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これは司法ではなく、政治や外交で解決することなのだろう

Excite エキサイト : 社会ニュース

中国の元従軍慰安婦の女性が、国を告訴して賠償を求めていた訴訟が棄却され、原告側の敗訴となった。

裁判官は事実を認めたものの、法的な賠償請求権が時効であることを理由に原告敗訴としたのだが、それは既定の枠組みの中でしか判断を出せない司法としてはやむ得ないことかもしれない。もっとも、法律の専門家ではないから、何とも言えないが。

ただ、この問題、司法がどうとかの問題ではないだろう。要は政治的な決着をすべきだった。ドイツなどが被害者個人に補償をしていっているように、政治・外交問題としてとらえ、過去の清算をして日本のイメージを上げる。また、外交的立場を良くしていくという考えに沿わなければならない。これは現実的な国益のためだ。

他の国だって謝ってない国がある。負けたがためにとかいろいろと不平をいう人々がいるが、他の国、さしずめ勝った国がどうとかというのが免罪符にはならない。それに、日本は戦争に負けたという前に、始めたという責任がある。また、一般市民を巻き込むことは原爆と同様に当時の国際法違反でもあった。戦争を始めた国家としての自己責任がある。

早く、その自己責任を果たして隣国との関係を良くしていき、平和に貢献できる国家のイメージを構築していって貰いたい。このままではいつまで経っても、歴史リスクを背負いながら気後れ感を引きずり続けなければならない。

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by masagata2004 | 2006-08-30 20:43 | 時事トピック | Trackback | Comments(0)

くだらない、石原もオリンピックも

Excite エキサイト : 社会ニュース

2016年の夏季オリンピックの国内候補地が東京に正式に決まったとのことだけど、それがどうしたってことだよね。

だいたい、海外の他の都市との選考に勝たなければ、正式に決まったことにはならない。

ただ、目立ちたがり屋の石原チンタロウにとっては、お喜びのニュースなんでしょう。お嫌いな中国でオリンピックが行われるから、どうしても俺の街にもとかいう気分が少しでもはらせたかな。くだらねえ。

東京は、恐らく駄目だろうな。なんたって、ヒートアイランド現象が問題となって、選手の体にとって良くないとか揶揄されるに決まっている。石原は都知事として再出馬するらしいけど、そうなるともっとやばい。「三国人発言」などが取りだたされ、自らの存在が足を引っ張ることになる。国連のアナン総長も、日本の当局は対処すべきだとか指摘していたほどだもんね、石原の暴言を。

それにもう、オリンピックなんて時代ではない。オリンピックは毎回、商業化されていき、いわゆる資本の祭典とまで揶揄される始末。時代遅れの国にとっては国威発揚だ。万博と一緒で飽きてしまったね。

選考に最終的に勝つ秘訣、それは金の力だろうね。ということを考えると、またどれだけ、都民や国民の税金が無駄になるのだろうか。選考に負ける結果になったとしても、運動資金として金は湯水のようにかかってしまうのだから。

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by masagata2004 | 2006-08-30 20:28 | 時事トピック | Trackback | Comments(0)

映画「プッシーキャッツ」 頭を空っぽにしてみる社会風刺コメディ

はっきりいって、少女漫画を映画にしたようなお馬鹿ギャグコメディ。

MTV的なポップなミュージックとファンシーなセット。でもって、思いっきりのったおふざけが頭を空っぽにしてくれる。

話しは、3人の売れないロックバンドの女の子達が、怪しいマネージャーに誘われて大手CD会社と契約する。マネージャーは、彼女たちの音楽を一曲も聴かず、スターへの準備をしていく。不思議なことに彼女たちの曲は次々と売れ、あっというまに誰もが騒ぐ大スターとなる。

