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内政干渉を先にしたのはどっちだ!

Excite エキサイト : 社会ニュース

昨年9月に投稿した記事。

靖国参拝は違憲だと大阪高裁が判決の中で述べたそうな。
最も、これは一連の外交問題となっている靖国参拝批判とは違い、憲法の定める政教分離に反しているという意味だ。

常に問題となっているのは、中国がこのことをあまりも執拗に批判するので、内政干渉ではないかということだ。

だが、考えて貰いたい。満州事変から、その後の戦争、それこそ、我が国による中国大陸への最大の内政干渉であったことを。その戦争を指揮した当時の指導者達が祀られているところが靖国神社だ。

日本はABCD包囲網に追いつめられ戦争せざる得なかったと弁解をいう人々もいるが、そのCは中国だ。日本は、アメリカとだけ戦争していたわけではない。中国とアメリカの連携とだ。それに、中国に元々日本人がいたわけではない。満州事変もやらせだった。不況の解決策のため、でっち上げた大儀による侵略戦争だった。

歴史修正論者の人は、勝手に事実を作ったり、いいとこ取りをしたりする。

南京虐殺でも、その前に中国は通州事件を起こしたから悪いとかいうが、でも、通州は日本にある地名ではない。イラクでアメリカ人が武装勢力に殺されたことに対し、イラク人は謝るべきだと言っているようなもの。

ところで、小泉さん。せっかく、高裁が参拝中止の口実を与えてくれたんだから。憲法を遵守しなければならない最高権力者の立場として、参拝を今後しないと明言したら。
これだと、中国からの干渉でとりやめたというみっともないことにならなくてすむよ。

すでに8月15日に参拝しなかったことで、十分、公約を破り、中国にひれ伏しているんだし。

それに怖いのは、中国共産党政府じゃないよ。中国人民だよ。彼らは日本国民以上にポピュリズムに走りやすいから、爆発したら後先考えず、反日だよ。彼ら自身の不利益になるばかりではなく、日本も結局巻き込まれるからね。
by masagata2004 | 2005-09-30 20:15 | 時事トピック | Trackback | Comments(0)

小説の強み

只今、このブログで自作小説を連載中ですが、趣味小説家マサガタが、ちょっと一息入れて、小説の映画・アニメ・漫画にない強みというのを語りたいと思います。

まず、小説だと人物の内なる感情を直に表現しやすい。言葉でずばりと。

映画やアニメ・漫画だとせりふで言わせるか、表情で表すか、仕草などで表すかなどで間接的にならざる得ず、視聴者や読者には分かりにくかったりする。ナレーションを使う手もあるが、それだといろいろと制約があるし、ナレーションを使わないのがこれらのドラマ表現の特徴。

また、物語の時代背景などを文章で説明でき分かりやすかったりする。

映画では制作費や技術的な制約でできないスケールの大きい場面を表現しやすい。あくまで文字を読んで読者が想像するんだけど。
アニメや漫画だと、その意味では最も優れているかも。

登場人物の年齢の変化を気にしなくていい。もちろん、文字で表現するだけのことだから。アニメと漫画も、まあ可能であるが。映画だと俳優の実年齢(見かけ年齢)前後7歳ぐらいが普通限度。ちなみに現在の私の連載小説は、なんと27年間の年齢変化が起こる。ついでに主人公は、髪の毛の色で人種を変えられる特殊な外見。実写は不可能に近い。

そして、小説は究極のオン・デマンド・エンターテイメントで分量制限を基本的に受けない。出版の場合、印刷コストの関係でページ数制限を受けるかもしれないが、基本的に作家の好きなだけの分量が書ける。

翻訳小説は面白い例、映画だと時間制限があり字幕は1秒4文字ということで、よくオリジナルから情報がカットされ、吹き替えでさえも、削られたりする。翻訳本だと、その制約がなくオリジナルの情報をそのまま提供できてしまう。


でもって、文章表現の芸術性、視覚ではなく言葉の響き、文字で表現される芸術性が醍醐味となる。


ちなみに、逆に弱い点はというと、

映画などの視覚表現が出来る者は、ある特殊な場面、例えば、過去の時代や海外の場所など、普通の読者がイメージしにくい設定を一瞬で表現できる。特に、私もその辺で悩んでいる。例えば、「蓄音機」なんて言葉を書いても、蓄音機を見たことない人にとっては何のことか分からずつまらない。だが、映画では蓄音機を、さっと映像で紹介できる。ちなみに私は、蓄音機の写真を序章に載せているので、知らない人は見るとよい。

