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価値観を画一化する悪しき催し

Excite エキサイト : 社会ニュース

なので、喜べません。ミス・ユニバース大会に日本人女性が選ばれたことで喜んでいらっしゃる方々、いけませんよ。この大会には以前から批判があります。その一つに、女性を見かけで判断して、品評会のようなものをしているということ。よくフェミニストの方々が文句をいう点です。

だが、私はそのことに大して関心はありません。問題は、それより別にあります。これは一種の欧米帝国主義的美的価値観の押しつけ行事である点です。

今回栄冠に輝いた森理世さんは、写真で見る限り、日本人の典型とされる体格ではありません。だから、日本人も世界基準に追いついたと喜ぶ輩がいますが、そもそも「美女」の基準なんて誰が作っているのでしょう。我々日本人は明治の近代化以来、欧米的価値観に自らを合わせることをモットーとしてきましたが、果たしてそれが正しいことだったのでしょうか。

やせ形で足が長い、そんなスマートな体格。洋服の似合う女性。それがいつの間にか美の基準となってしまいましたが、アラブでは太めの女性が美しいとされ、もてるため女性は油を飲むと言われています。トンガでは、太っていればいるほど女性は美しいものだとされているのです。

だから、ミス・ユニバースが世界の基準であるということではありません。間違っています。「ユニバース」というので、世界の基準と思わされますが、言い換えればミス・西洋基準なのです。だが、そういうのを流すメディアに、我々は欧米人の価値観を基準にものごとを考えさせられるように慣らされているのです。

ですので、こんな大会は廃止すべきです。また、やせめの女性が美しいという価値観は拒食症などの深刻な摂食障害を女性にもたらしています。はっきりいって不健康です。

敢えて美しい女性の世界基準をあげるなら、それは健康的であることでしょう。
そして、多様な価値観を尊重できる寛容さを持っていることではないでしょうか。

もうこれからは、多文化主義の時代です。時代遅れの欧米帝国主義イベントは廃止あるのみ。

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by masagata2004 | 2007-05-29 21:27 | ライフ・スタイル | Trackback | Comments(6)

憲法9条改正はまだまだ先

Excite エキサイト : 政治ニュース

とりあえず改正派だけど、こんなことを外国から言われる国じゃあ、駄目だわ。

「一方、田母神俊雄・航空幕僚長が「不発弾による(日本人の)被害も出るが占領される被害の方が何万倍も大きい」と同爆弾の必要性を強調した点について、同会議に出席していた英国のエルトン上院議員は「日本国内で使えば市民の犠牲は免れない。軍の論理より民間人への犠牲を最大に配慮すべきだ」と疑問を呈した。また非政府組織(NGO)の連合体「クラスター爆弾連合」のコーディネーター、トーマス・ナッシュ氏は「信じがたい発言。日本を占領できるほど軍事力を持つ敵だったら、クラスター爆弾程度で撃退できるわけがない」と語った。」

戦後、平和国家として出発したんじゃないの?

これじゃあ、「かつてのような軍国主義には戻らない」という言葉は、説得力ないよ。論理矛盾はなはだしい。

そういうことをきちんとできる自信を持ってからだね。9条改正とやらわ。

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by masagata2004 | 2007-05-26 18:28 | 時事トピック | Trackback | Comments(5)