彼女たちは大喜びだが、どうしても腑に落ちない。しかし、実をいうとこれには驚くべきからくりがあった。

というストーリーであるが、そのからくりというのが、見事なまでの社会風刺となっている。

これ以下はネタバレになるので、今後見ようと思う方は読まないでください。


皆さんはサブリミナル効果という言葉を聞いたことはあるでしょうか。実を言うと、そのことがこの映画のテーマとなっている。

サブリミナル効果とは、無意識の刷り込みにより、聞き手を洗脳するという放送法でも問題となる宣伝手法。彼女たちが大スターになれたのは、これを利用したレコーディングのせいで、音楽を聴いた人が洗脳され、CDをどんどん買うというのだ。だが、それだけでなく、商品を買わせる洗脳もしていく。映画の中では、大袈裟に描かれていたが、日々の我々の生活にもはびこっていることだ。

身の回りは広告だらけ、何気なく見る広告に買う必要のないものを買ってしまう。商品の中身や性能を知る前にである。まさにコマーシャリズムに毒された我々の生活が、見事なまでに投影されている。実を言うとスターは、そういう形で作られてきたもので、我々がスターと思う人々は、実は、「スターと思いなさい」と誰かに洗脳されて思わされているのではと。

若者は、実に騙されやすい。だからこそ、若者は、自分をしっかり持たなければならないと。騙されていたい思いをする前に、というのが映画の与える教訓のようだった。おふざけを楽しみながら、そんなことを学べるとは感激ものだ。

ただ、我々が自我というものを持つということ、その自我自体が、すでに作られたものであるとも考えられる。

騙されないようにと何かをする行動こそが、すでに洗脳によって形作られたものであるとも言えるのだ。洗脳されている者は自分が洗脳されていることにさえ気付いていないから。

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by masagata2004 | 2006-08-28 23:33 | メディア問題 | Trackback | Comments(0)

思い出すサリン事件とドイツ人講師

「ヒットラー食堂」、改名を決定 | Excite エキサイト


08年3月19日追記:ドイツのメルケル首相が、イスラエルを訪問中にホロコーストに対して謝罪した記事にTBしましたが、以下のような経緯があります。

追記:ドイツ出身の豪サッカー選手がヒトラーの仮装をしたというニュースに対して、以下の記事をTBしましたが、元は、下記のような似たようなエピソードに対する反応記事です。


インド、ムンバイのレストランが、当初「ヒットラーズ・クロス」という店名にしていたのが多数の抗議の末、変更するに至ったとか。

こんなことは、ドイツやオーストリア、その他、ヨーロッパ諸国では許されないどころか、刑罰に処されることだ。

そのことで思い出したことがある。私がアメリカに留学中のことだ。

95年の1月だった。その時、東京の地下鉄でサリンガス事件が起こった。
そのニュースは海を越えてアメリカでも話題となっていた。

たまたま、選択科目としてドイツ語(初級)を取っていた私だったが、その科目を教えるドイツ人講師が、「今日は、あなたに関係のあることをお話しします。」と私の方を見て言った。講師は女性で、40代か50代だった。

話しは、ホロコーストでサリンと似たようなガスが使われ、多くの人々が殺されたことだった。
ドイツ人として、身の毛のよだつことだと語っていたのを覚えている。

その時は何だ、と思いながら、ドイツ人にとって、サリン事件は、ホロコーストを連想させる、そのくらい、民族の加害の記憶として語られていることなのかなと感じた。特にアメリカに住んでいる人だと、ドイツ人であることとナチスの暗い過去は、常に意識しなければならないのだろう。

帰国後、ドイツかオーストリアの映画で、ネオナチのような過激な集団によりウィーンの舞踏会でホールにガスがまき散らされ、ドレスアップされた人々が次々と倒れて殺されるようなストーリーをレンタルビデオで見たことがある。明らかに地下鉄サリン事件にヒントを得た話だった。

でもって、それに比べて、そう言う歴史に関して鈍感なのは我が国日本である。小泉首相の靖国参拝、歴史認識問題などなど、こうも堂々と間違った過去を正当化する態度は、同じ敗戦国としてあまりにも対照的だ。

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by masagata2004 | 2006-08-26 17:01 | 米留学体験談 | Trackback | Comments(0)