また、大正時代の神戸の異人街や大阪やヨーロッパの都市などの表現にも苦労している。自分だって行ったこともないところだ。

それから、これは映画とラジオ番組の強みだろうが、会話の中の抑揚、言葉の訛りを表現しにくい。連載小説の登場人物には、大阪弁を話す人物が出るが、言葉を大阪弁にしても、大阪弁独自のアクセントは表現できない。

以上、私の思ったところ。

これから、自作小説は後編に差しかかります。
by masagata2004 | 2005-09-29 21:55 | 自作小説 | Trackback | Comments(0)

あの総裁にして、この議員あり

Excite エキサイト : 社会ニュース

失言は、この杉村議員よりも、もっとスケールの大きい奴がいることを忘れちゃいかんよ。

自民党総裁、小泉純一郎がその人じゃんか。
「こんな公約守らなくてもたいしたことない」とかいう発言、有名じゃん。

それからさ、絶対、忘れては行けない言葉。

イラク人質事件があった時、ストリート・チルドレンを救う活動を解放後続けたいといった高遠菜穂子さんに対し、公僕の最たる総理大臣が、カメラの前で堂々と
「寝食忘れて大変だったのによくもそんなことが言えるな」だと。

税金で国民に雇われているんだから、寝食忘れて尽くすのは当たり前だろう。それに、NGOの人道支援の重要性とか、全然世界の常識知らない無教養ぶりも披露しちゃって。

世界中で、報道されてどれだけ恥をさらしたことか。

だから、全然驚くことじゃないね。この人、謝罪させる前に、小泉総理を謝罪させたいよ。
by masagata2004 | 2005-09-28 00:18 | 時事トピック | Trackback(1) | Comments(0)

でも、アポロって本当に月に行ったの?

Excite エキサイト : 国際ニュース

再び月へ、NASAが有人月面宇宙飛行を計画したとか。

スペースシャトルの失敗続きで、NASAも行き詰まって、組織防衛策として考えたのではとさえ思えてくる。


だがよ、果たして、これは再びになるのだろうか?


これって、初めての月宇宙飛行にならんか? でもって、今の技術でも人間を月へ飛ばして、地球に帰還させること何て不可能では?


これ言うとバカにされるが、私は半分マジで、この月面着陸捏造説を信じている。

どうしたって思う。1960年代の技術で、あんなこと可能だったのか。

失敗した場合の政治的リスクを度外視してまであんな大規模なミッションを全世界生中継でアメリカがしたのだろうか。冷戦真っ只中で、ベトナム戦争中でもあったあの時代に?


それに不審なのは、偶然にもあの計画に携わった宇宙飛行士が数多く死んでいることだ。それもかなり不審な死に方で。


だから、このニュース聞いても、どうしてもロマンを感じない。むしろ、ミステリアスな気分になってしまう。

だが、月着陸は地上のスタジオで撮影されたということの方が、ロマンを駆り立てられもするが。
by masagata2004 | 2005-09-26 23:54 | マサガタな日々 | Trackback | Comments(0)

エジプト旅行を計画中

まだはっきりと決まったわけではないが。

最近無性にエジプトに行きたくなっている。まるで、ファラオが誘っているような気分さえする。

今年4月に中国に行って来たばかりで、また海外旅行かと自問しているが、どうも海外旅行というのは麻薬みたいだ。やっちゃうとやめられない。

そんな金あったら、老後のために蓄えろと自問するのだが、それでも行きたい。


今こそ、行くべきだという気がする。エジプトに行けば、何かを発見し、何かを変えられるような気がしてならない。
by masagata2004 | 2005-09-24 14:29 | 旅行 | Trackback(1) | Comments(0)

他の政党の他のリーダーが、他の議題で同じことをしていたら

Excite エキサイト : 政治ニュース

それなりの説得力もあったが、

日本は50年も、ほとんど政権交代のなかった異常な政治体制。政権交代をした新しい政党のリーダーが、古い勢力に戦いを挑んだとかいうなら納得もいくけど。

それから、この小泉という男の政治家としての資質の欠如、それは根本的に問題があるところは、イラク人質事件での暴言。詳しくは、以下のサイトをクリック。

忘れてはならない、小泉首相の暴言


そして、何よりも解散の理由が、国民には実際はデメリットこそあれ、メリットのない「郵政民営化」法案の賛否。
これは、詳しいことを知りたければ、ビデオニュースの山崎養世の対談をご覧になるといい。有料だけど。