小説で地球環境問題を考える Part 7

地球環境問題を小説で説いてみようと思って書きました。自作小説ですが、環境問題を考えるための記事と思ってください。

熱帯雨林を守ろうと奮闘する環境活動家と破壊を進める国家及び企業の対立から浮かび上がる不都合な真実。

まずはPart 1からPart 6を読んでください。

 集会の場所は、ホテルからタクシーで十分ほど行ったところにある市民会館だった。数百人くらいが入れる広さの講堂が使われていた。集まったのは、森の近くに住む農民たちだ。
 講堂の演壇では、集会のリーダーを務めるスワレシア人の中年男性が、演説を振っていた。
 由美子と健次と堀田は、席に座って中年男性の話に耳を傾けていた。
 演説は、政府公用語の英語と違い、地元の人たちが日常話すスワレシア語で行なわれている。
 堀田が、由美子と健次の通訳をしていた。堀田は、仕事で五年ほどスワレシアに住んでいた経験があり、そのためスワレシア語が理解できる。
「新しいダムができるとなると、私たちは土地を奪われ農業をやめなければいけなくなる。開発だとか国の経済のためだといって、似たようなことがこの国の各地で起っている。その度に、私たちの平和な生活は脅かされてるのだ。もうこれ以上我慢はできん。今こそ政府と対決すべきだ!」
と男は、大声を張り上げて言う。
「オー!」
と応える大声のかけ声が、講堂に響いた。
 
「いいか、明日、世界一だといわれるのっぽビルのオープニング・セレモニーにマラティール大統領が来る。あのビルに乗り込んで直接訴えてやるんだ!」
 由美子は、その式典に自分も出席する予定であることを思い出した。
 ガタン、っとドアの開く大きな音がした。それはあまりに大きく突然で、聴衆も演壇の男も、その場でぴたりと黙ってしまった。
 全員、入り口のドアの方を向いた。一人の男が立っている。若い体格のがっしりとした肌は茶褐色の男だ。現地の人のようだが、様相が全く異なる。
 何とも奇妙な格好をしている。現地の人々と違いシャツとズボンという服は着ていない。髪の毛は、両側を剃っているが、長くのばし背中で結んで垂らしている。着ているものは、上半身裸に腰巻きだけだ。首と腕に独特の模様をほどこした飾りを身につけている。足は裸足だ。まるで原始時代の人間の姿を思わせる。
 いったい、何者だという感じで皆、彼を見つめている。
 由美子は、ふと彼のような男の姿に見覚えがあると思った。確か、大学で写真を見て習ったことがある。世界の先住民の一員としてでだ。
「おまえ、何者だ。ペタンの者か?」
と演壇の中年男は英語で話しかけた。
 ペタン、それが、その民族の名前だったと由美子は思い出した。スワレシアの森に住む人達だ。一万年以上も前からの狩猟採集生活を守り続け、生きている人々で世界的にも、とても珍しい。スワレシアでは、人口の○.一パーセントにも満たず、彼らは熱帯雨林の中を移動して生活するため、現地の人々でもそんなに滅多に会うことはない。
「ペタン、ペタン?」
 そう小声で話す声が、各所で聞こえた。
「イエス・アイ・アム・ペタン。ネイム・イズ・ゲンパ」
 ペタンのゲンパという名前の人だと、たどたどしい英語で言っている。
「君はいったい、何の用でここにきた?」
 演壇の男は聞く。
「君たちと一緒に戦いたい。一緒に政府と戦いたい」 
「君と私達の戦いとどういう関係があるんだ」
と演壇の男はゲンパにきく。
「私たちは、森で暮らす者だ。今度政府がダムを作るから、森から出ていけと言われた。私たちは、はるか昔から森で暮らす者だ。森以外のところに住めない。住みかがどんどん減ってみんな死ぬかもしれない。だから、戦いたいんだ」
 聴衆が、騒めいた。
 由美子は、席から立ち上がった。自分も何か言わなくては。実際、そのために来たのだ。自分の会社の建てるダムのために多くの人々が苦しんでいる。自分が、彼らと一緒になって戦ってやるといえば、皆、心強いと思うかもしれない。図々しいと思われるかもしれないが、やってみようと考えた。
 ガタン、とまたドアの開く音がした。今度も何事だと人々は振り向く。すると、どっと黒い服を着た人々が波のように入ってきた。警察官たちだ。
「皆、そこを動くな。君達を逮捕する」
 警官隊のリーダーらしき男がそう叫んだ。
「なんで、逮捕されるんだ。おれたちは集会してるだけだぞ」
 演壇の男が言った。
[この集会の内容は、国家安全破壊防止法違反に当たる。よって、全員逮捕だ!」
 警察官二人が、演壇に上がり、男の両腕をつかんだ。
「やめろ、放せ。集会の自由を犯すな。何をする!」
 男は、床にひれ伏され、さっと背中で手錠をかけられた。
 警官隊は、銃とこん棒を出し、次々と聴衆を捕まえ、手錠をはめていく。抵抗する者も出、講堂の中は格闘ばかりの騒然な雰囲気となった。
「由美子、逃げよう」
 健次は、由美子の手を引いた。と、そのとき、バシっと、いう音がした。
「堀田!」
 健次が叫んだ。堀田がこん棒で肩を打たれたのだ。気を失って、床に倒れた。
「堀田さん!」
 由美子が叫んだ。
 突然、大男の警官が、がっと由美子と健次に体当たりし、覆いかぶさった。