東京にいながら上海を想う

というのも、今日、新宿のしゃぶしゃぶ(火鍋)店に行ってきた。

そこは、中国人か台湾人が経営している店らしく、店員もお客も全て中国人か台湾人。会話は自分以外は全て中国語。店の中のテレビは中国語の西遊記を放送していた。鍋のソースも独特だ。ここは日本なのかと思うほどだ。

しかし、いい気分だった。2年前、上海を訪れた時のことを思い出した。上海でも似たようなしゃぶしゃぶを食べた。おいしかった。味付けの大胆さは、今夜体験したのと同じだ。

東京のど真ん中にいれば、海外旅行をする必要はない。いながら、海外を体験できる。

韓国人の店、フランス人の店、タイ人の店、チュニジア人の店、アラブ人の店、インド人の店などが珍しくない。

異国情緒があっていいなと思う。おかげでどんな時でも退屈しない。
by masagata2004 | 2006-08-25 22:15 | マサガタな日々 | Trackback | Comments(0)

暗黒への道を突き進む日本

私が時折見る、ビデオニュースで、労働問題の対談があった。

いつものインテリ・コンビとその道に詳しいジャーナリストが、派遣労働に着眼点を置いた対談を行っていた。

派遣というと若者の間ではイメージはいいのだが、実際のところ、企業のピンハネのいい口実にされていると。不安定で保証があまりない。最近では、派遣を雇える業種がかなり増えて、人件費カットにいそしむ企業がどんどん採用しだしていると。一方で派遣業界は、気楽さや若者のライフスタイルの多様性をうたい文句に、自らの正当性を強調する。

ただ、現代に限らず、この手のピンハネで稼ぐ労働形態は当たり前だったようだ。自動車の工場の労働者がいい例で、日本式自動車製造の代表とされるJust in Timeやカンバン方式は、実はこういう季節工に支えられてきたのだ。彼らは、仲介業者に搾取されている。

こんなひどい状態がずっと続いていながら、改善がなされず、また、最近になってひどくなっていったのは、日本の労働組合が社内だけのもので、欧米と違い同業者のつながりがない。会社さえよければいいという感覚が経営者のみならず労働者にもはびこっているからだ。

フランスなどでは、若者をターゲットにした初期雇用者の解雇を自由にできる法案に、年長者を含めた労働者が一斉に抗議、大規模な抗議運動が繰り広げられた。日本では、そんなことは起こらない。日本の年長者は、「今時の若者は」と文句をいうくせに勝ち馬に乗りたがる正義感のなさ。自分だけが逃げ切れればいいと思っている。

若者は大切にされない社会。いわゆる専門学校などでダンスや歌を教えるところがあるが、それらは、ダンサーや歌手を養成するためにあるのではない。夢見る若者を惹きつけて、金儲けをしようというところなのだ。さんざんいたぶられても、若者は、自分が夢を追ってフリッターだったりするのを社会のせいではなく、自分のせいだと思い込んでしまう。

若者の多くは結婚したくともできない状態。出生率は下がる一方。ピンハネする側とされる側の格差は広がるばかり。小泉政治が実態を悪化させ、そして、続く者共も自体を改善させる気配はない。もっとも、こんなピンハネや格差を容認する社会や経済はもつはずがない。既得権益で一番安定していたマスコミ業界でさえかなり危ないらしい。

と、全体に暗い内容だったが、まあ、世の中、こんなものでしょう。今までが良すぎたのかも知れない。それにグローバル化の時代だしね。そもそも終身雇用も高度成長期だって、労働者の大半はそのカテゴリに当てはまらなかった。あくまで大企業の大卒出だけ。

解決策としては、再配分主義でも新自由主義でもない第3の道を経済が模索することだとか。

それが21世紀の課題なんだろうね。

ただ、ちょっとこの対談でやだなと思ったのは、宮台が力説するところ。いわゆる勝ち組である。高収入で公立大の教員で、安定した職があって、まるで高見の見物をしているようにさえ思えた。まあ、そういう立場の方が、社会を見渡しやすいんだろうけど。

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by masagata2004 | 2006-08-22 22:14 | 時事トピック | Trackback | Comments(0)