表面的なドラマとして捉えれば、この男、かっこいいんだろうけど、本質的には賛同できない。そもそも、現職の総理や与党を評価するなら、それまでの実績を見て評価すべき。国の借金を増やし、年金保険料を値上げ、イラクに自衛隊を派遣、近隣諸国との関係を悪化させた、こういうことに目を向ける有権者が多ければ、結果は変わったはず。それが民主主義の有権者というもの。

ただ、少しは譲って、今回の選挙で部分的に小泉自民党がしたことで評価できる点をあげると以下のことがある。

1.反対派に対立候補を送り込む。いわゆる落下傘候補方式。国政と地方の政治は別という考え方の実行。

2.比例区に積極的に女性を登用したこと。所詮はマスコットなのだろうが、日本の政界は女性が少ないことが問題になっている。現にそのおかげで、女性議員の割合が上がった。選挙のためであれ、所詮は数だけの問題であれ、そういう変化は必要。普通に待っていたところで、なかなかそんな変化は起こりにくい。スウェーデンでも、割当制を取り入れ、比率を上げたのだから。

ただ、再度いうが、他の政党の他のリーダーがして欲しかった。民主党は、だらしなかったもんね。

以上。私は、もうノンポリですので関心ありません。日本が民主主義国家であるという幻想が幻想であるということが分かっただけでも進歩かなと思う今日この頃ですけど。
by masagata2004 | 2005-09-23 13:53 | 時事トピック | Trackback(1) | Comments(0)

もはや情熱に駆られる時代ではないのかもしれない

警告!独裁国家並みの改憲ファシズムがやって来る!!

いっそのこと、無関心でただ自分や身の回りさえよければいいという生き方を選ぶべきかも。

考えてみれば、テレビや映画、旅行なんかを楽しむだけの人生もいいかも。

世の中には、いろいろな問題が渦巻いており、無関心でいるのはよくないと指摘されるのだが、でも、無関心でいるのが楽に思える。

それに、反権力で戦うこと自体、結局のところ、それこそ、ただ踊らされているだけのように思える。

そんなこと言っていると、情熱のジャーナリスト・シバレイに「気が付いたら、あんたもひどい目に遭うよ」と言われそうだが、でも、もういい、疲れた。

なんか娯楽映画でも見て、酒でも飲んで寝るか。でも、勝ち馬に乗って変な体制に付き従うのもやだけどね。でも、所詮は、無力な民に過ぎない。どうせ体制に呑まれることだろうよ。

ちなみ、私は今度の法案には大反対だけど、9条改正には賛成。前原案支持するよ。だけど、それでも、今すぐは駄目。まずは、イラクの自衛隊を撤退させることが先。
by masagata2004 | 2005-09-22 22:12 | 時事トピック | Trackback | Comments(11)

カタルシスな市民運動

環境ジャーナリストの会9月定例会「いまアフリカの貧困を問う」/トーキョーワンダーサイト企画展

日本の市民運動はどうしてこう、世間から白い目で見られたりするのだろうか。

もちろん、それはお上意識が強く、民衆から運動を起こそうとする民意の弱い日本社会独特のものがあるが、問題はそれだけではない気がする。

それは、市民運動をしている人たちが、あまりにも自己満足的に一時しのぎなカタルナシスにはまっているせいではなかろうか。要は、会を開いたりして、適当に人を集め、適当に意見を出し合い、慰め合うような共感を味わいたいだけで、実際、社会を動かすだけの実行力を持たないノー天気なお祭り集団のように思われているからではなかろうか。

反対、反対だけを叫ぶ野党と同じである。本当に世の中変えたいなら、自分たちにとって耳障りな意見も役立つなら積極的にとりいれ、また、嫌いな連中でも、必要であれば懐に入って、変革の有志にしてしまうほどの技量を持つのだが、そんなこともせず自分たちとそのシンパだけの慰め合いに終始するようなところが透けて見えるからではなかろうか。

全ての市民運動がそうだとは言わない。だが、そんなカタルナシスな運動家がやけに目立ち、真面目に活動をしている人たちも一色単にされてしまうのだ。

それが残念でならない。
by masagata2004 | 2005-09-20 22:46 | 時事トピック | Trackback(1) | Comments(0)