一時間後
 由美子と健次と堀田は、警察署の一室でソファに座っていた。
 堀田は、気を失っただけで怪我はなかった。三人とも市民会館の講堂にいた村人と共に逮捕連行されたが、自分達が日本人と分かると即座、釈放された。
「俺は他の奴らと一緒に留置場に入るぞ。俺も仲間だ。こんなことは許されん。市民が政府の横暴に反発して何が悪い」
と健次が、目の前の小太りな警察署長に言った。
 由美子も、言った。
「そうだわ。こんなことは許されるはずないわ。みんな、ダムが建設されると生活に困るから、団結したんじゃありませんか。私たちだけでなく、みんなを釈放してください」
 すると、署長は言った。
「あなたたち、日本の人には関係ないことです。これはスワレシアの法律に基づいてやったことなのです。政府は、国家の安全を乱す行為があれば、それを未然に防ぐ義務があります。今度のことも、通産大臣からの命令によってなされたものです」
「通産大臣がですか?」
「そうです。明日はクアランコクタワービルのオープニング・セレモニーがあります。大統領が出席されるなか、奴らが乱闘してきては、たまりませんからな。そのうえ、産業発展のために大事なダム建設の妨害をしようとしています。これは立派な国家安全破壊防止法違反です」
 警察署長は、由美子たちをにらみながら熱弁を放った。
「でも、村の人は自分たちの生活を守る権利があります。ダム建設こそ、村人の生活を脅かす破壊行為では?」
 由美子も、負けずに熱をあげて言い返した。
「悪いですけど、お嬢さん。私とは、そのような議論はしないでほしい。するのなら大臣や官僚たちとしてください。私は命令に従っただけですからね。とにかく、あなたたちにはここを出ていってもらいます。日本に帰るなり自由にしてください。こっちはあなたたちの世話などしている暇はないのです。あまり世話をやかすと強制退去命令を出して日本に無理にでも帰させますよ」
 さっと、周りを取り囲むように三人の警官が来た。由美子たちは、それぞれ腕を引っ張られ警察署の外へ出された。   
「ちくしょう! 何しやがるんだ。俺は留置場に残ると言ってるんだ」
 健次が、玄関に向かって叫び声を上げた。
「おい、健次、さっさと帰ろうぜ。俺たちにできることなんてなんにもないんだ」
と堀田が言った。
「何言ってんだ! 何かすべきだ。それが正義というもんだ」
 その時、すっと目の前に黒いリムジンが停まった。
 一人の男が、後部のドアを開けて出てきた。
「由美子さん、ご無事でなによりです。迎えに参りました」
 英明だ。そっけない口調だ。
「わたし、帰らないわ」
 由美子は、英明をにらんで言った。
「いいえ、どうしても帰ってもらいます。明日は大事なクアランコクタワービルのオープニングセレモニーがあるのですから。あなたはお父さまの代理として出席する義務があります」
 由美子は、英明の言葉にはっとした。クアランコクタワービルのオープニング・セレモニー!
 由美子は、自分からさっとリムジンに乗りこんだ。英明が、後に続いてリムジンに入ろうとする。
「待って、健次と堀田さんも一緒に入れて、同じホテルに泊まってるんだから」
と相変わらず英明に睨みをきかせ由美子は言った。

Part 8につづく。
by masagata2004 | 2007-05-25 21:41 | 環境問題を考える | Trackback | Comments(0)

ドラマ「教習所物語」の精神はどこにいった?