大人になるということ Part 3 正論はまかり通らない

つまり、この世は地獄、弱肉強食であるということを理解すること。

どんなに正義を貫こうとしても、それが常にまかり通るとは限らない。

例えば裁判でも、結局のところ、正論言っている方が勝つとか、真実が勝つとは限らない。

民事であれば訴える原告に金がなければ、それだけで訴えることができない。訴訟をしたとしても、敏腕の弁護士を雇えるだけの資金力がある方が勝つ。人権派の弁護士というのは、たいてい無償でやっている場合が多い。

また、刑事で言えば、日本の裁判所は検察優位。有罪率99%。まあ、起訴されれば、必ず有罪。だから、検事が裁判官をやっているようなもの。日本の司法は江戸時代と変わらない。最もどこの国でも裁判で真実が暴かれ正義がまかり通るとは限らない。真実は神のみぞ知る。分かりうる範囲内で真実を探求するのが司法というもの。司法は完璧ではない。

また、大事なのは、裁判で仮に真実が暴かれ正義がまかり通っても、人は救われるかというと違う。民事の例で言えば、セクハラなどの訴訟で企業を訴え、仮に勝訴しても、企業を訴えたということで、その人は他から雇って貰えなくなる。会社を訴える人などどこも雇いたがらないからだ。別の社会的制裁を受けるということだ。

また、刑事事件で誤認逮捕で起訴され、かろうじて無罪を勝ち取っても、メディアに容疑者として露出したことによって、社会的には犯人として見られ続けてしまう。潔白が証明されたことがきちんと報道されるとは限らないし、また、されても疑い続ける人は必ず世間にいるので、どのみち、厄介なことが続く。

マスコミは、Part2で書いたように、記者クラブ、スポンサー、売上視聴率を意識した大衆迎合戦略のため、権力、資本、俗情に弱く、頼りにならない。真実を報じ、正論を論じるとは限らない。そんな振りはまあまあしても。

民主主義だから、正しい政治が行われるかというと、結局のところ、政治家になれるのは金やコネのあるもののみ。選挙といっても資金力があるものが優位。どんなに候補者が立派でもアピールするのに金が要る。結局金持ちが政治家になり、金持ち有利の政策がまかり通る。

選挙制度もいろいろとあり、必ずしも民意が反映されるとは限らない。過半数といっても、僅差だったりすれば、ほぼ同数の民意が無視されたことになる。

何よりも問題なのは有権者。市民が必ずしも正しい選択をするとは限らない。大衆が間違うことも多々ある。ナチスドイツがいい例。

また、個人ではなく国家単位、つまり外交の世界では、この弱肉強食原理はとても顕著だ。

アメリカのイラク侵攻がどんなに間違っていようと、誰もアメリカを止められない。
アメリカが支援するイスラエルも、さんざん批判されながらも、中東でやりたい放題。

日本は領土問題でロシア、韓国、中国、台湾。また北朝鮮とは核や拉致の問題を抱えて、周辺国と問題だらけ。特に首相の靖国参拝以来は中韓との関係は悪化する一方。

日本側は日本の主張こそ正論だと言うが、でも、正論が必ずしもまかり通りやしない。北方領土は還ってこないし、拉致された人も返されないだろう。政治家は、人気が落ちるのが嫌でバカの一つ覚えのような強硬論を打ち立てているが、でも、現実は過酷。

アメリカは助けてくれやしない。都合のいい時に利用するだけ。どこの国も自国益優先。国家は基本的に世界という無法地帯で自己責任で生きているようなもの。各国の上に立つ機関というのは実質的にないに等しい。国連があるというが、国連はないよりましという形で存在しているもの、役立っているとはいえない。渋々決議を出すというだけ。日本は、その国連に膨大なお金を出しながら、未だ敵国条項を外して貰えない。常任理事国なんて夢の夢。

結局、憎まれっ子、世にはばかる。渡る世間は鬼ばかり。

つまりこの世は不条理。不条理というゲームの中でどうやって生き残るかがテーマなのだろう。Part 4 へ続く。

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by masagata2004 | 2006-08-20 21:25 | ライフ・スタイル | Trackback | Comments(0)

