。

つまりのところ、人生、楽ではないということ。もとからあるエスタブリッシュメントを切り崩すのはむずかしいということ。うまい話には裏があるということ。女性は所詮は安定したタイプの男と結婚するということ。情熱とは、最初はきらびやかであっても、さっと泡となって消えてゆく一過性のものであること。

少々苦労しても、貧しくても、地味でも、まじめで堅実でなければいけないということだろうか。また、現実に抗おうというのも、ほどほどに。

それから、この映画を観ると、アメリカって元々、すごい格差社会だっていうことが分かる。でもって、今だってそうなんだから。

ギャツビーのようにはなりたくない。

ちなみにこの映画で私がもっとも印象に残るシーンは、


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by masagata2004 | 2013-11-27 22:15 | 映画ドラマ評論 | Trackback | Comments(2)

映画「ニモをみつけて」にみる偽善とあさましさ

沖縄でもっともホットな海、辺野古岬に隣接する大浦湾に潜り、以下のような光景を観た。

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帰ってからディズニーのアニメ映画「ファイディング・ニモ」を観た。クマノミの子供、ニモが人間にさらわれる。父親のマーリンはニモを探すため数々の困難を乗り越え最後に再会するというもの。この写真の青い魚は、探す道中で出会ったものを忘れっぽい魚、ドリーのようだ。

実に微笑ましい物語だったが、映画を観た後に考察すると、偽善性と人間のあさましさが如実に表れていることがわかる。それは映画だけでなく、実際に潜った海の周辺にも共通すること。

映画のように、そもそも魚は喋れやしないし、字が読めるはずがない。さも、人間と同じように知恵や感情を持って必死に生きているように描いているが、そんな魚を人間は堂々と食しているし、映画の人間と同様に捕まえては水槽に入れ観賞用に使っている。大海原を生きる魚たちの自由を堂々と奪っているのだ。

なんでも、この映画の公開の後に、クマノミは乱獲されたというのだから、かわいい魚、捕まえる人間はやな連中ね、というような描き方は、実に偽善的だ。

そんなことを分かっていながら、金儲けのネタに使うのは、あさましいこと。所詮はフィクション、ファンタジーといえばそうなんだけど。まあ、実にディズニーらしい。

だが、あさましさといえば、このニモたちの生息する海周辺こそ、人間のあさましさを見せつけてくれるものはない。

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by masagata2004 | 2013-09-26 23:09 | 映画ドラマ評論 | Trackback | Comments(0)

イラン映画「別離」 宗教と社会生活

タイトルと内容はずいぶん違った。だが、テーマは宗教と社会生活ということだろう。

この映画を観ると、イランが敬虔なイスラム教国家でありながら、意外にも近代社会であるということを理解させられる。

映画の中では、女性は常に頭にスカーフをかけていたが、職業を持ち、車を運転し、男性に対して堂々とものをいう。裁判所もあり、そこで判事が、法にのっとった審判を下す。

意外や意外、顔だちは白人だから欧州と思えるほどの情景ばかりだ。

だが、宗教の影響は強い人には強く、それが思わぬ騒動を巻き起こしてしまう。ストーリー展開が実にいい。

敬虔な人とそうでない人との差が、それなりにある。また、痴呆の老人介護という深刻な問題も万国共通であると分からせてくれる。

宗教観や道徳観も、実をいうとイランのような国の中でも個人差があるものだということだ。

だけど、イランではレイプされた被害者の女性が貞操を失った罪で処刑にされると聞いたことがある。だから、意外に意外。この二つのスタンダードの狭間で社会は揺れているということなのだろうか。

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by masagata2004 | 2013-08-17 22:08 | 映画ドラマ評論 | Trackback | Comments(0)

映画「希望の国」 再稼働は許さない

311から2年も経っていないのに、福島原発事故をモデルにした映画などつくっていいものなのかと、当初、この映画について聞いた時思ったが、DVDをレンタルして観てみると、納得のいく内容だった。

映画で表されている内容は、原発事故直後に起こったことをそのままドラマのエピソードにしている。避難区域設定で分断されるコミュニティ。被災者への偏見。放射能の恐怖と日々過ごすこと。

そして、まだ、このことは終わっていない。今も続いている。

なのに、政府と原子力ムラは再稼働に向けてまっしぐらだ。

そんなのとんでもないと思わされる。なんたって、これはフィクションではなく、すでに起こったことなのだから。これはいわばドキュメンタリー映画だ。

日本中、いや世界中の誰もが、この映画を観るべきだ。

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by masagata2004 | 2013-06-30 20:07 | 映画ドラマ評論 | Trackback | Comments(0)

独映画「シェーナウの想い」 ドイツはすごい

先日、都内のあるところで、「シェーナウの想い」というドイツのドキュメンタリー映画の観賞会に参加した。

1986年のチェルノブイリ原発事故により、原発の危険性を思い知った南ドイツの小さな町シェーナウの人々が、自分たちの市民電力会社の設立を成し遂げるまでを追ったドキュメンタリー。