Excite エキサイト : 芸能ニュース

上原さくらさんと言えば、私にとっては数年前に見た「教習所物語」というドラマに出演していたのを思い出す。物語は、運転免許所教習所に問題教習生達が入学する。その教習生達をみっちり教育する教官(水前寺清子)は、過去に交通事故で夫を亡くした経験を持つ。そのため、交通安全には恐ろしいほどうるさい。教習生達は、反感を抱きながらも、教官の気持ちを理解し、交通安全についてしっかりと学んでいく。

2時間版と3ヶ月のドラマ版と2つあり、さくらさんは、2時間ものでは教習生の役。3ヶ月ドラマ版では同僚教官役を演じた。いずれも、最初は不真面目だが、後半では真剣になるキャラを演じた。

コメディだったが、ドラマの中で水前寺清子扮する教官が「交通事故は被害者も加害者のどちらの人生も一瞬にして砕くもの。だからこそ、常に気をつけていかなければならない」という台詞が印象的だった。

というわけで、そんなドラマに出演したほどなんだから、無免許でスピード違反なんか起こせないんじゃないのか。ドラマでの役は所詮、演技だったんだろうけど、そこから何だかのことを学べなかったのか。

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by masagata2004 | 2007-05-23 20:15 | 映画ドラマ評論 | Trackback | Comments(0)

映画「噂の二人」 同じことが現代に起こっていたら

オードリー・ヘップバーン主演の女性間の同性愛、レズビアンをテーマにした映画だといえる。レンタル店でビデオを借りて見た。小学生か中学生の時に映画館で観た記憶がある。だが、当時は、そのテーマ性が全くつかめなかった。

ヘップバーン扮する女学校の教師カレンと共同経営者のマーサ(シャリー・マクレーン)は、生徒の悪意ある噂から苦境に追いやられる。噂とは、二人がレズビアンであるということ。生徒達は親に引き戻され、名誉毀損訴訟にも負ける。二人だけになったところで、マーサは実を言うと、自分がカレンに友達以上の想いを寄せていたことを打ち明ける。そして自分が汚らわしいと叫ぶ。結末はブロークバック・マウンテンに似ている。

1961年に制作された映画で、当時の社会情況から言えばかなり革新的なドラマだったといえる。同じことが21世紀の現代で起こっても、もしかして事情は同じかもしれない。

思い出せば10年ほど前、アメリカに留学していた頃、若者向け人気ドラマの「メルローズ・プレース」を見ていた。それにも似たようなストーリーがあった。それは、ある女性が親友の結婚を阻止しようと親友のフィアンセを誘惑して、婚約を解消させようとするが、すったもんだあって失敗。彼女は、親友に兼ねてからの想いを打ち明ける。だが、親友はこう言い返す。
「あなたレズビアンだったの? なぜそれをずっと私に黙っていたの。そのことで私たちの仲が駄目になるとでも思っていたの」と。親友がレズビアンであることよりも、そのことを隠していたことに驚いたという態度だ。

そして、こうも言う。「私もあなたのことが好きよ。ただ、あなたが感じているようにはいかないけど。でも、あなたは私の人生にとってはとても大事な人には変わりないことは知っていて」と。とてもあっさりしていた。時代は変わったということか。

まあ、いつの時代にも同性愛というのはあるはずなのに、要はメディアが描かないからないものか、あったとしても否定的に描くからあってはならないものだと人は思い込む。日本でいえば、NHKの大河ドラマがいい例だ。さんざん、戦国武将の人生を1年間も使い描きながら、何一つサムライ同士の同性愛、当時は男色とか衆道とか呼ばれていた人間関係を出さない。それというのは、明治以降の近代化で西洋の価値観に毒されたからか。キリスト教というセックス恐怖症の価値観に。