小泉首相、よくぞやってくれた

Excite エキサイト : 政治ニュース

小泉首相が靖国参拝を強行した。この行為が皮肉にも、日本国民に過去に真正面に向き合うチャンスを提供したといえよう。

 11年前に当時の村山首相が村山談話などを出したが、国会決議は見送った。その後、敗戦総括はおざなりになってしまった気がする。だが、ここに来て、嫌でも日本人は過去に目を向けなければならなくなった。

 靖国参拝に反対の声を上げているのは市民団体だけではなくなった。保守的な財界でさえそうだ。なぜなら、中国という大きな市場で商売がしづらくなっているからだ。あの読売の「ナベツネ」でさえ反対しているほど事態は深刻なのだ。自国の経済の打撃となり、中国や韓国などのアジアと商取引などある仕事をしているとすれば切実な問題である。

 筆者は過去に敗戦総括を促す意味での記事を何度か投稿したことがある。様々な意見はあるが、日本社会が過去と向き合う姿勢はまだ十分であるとは言い難い。

 例えば、日本は真珠湾攻撃当時、ABCD包囲網で追い詰められ、「欧米各国の日本に対する経済封鎖」で戦争をせざるを得なかったという。しかし、その中のCは日本軍に侵略され、占領されている中国である。また、南京虐殺の免罪符として、中国がまず日本に謝罪しろと、通州事件を持ち出す人もいるが、通州事件が発生するまでの満州事変や濾口橋事件など日中戦争の文脈を無視し、日本人移民が中国大陸に入り込んでいった背景についても触れない。日本軍は日本国内、あるいは国境で中国軍と戦ったわけではない。海から1000km以上も離れている中国大陸の内奥にまで侵入して戦争を行っていたのだ。

 多くの国民が理解しないといけないのは、靖国参拝を嫌がっているのは、中国共産党という政権だけではなく、1人ひとりの一般中国人であるということだ。旧日本軍に恨みを持つ人々が日本との交流で折り合いをつけるには、日本が過去とは違うと認識させないといけない。

 本来なら一般市民以上にこの問題に認識を持たなければいけないのは、国益を最優先に考える政治家だが、日本の場合、政治家こそが国益を損なう行為を行ってくれている。その尻ぬぐいを一般市民がしなければならない。

 今回の小泉首相の靖国参拝は、強く反発している中国と韓国に限らず、他の国も日本のこの外交の難局を冷ややかに見ている。昨年ニューヨーク・タイムズが「無用な挑発」と指摘したように、首相の靖国参拝が日本の国際的な評判を落としている。日本のような資源や食料を他国に頼る国家は、外交が生命線なのはいうまでもない。

 だが、最も大きな損失は、我々自身がいつまで経っても過去のトラウマに悩まされ続けることだ。あの大戦の犠牲者は中国人や韓国人などの外国人だけではない。日本人も数多く犠牲になった。その犠牲と靖国神社とはどういう関係だったのか。戦前戦中の日本のイデオロギーを支える存在であり、そして今もなおそのイデオロギーを「祀り続けている」靖国神社を、現代の日本人はどう位置つけるのか。それは、外交問題ではなく、日本人自身の問題である。

 数百万という日本人の犠牲を本当に悼むのであれば、あの戦争の構造と責任を徹底的に洗い出し、議論し、二度と同じ間違いを繰り返さないようにすることこそが、トラウマを克服する最善策ではないのか。結果ばかりを嘆くのではなく、原因を探る時が来たのだと思う。

 首相の靖国参拝による国益の損失が、それを行う最大の機会ととらえることができる。

その戦争総括のためにも、私の自作小説をお暇なら読んでくださいな。
あの大戦と朝日新聞の責任、南京虐殺、日米戦争への道をストーリーとして描いています。

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by masagata2004 | 2006-08-15 10:21 | 時事トピック | Trackback | Comments(0)