自作小説「白虹、日を貫けり」 第15章 ワルシャワ、ベルリン、ミュンヘン

テーマは、ジャーナリズム、民主主義、愛国心。大正時代から終戦までの激動の時代を振り返りながら考える。

まずは、まえがきから第14章までお読みください。

 ワルシャワは歓喜に満ちていた。帝政ロシアから解放され、国家としての主権を回復した人々は、晴れてポーランド人となったことを全身で喜んでいだ。すでに選挙もすませ、民主制を基礎とした国造りが着々と進んでいた。
 龍一は、人々から歓迎を受けた。龍一の素性を話すと、ポーランド人は皆、一様に好意的だった。龍一に、ポーランド人の血が流れていることと、一四年前、帝政ロシアを敗った大日本帝国の民であることが、人々に親しみを感じさせているようだった。
 母のことを探ろうと、もはや活動の必要のなくなった独立運動家に接触した。母の写真を見せ、「エヴァ・ワシャウスキー」は知らないかと聞いて回った。何人ものかつての独立運動家に出会ったが、誰もがそっけない返事をするばかりだった。探そうにも手がかりが少なすぎる上、二十年以上も前の話である。無理もなかった。
 そもそも、こんな事態になることは予想していたので、龍一は落胆しなかった。それよりも、記者として独立国家ポーランドを取材することに力を注いだ。国籍はないが、同じ血が流れている者としてポーランドは祖国であり、喜びも分かち合えた。母が生きていたら、このポーランドを見せたかったと感じながら、筆を取りルポルタージュを続けた。

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 ポーランドに滞在すること三ヶ月、取材すべきことは終わったと感じた龍一は、ベルリンへ向かった。母のことは、ワルシャワで知り合った元独立運動家のヤンという名の自分と同じ年ぐらいの男に託すこととした。母の写真と素性などの情報を記した紙を渡し、もし、何か発見があれば、連絡をしてくれとドイツでの滞在先と大阪朝夕の連絡先両方を教えた。ヤンは、快く引き受けてくれた。もちろん、何か発見があることなど期待はしていない。龍一は、こんな形で母の過去や家族を探る旅を締めくくることにしたのだ。

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 ベルリンに着いた龍一が、目の当たりにしたのは、独立の歓喜に沸くポーランドとは正反対の屈辱と落胆に苛まれた敗戦国の人々の姿だった。植民地や領土の一部を奪われ、国家としての支払い能力をはるかに超える賠償金が人々の肩にのしかかっていることをもろに感じさせる状況だった。
 龍一は、日本も戦勝国であり、ドイツから利を得た立場を考え、肩身が狭かった。出来るだけ、日本人であることを隠してベルリンを取材した。
 最も、悪いことばかりでもないということも、感じとった。十九世紀からの鉄と血の政策から軍事拡大の政策ばかりを進めてきたドイツ帝国が新しい民主国家として生まれ変わる時期とも言えた。
 その象徴が一九一九年八月に発布されたワイマール憲法だ。第一条に国民主権を明記し労働者の権利、生存権・社会権を認め、二〇歳以上の男女全てに参政権を認めるという有史以来最も民主的な憲法が制定されたのだ。普通選挙も婦人参政権も認められていない日本の一市民から見ると、羨ましい限りであった。「ワイマール憲法を民本主義の目標とすべき」と龍一は日本へ打電した。

 ベルリンの後に、バイエルン州の都市ミュンヘンに立ち寄った。
 
 そこで、龍一は、ある政治団体の集会を取材する機会を得た。最近、発足したばかりの団体で「ドイツ労働者党」と呼ばれる。党といっても党員数は数十人程度だが、だが、ミュンヘンに存在する五十もの政党の中で最も人気を集めていると聞いた。
 