最初に、独占電力供給会社からの電力供給を拒否。その後、自分たちの電力会社の設立。次に電力会社から電力網を買うための寄付金集めと、ほぼ3段階で市民運動が繰り広げられてきた。

その度に、財力に物言わせる電力会社や市民電力なんて非現実的と揶揄する反対派住民との壮絶なバトルがあり、しっくはっくしてきた。

だが、住民は成し遂げ、今では、立派なオフィスを構える電力会社を経営するほどに。

そこで見られるのは、議論を恐れない、対立を恐れない市民運動家の姿だ。

ざっくばらんと対話する。体当たりで議論する。また、お上がいうからと従順に従わず、自分達でしっかりと考え、結論を出す。まあ、ドイツ人らしいというか。

だけど、同じことが日本でもできないことはない。日本でも原発の住民投票運動は実際にあり、それで原発の誘致を住民で拒否したという例(新潟県)はある。

賛成か、反対か、できるか、できないか、結果どうなるかを、ただ案じていても仕方ない。とりあえず、真実を白日の元にして、その上で議論、そのうえで、納得というプロセスが大事なのだなあと思う。

とってもオススメな映画。原発問題とは別に、学べることが多い。

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by masagata2004 | 2013-06-02 13:16 | 映画ドラマ評論 | Trackback | Comments(0)

「バック・トゥー・ザ・フューチャー2」 1980年代風21世紀 

いわずと知れたタイムトラベルものの代表作シリーズの第2弾。たまたまテレビで見た。1985年のティーンエージャーが1955年が両親がティーンエージャーだった時代にタイムスリップ、一家の歴史を変えたが、その後、未来の自分の子供がティーンエージャーとなった時代、2015年にタイムスリップする。

ここで面白いのは、この映画が上映された1980年代の人々が予想した2015年、今から2年後の世界というのが、現状とどう違いがあるかという点。

映画に登場した空飛ぶ自動車、景色が変わる窓、小さなピザが大きくなるインスタント食品、指紋で開けるノブのないドア、キャスターのない宙に浮くスケートボード、乾燥機付きのジャケット。そういうものはない。

逆に、当時なかった今の時代を象徴する最新テクノロジーであるインターネットとスマホがなかった。

やはり未来を予想するというのは難しいということなのか。

だが、タイムスリップものというのは面白い。時空の旅で世界が広がる。常識が覆される感覚を味わえる。

そういう小生も、ブログ上でタイムスリップ3部作を発表している。以下がその説明。

1.インペリアル・ホテル

明治村の旧帝国ホテル玄関ホールから大正時代、関東大震災直前の新館開業時の帝国ホテルへ

2.私をスキーに連れてっての時代に連れてって

不景気な現代からバブル時代の志賀高原スキー場へ

3.ヨーソロ 三笠

横須賀の記念艦三笠に乗って日露戦争時の日本海へ

娯楽でありながら、それなりの教訓も盛り込ませている。

近々、タイムスリップ3部作として出版予定。

時空の旅、みんなもしてみない?

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by masagata2004 | 2013-05-30 22:49 | 映画ドラマ評論 | Trackback | Comments(0)

映画「祇園囃子」と「緋牡丹博徒」 着物と封建社会

二つの着物が大きな意味を持つ映画を紹介したい。ついでにそれ以外の関連の映画と劇も。

一つは「祇園囃子」という1953年の白黒映画。京都の芸者の世界とはどういうものなのかという物語だ。15歳の少女が、年期の入った芸者見習い、つまり舞妓として弟子入りする。彼女は、芸者を芸の達人として自立した女性の職業と考え憧れを持ったが、思わぬ難儀に巻き込まれる。終戦後、基本的人権を尊重する日本国憲法により女性も自立して、自らの意志で自分の人生を開けるという確信を持てたはずであったが、花柳界は古い習わしに縛られたままであったというドラマ。

実をいうと、私はこの映画を以前、アメリカの大学で観た。それは「中国と日本の女性の歴史」というフェミニズム学のような講義でだ。映画は終戦後なので参政権を得た女性たちの本来ならなくなってもいいはずの「旦那の妾となる」というような風習が、実質的には残って続いてしまっているという実態が表されている。

つまり、芸者がデビューするには、大金を払ってくれるパトロンが必要だということだ。特に衣装として重要な着物はバカ高い。芸者の派遣業をする置屋が負担するのだ、当然、置屋は急いでその分の回収をしたいのである。だから戦前だと、花柳界に入った女性は世話をしてくれる置屋の女主人「おかあさん」の命に従い、本人が嫌でも旦那をつけられ妾となった。特に、多くの芸者の卵たちは芸者としての修業をする前に身売りをされ、その借金を返さなければならない立場だったからだ。その辺についてはハリウッド版芸者映画「SAYURI」が詳しい。