自分で自分の首を絞める人々

中國と南朝鮮に実施していただきたい制裁(USOニュース)

それこそが上記の記事を書くような日本国民なのだろう。わけのわからないナショナリズムで重要な周辺国との関係を悪化させて自らを追い詰めているのである。

例えば、通訳という国際的な仕事をしている人で、反中、反韓のイデオロギーを掲げている人がいるが、それが、自らの職を危うくさせるということに気が付かないのだろうか。

英語の通訳などで在ればアメリカやイギリスが主な取引相手だと思いがちだが、彼らは中国や韓国のブリッジとして日本とビジネスをしたりすることが多々ある。自分のクライアントが、そういう国際ビジネスをしているのであれば、それが自分にどういう形でふりかかってくるかは容易に予想できるはず。私もかつて、上海での英語通訳の仕事を依頼されたことがある。

自分が周辺国に浴びせる口汚い言動がいずれ自分にもふりかかってくるかもしれないという想像力がない、何と哀れなことか。最後は神風が吹いて救ってくれることでも望むのか。
by masagata2004 | 2006-08-15 09:47 | 時事トピック

自作小説「白虹、日を貫けり」 第35章 総理の息子

テーマは、ジャーナリズム、民主主義、愛国心。大正時代から終戦までの激動の時代を振り返りながら考える。

まずは、まえがきから第34章までをお読みください。

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一九三八年九月

 穏やかな昼時、龍一は、バンド(外灘)の岸から船が行き交う姿を眺めていた。美しい石造りの建物が並ぶ貿易の街、上海を象徴する場所だ。
 今の龍一は、髪の毛を黒くして長袍(チャンパオ)と呼ばれる体を足下まですっぽりおおう男性用の中国服を着ている。自分は中国人になったつもりでいた。
 白人のリッチーはやめざる得なくなった。たった今、「クラブ・ホワイトリバー」を売り払う契約をしてきたところだ。買ったは、イギリス人だった。
 というのも、ここ三ヶ月、客足が急激に落ち込んだ。そして、その理由というのが、オーナーが実をいうと日本人であるということが噂として流れたからだ。噂は事実であり、否定しようもなかった。誰が、そんな噂を流したのか知る由もなかった。あの晩会ったチャーリーだとも思ったが、しかし、いずれこのことが知れ渡るということは覚悟はしていた。だが、こうも売上に響くとは思ってもみなかった。オーナーが日本人であることが問題だったのか、それとも、日本人でありながら、白人専用のクラブを経営していることに問題があったのか、いずれにしても、隠し事をしながら、人種差別的なことをしていた自らを今更ながら恥じた。
 買い手は、それなりの高額で買ってくれた。イギリス人の新オーナーは、自分の経営下では、人種差別はしないと断言した。龍一が、なぜ日本人でありながら白人専用のクラブにしたのか、不思議がっていたが、龍一は理由を話さなかった。
 龍一は晴ればれとした気分になっていた。また、新しいことをしようと。何をしようか、今度は中国人となり、中華料理店を経営しようかと。だが、そんなことをすればナイトクラブの二の舞になるかもしれない。
 揚子江から吹き込む心地よい風を浴びながら、ゆっくりと考える。この同じ河は、あの南京の川岸につながっている。ふと、そんなことが発想として頭をよぎると龍一は、急に岸から離れたくなった。
「白川さん、お久しぶりです」
と目の前に若い青年の姿が、歳は二十代前半といったところだろうか。この男は、龍一を知っているようだが、龍一には誰か分からなかった。
「私は白川だが、君は誰ですかな?」
「覚えていらっしゃいませんか。隆文です。近衛の隆文です」
 龍一は、はっと六年前の記憶が頭をよぎった。あの若き初々しい少年、近衛文麻呂氏の長男だ。確か、米国に留学し、名門プリンストン大学に入学したと聞いた。
「ああ、久しぶりだ。元気していたか。そうか、君は近衛家の嫡男、隆文君だ。しっかり覚えているよ。もうプリンストン大学は卒業したのかい」
 龍一は、思わぬ人物との思わぬ再会に感激した。
「はい、今は日本に戻って父の秘書をしています」
 父とは、内閣総理大臣の近衛文麻呂のことだ。
「しかし、どうして上海に」
と龍一がきくと
「あなたに会いに来るためです」
と隆文は言った。
「何だって?」
「ここでは何ですから、アスターホテルに行きましょう。今はそこに宿泊しています」