 ビアホールで開催された集会に来ると、その党員の一人で名を「アドルフ・ヒットラー」という若い男が壇上に立って演説を始めた。
「我ドイツ民族は、有史以来、これほどの屈辱を味わったことはない。私は国のために戦った。だが、戦場から帰った我が祖国は、なんと惨めな姿になったことか」
 ホール全体に、男の低く勇ましい声が響き渡った。だが、話し方は、お世辞にも上品とはいえない。
「今のドイツ政府では、この国は破綻しかねない。民族の誇りを取り戻し、奪われた領土を取り戻さなければならない。そして、今こそ、民族の純血を守らなければならない時はなかろう。そもそも、ドイツは優れたアーリア人だけの国だった。そこにある民族が訪れ、彼らは我々の土地に住み着いた。我々は、寛大に彼らを受け入れた。ところが、奴らは、我々の寛大さにつけ込み、気がつくと我々の純血を汚し、我々の国の経済を牛耳り、文化を汚染した。ここに反ユダヤへの結束を求める。この美しい国から、ユダヤを排除しないとドイツは疲弊していくばかりだ」
 男の話し声は、完全にがなり声に変わっていた。これは、もう演説ではない。だが、聴衆の反応はいい。拍手がところどころで起こっている。
 龍一は、じっと見ていることができず、ビアホールを出ていった。何という下劣な演説だと思った。いくら不満があるからといって、反ユダヤ主義を利用して聴衆を駆り立てるとはおぞましい限りだ。ユダヤ人が、何をしたというのか。たまたま宗教や価値観が違うからといって、不満解消の標的としていいのか。
 龍一は、心の底から思った。どうせこんな連中は、ドイツでもほんの一部に過ぎない。ドイツはゲーテやシラーのような優れた文学者を生んだ国だ。それにワイマール憲法も制定された。知的で理性のある人々が住む国なのだ。あんな男のような集団に牛耳られるようなことはないだろう。

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 龍一は帰国の途に着くことにした。ミュンヘンからマルセイユ行きの列車に乗ろうと駅に向かうことにしたが、ホテルを出ようとしたところでフロントで思わぬ電報を受け取った。それにはこう書いていた。
「あなたのお祖父さんが見つかりました。至急ワルシャワに戻ってください、ヤン」
 全くの驚きの電報だった。もう見つかることなどあり得ないと思った親類がいたというのだ。それも祖父だ。一体全体どうなっているのか訳が分からない。「至急」という言葉も気になった。もしその人が、私の母方の祖父ならば、かなりの高齢だ。もしかして、と胸騒ぎが起こった。
 予定を急遽変え、マルセイユではなくワルシャワへと行き先を変えた。ヤンに電報を打ち返し、向かっていることを伝えた。
 数日後、ワルシャワに着くと、駅前でヤンが出迎えてくれた。さっそく馬車に乗り、ワルシャワ市内に住む老人、アレクサンダー・ワシャウスキーのところに向かうことにした。車中で事情を聞くと、ヤンの知り合いが、母の写真を見て、同じ顔の女性の写っている写真を、ある老人の家で見たことがあると聞き、そこに住んでいる老人に「エヴァ・ワシャウスキー」のことを話すと、間違いなく自分の娘だと言ったという。だが、心配していたことが的中した。その老人は高齢の上、長年心臓病を患っており体調が非常に悪くいつ亡くなってもおかしくない状況だというのだ。 
「リッチーさん、今日か明日かというぐらいに病状が悪化しています」
とヤンは運転をしながら言った。とても心配そうな表情だった。
 自分の祖父に生まれて初めて会う。二十にを過ぎて、自分の祖父に初めて出会う人間などこの世にどれだけいるのだろう。それも、初めての出会いが、その祖父の死に際であるというのも珍しいのではないか。
 老人の住んでいる家に着いた。そこは、こぢんまりとした一軒家だった。
 家のドアを叩くと、茶色の髪をした若い女性が出てきた。女性は看護婦の姿をしていた。無言で表情が険しかった。そのことが、全てを語った。
 中に入ると、目の前にベッドに寝そべり目を閉じた白髪の男がいた。その傍に医師らしい白衣を着た若い男が座っていた。
「残念です。ほんの数分前に・・・」
と医師は言った。
 皺だらけの老人の顔は、すでに固まっていた。そして、その老人の顔を見て、それが自分の祖父であることを龍一は、一瞬で悟った。自分によく似ているからだ。自分が年老いたら、きっとこんな顔になるのだろうと予感させる顔付きだ。
 ああ、何てことだ。何という不運だ。これまで生きている中で自分の肉親の死に際に出くわすのは、これで三度目だ。母の死、父の死、そして、祖父の死。だが、今度ほど不幸なことはない。これまで会えず必死で会おうと思ったところで、その肉親の死に直面するというのは、何という不運だろう。
 ヤンとその友人と共に葬式を済ませた。龍一の祖父、アレクサンダー・ワシャウスキーには、他に身寄りなどなかった。調べてみると、アレクサンダーの妻、龍一にとっての祖母ヨランダは既に他界しており、母には妹が一人いたらしいのだが、ずいぶん前に、アメリカ人の男性と結婚して国を離れたが、その後、音信不通らしい。
 祖父は教師であり、母もポーランドにいた時は教師をしていたらしい。だが、当時、話すことさえ禁じられていたポーランド語を学校で生徒たちに教えていたために、教職を剥奪され、そのことがきっかけで独立運動に身を投じたものの、ついには亡命せざる得なくなったということが経緯であると分かった。
 祖父から、生に話を聞ければ良かったのに、という想いに駆られた。母があまり話すことのなかったポーランド時代の姿とワシャウスキー一家の物語を聞きたかった。悔やまれてならなかったが、ポーランドに来ただけの意義はあったと考えた。同時に自分にこんな機会を与えてくれた会社に感謝の念を感じた。また、戦後、民主化に向け邁進するもう一つの祖国を見て、自らも諦めてはならないという使命感を強めた。
 早く日本へ帰ろうと思った。日本に帰って、大西と会って、感じとったことを話したいと思った。