ちなみに芸者の見習い段階の舞妓は、戦前は12歳ぐらいの少女がなっていたという。だからこそ、舞妓の着物は縫い上げという肩の袖元に布が嵩張った状態にしているのだという。つまり、その後、成長するのに合わせて着物の寸法を調整できるようにするためだ。つまり、かつては今では禁じられている児童労働が堂々と認められていたということだ。今では15歳ぐらいから舞妓となる。したがって、今の縫い上げは名残でしかない。

もう一つの映画は女ヤクザの物語。富士純子主演のシリーズ「緋牡丹博徒」である。明治時代、熊本の五木村のヤクザ一家の一人娘として生まれ育った矢野竜子は、かたぎとして嫁入りするはずであったが、父親が殺されたことを期に仇相手を探すため渡世人となる。1960年代から70年代の間、8作製作されたものの最初と最後をレンタルして観た。ヤクザ映画の大御所、高倉健、松方弘樹、菅原文太との共演が味が出ている。

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by masagata2004 | 2013-01-01 22:51 | 映画ドラマ評論 | Trackback | Comments(1)

映画「聯合艦隊司令長官 山本五十六」 問題提起か

日独伊三国軍事同盟と、続く日米開戦に反対し続け、ついには南方で敵弾に散った連合艦隊司令長官、山本五十六の当時の姿を追った物語。

ちと美化しすぎていないかと勘ぐる場面が多々あったが、映画の主題は同時の日本の軍部、政治、マスコミ、世論の状態が、異常であったのではないかという問題提起だ。それは、現代でも通じるところがみられる。

明らかに国力で圧倒するアメリカを相手に、ばくち打ちのような戦争を仕掛けようと考えるわりには、いざとなると「なんとかしよう」「敵がそんなことをするはずがない」といういい加減さ。ついには、「そんなの我慢ならん」と感情的になり、ものごとをロジカルに判断しようとしない。

当時までは日本は戦争に負けたことがなかった。特に日露戦争の辛勝の栄光にすがるところもあった。なので、無謀な道にどんどん突き進んでいった。

現実を真正面に見る冷静な判断力、ものごとを広い視野で総合的に分析する能力、それらがいちじるしく欠けていたという点が問題。だから、現代と照らし合わせて、そんな間違いを繰り返さないようにしようという問題提起である。

だが、私としては、これにもう一つ重要な要素を加えたいと思う。それは、この手の映画に常に欠けている視点。真珠湾の前の段階で、すでに日本が間違った道を踏み出してしまったこと。それは中国大陸への進出だ。そもそも、日米関係が悪化した要因は、三国同盟の前に、日本の中国侵略が大きかったことが重要だ。

実をいうと、私はその要素を大いに含め、この映画にある問題提起をより分かりやすく綴った小説を、ブログ上で書いた。機会があれば、是非とも読んでいただきたい。

自作小説「白虹、日を貫けり」 

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by masagata2004 | 2012-08-21 23:03 | 映画ドラマ評論 | Trackback | Comments(0)

韓国映画「マイ・ウェイ 12,000キロの真実」 国家と自分

実話を元にしていると宣伝文句にあるが、どう考えても完全なる実話でないことは確か。だが、史実を元に、観客を飽きさせない最高のストーリーに仕上げている。

そして、映画は、ある種の人間のサガというものをテーマにしていて、その意味で考えさせられる。

日本が韓国に統治されていた時代、祖父を軍人に、父を医者に持つ日本人の少年が、ソウルの祖父の家を訪ね、その家で使用人として働く男の息子と親交を深めることになる。二人の男はマラソンのライバル選手同士として成長していくが、差別、戦争が彼らの人生に覆い被さり、両者はユーラシア大陸の戦場をまたぐ数奇な運命を辿る。

国家に忠誠を誓うことがどんな意味を為すのかということを考えさせられる。韓国人にとって、自分たちを二流国民扱いをする宗主国だった日本は、本当に忠誠を誓うべき対象だったのか。もちろん、そうではないからこそ、捕虜になった時、日本人と韓国人は違った行動をすることになる。

また、命からがら生き延びたいと思えば、1個人としての自分が重要で国家なんてどうでもよくなる。その時、その時に人間はいかように環境に対して適応できてしまう。それはあさましいことでもあるが、同時に国家という物自体、まぼろしでしかないのではないかと、実をいうと多くの人々が分かっているのに口に出さないだけだと。戦場という極限の状態は、そんな人間の本性が暴露される場だ。

この映画では、韓国を占領統治する日本人役に名だたる俳優が出演していることに感心する。ほとんどの役柄は、傲慢な日本人統治者だ。脱原発俳優、山本太郎の軍人キャラも強烈だ。これが韓国人の見る日本人の姿なのかということをまざまざと思い知らされる。

でも、考えてみれば、そんな類の映画を日韓共同で製作できるようになったというのが現代における日韓関係なのかもしれない。二度と、映画で表された時代のようになりませんように。

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by masagata2004 | 2012-07-21 03:05 | 映画ドラマ評論 | Trackback | Comments(0)


人生は常に進歩していかなければならない


by マサガタ

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