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 アスターホテルの窓からは、バンド全体の風景が眺められた。行き交う船、石造りの建物が整然と並ぶ姿など。
 今、龍一と隆文がいるホテルの一室が情報機関の仕事場になっているようだ。
 隆文は、ソファに座る龍一にお茶を差し出し、淡々と話を始めた。
「今、日本と中国は泥沼の戦闘状態に入っています。もう両国だけの問題ではなく、この大陸に利権を持つ欧米、とりわけアメリカとの関係が悪化していっています。近い内、衝突は避けられないでしょう」
 龍一は、日本から持ってきたらしい緑茶をぐいっと飲んだ。隆文は話を続ける。
「アメリカにいた時は、非常に辛かったです。日に日に反日感情が増していき、あのルーズベルト大統領も日本を文明社会を脅かす存在だと演説しましたから。日本は平和を乱す人道の敵だと人々は呼んでいます。日本製品のボイコットなんかが起こってますし、新聞では日本軍にどれだけの中国人が殺されたかなど連日のように書かれています」
 隆文の表情は、その辛い体験を表すかのように険しくなっていった。
「特に南京ではひどいことをしたようですね。捕虜や女性、子供を虐殺して、僕は友人から、ひどいことを言われました。日本人であることがまるで獣であるかのようにも思えてきました」
 龍一は、ソファから立ち上がった。思い出したくないことが、また激しく脳裏によぎる。何も言わず立ち去ろうとした。
「白川さん、お願いです。父があなたを必要としています。日本に来てくれますか。総理である父の補佐となっていただけますか。そのことを頼みに上海まで来たのです」
 隆文が呼び止めるように言う。
「そんなことを突然言われても、私が君のお父さん、総理である近衛閣下の補佐になれなど、とんでもないことを、私など何の役にも立たないよ」
 龍一は、同じような台詞を五ヶ月前ほどに誰かに言っていたことを思い出した。
「あなたは、中国状勢に詳しい方です。また、新聞記者として欧米にもいらしていました。中国や世界情勢を分析する能力は大変優れています。いろいろな人脈もおありでいらっしゃいます。父もあなたのことをとても信頼しています。あなたなら、父を救え、父を説き伏せることが出来ると思います。父は今、大変な苦境にさらされています。軍部の暴走をいかにして止められるかが大きな重責としてのしかかっています。どうか助けてください」
と隆文は、まるで龍一の体に釘を打ち込むような勢いで話した。
「君とお父様、閣下の気持ちはよく分かったよ。だけど、私にも事情があって、どうしても、そんな大それた仕事は引き受けられないんだ。もっとふさわしい人を見つけてくれないか」
 龍一は、跳ね返すように言い返した。
「白川さん、大西哲夫さんという方をご存知ですよね」
 はっと思わぬ人物の名が、隆文から放たれた。龍一は沈黙した。
「元先輩でいらして、治安維持法で投獄され、今は網走刑務所にいます」
「網走」という地名を聞いてさらにはっとした。北海道の極寒の地にある刑務所だ。
「何だって、どうしてそんなところに」
 思わず、口が動くのが止められなかった。
「大西氏は、政治犯の中でも札付きの存在ですから。かなり過酷な状態に置かれて、健康状態もかなりひどいと聞いています」
と隆文は淡々と話す。龍一は目から涙がこぼれそうになったが、隆文の前ではみっともないと思い必死に押さえた。
「今の父は、総理です。何なら大西氏をもっとましな状態におくこともできますよ」
と淡々と続けて言った。
 何としたたかな、と龍一は隆文を見つめながら思った。

第36章へ続く。
by masagata2004 | 2006-08-14 23:17 | 自作小説 | Trackback | Comments(0)


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