一九一九年秋
 龍一は帰国した。
 さっそく、大忙しの中、龍一は、とっくに出所したはずの大西に会おうと思ったが、肝心の大西は、どこにもいず会えなかった。朝倉環記者を含め社会部の先輩に聞いたが、誰も出所後の大西のことは知らないと言う。身寄りはないかと聞いたが大西は自分のことは話したがらない性格だったため、誰も知っている者はいなかった。保管されている経歴書で分かったことは、大西は、士族の家柄で陸軍将校の一家に生まれ、自らも当初は一家の伝統に習って陸軍兵学校に入学、陸軍人になったのだが、日露戦争後に除隊、その後、京都帝国大学政治学部に入学、卒業後、大阪朝夕新聞社の記者となったということだった。
 あのがさつな大西が士族で名門軍人一家の出であることに、いささか驚いたが、あの豪傑さもそういう生い立ちならではのことだろうと納得いく面もあった。大西の家族は、両親ともすでに他界、兄弟などいたかは不明で、大西自身は、これまで独身を通してきた男らしく伴侶などはいないらしい。
 自分に何か書き置きなど残してなかったか社内の者に聞いてみたが、誰も何も聞いてないという。
 環も残念そうに言った。
「私も、大西さんを出迎えようと思ったのよ。だけど、出所日を分からないようにして、姿を消して。私たちに何も告げずにひどすぎるわ」
 何と言うことだ。おそらく、社のために不本意なことをしてしまったからこそ、社の者に会うことは、とてもつらかったのだろう。自分も追い回すのは、よくないのではと考えた。自分と会うことが最もつらいだろうと龍一は悟った。
 実のところ、龍一は、話し合うと言うよりある決心を大西に告げるつもりだった。
 これは欧州取材旅行を通して考え抜き決断したことだ。一生、新聞記者を続ける。どんなことがあっても挫けず、筆を以て戦い続けるという決意だ。

第16章へ続く。 その前に一休みコラムも!
by masagata2004 | 2005-09-18 17:37 | 自作小説 | Trackback | Comments(1)

それでも政権交代には10年以上はかかるでしょう

Excite エキサイト : 政治ニュース

民主党の代表に前原氏が選ばれたそうですが、ま、それでも、民主党が政権交代するにはあと10年ぐらいかかりそうですね。まあ、130議席ぐらい上乗せがないと単独での政権奪取は無理。

80議席も上乗せした自民の圧勝を考えれば次の選挙でも、考えられないことはないでしょうけど、よほどの風が吹かないと、何か不満が爆発して民主に風が吹くようなことでも起こらない限り無理。

そういやあ、前回の参院選のパターンで行けば考えられないこともないのだけど、あの時は年金保険料値上げが響いたんですよね。

小泉は曽我ひとみ一家を選挙に利用したが、それでも間に合わなかった。メディア戦が効かず、有権者の冷静さが勝利した、今回とは逆の結果でした。

まあ、気長に待ちますか。

その間、私はノンポリ・マサガタとして、のんびり過ごしますけどね。

でも、菅さんはならなくて良かった。選挙に勝つために奥さんが土下座しているようでは、もう頼りにはならない。以前、選挙戦に協力して武蔵野市中を駆けずり回った思い出があるだけに、何だか悲しいです。
by masagata2004 | 2005-09-17 17:01 | 時事トピック | Trackback | Comments(0)


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