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by masagata2004 | 2007-05-19 00:37 | 映画ドラマ評論 | Trackback | Comments(4)

そりゃ当然の決定だろう

Excite エキサイト : 国際ニュース

イギリスの王位継承権3番目で従軍中のヘンリー王子のイラク行きが中止になったそうで。

いくら何でも、遠足じゃあないんだから、戦場に王子を連れて行かれたら周りが迷惑するだろうに。どうせ行かせるにしても、警護付きの特別扱いだろう。それさえもしにくい状況だから、中止したんだろうに。特別扱いなんて不公平っていうけど、そもそも存在が特別過ぎるんだから仕方ないわな。

まあ、日本の天皇家にしてもそうだけど、こういう人達って可哀想だね。

特別っていっても、周りが特別視するから特別になったようなもの。それも芸能人やスポーツ選手と違い、自分の意志や実力で特別になったわけでなく、生まれつきの単なる運によってそう定められたんだから。

何であれ、イラク戦争は間違った戦争であったのには違いないのだから、王子であれ一般民であれ、行くべきでないな。むしろ、除隊して反戦運動でもした方が国や世界のためにも役立つだろうに。そんな自由は許されないか。

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by masagata2004 | 2007-05-17 22:22 | 時事トピック | Trackback | Comments(0)

テレ朝出身なのに自民党候補

Excite エキサイト : 芸能ニュース

テレ朝の看板女子アナウンサー、丸川珠代さんが自民党の公認を得て参院に出馬するそうだが、どうもテレ朝からとは意外だ。テレ朝といえば、リベラル系メディアで反自民、一時の政権交代だった細川政権だってテレ朝が生んだといわれている。民主から出ると思ったが。

まあ、テレ朝にしろ、朝日新聞にしろ。所詮は政府御用達の記者クラブメディアだから、いざとなったら与党に就く。一部に反体制勢力がいたとしてもね。それに民主じゃずっと野党だろうし。

でもなあ、知名度勝負の選挙戦はもうやめて欲しいな。もちろん、政治キャリアに関わる知名度なら分かるんだけど。

ただ、日本はいつになったらまともな政権交代ができるのか。官僚と一体になっている自民党政権がずっと続いている。自民も民主も考え方は変わらないだろうが、要は、利権の腐敗パイプを断ち切るためメンバー入れ替えが必要なのだ。

何だか関心沸かないな。今度の参院選は。

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by masagata2004 | 2007-05-16 20:37 | 時事トピック | Trackback | Comments(0)

小説で地球環境問題を考える Part 6

地球環境問題を小説で説いてみようと思って書きました。自作小説ですが、環境問題を考えるための記事と思ってください。

熱帯雨林を守ろうと奮闘する環境活動家と破壊を進める国家及び企業の対立から浮かび上がる不都合な真実。

まずはPart 1からPart 5を読んでください。


一時間後、由美子は、ベッドに寝そべりかえり考えごとをしていた。
 ハワイでの五年間を振り返った。最初の一年は英語の勉強のため語学学校にいた。そして、あとの四年間はハワイ大学の学生として学んでいた。専攻は、環境学(Environmental Studies)というものだった。
 環境学とは、地球の自然環境や生態系の仕組みを学び、その保護についての研究を行う学問である。近年、環境問題に注目集まっているため人気が高まっている専攻でもあった。
 環境問題には、様々なものがある。熱帯雨林の伐採による地球資源の消滅だけでない。工場や自動車の煙から出る有害物質が雨と混じり地上に落ちる酸性雨。雨として降り注がれる水滴は、土の養分を消滅させ植物を枯らし、川や湖に落ちると魚貝類を死滅させる。
 また、工場や自動車から排出される大量の炭素ガスは、大気中に出ると本来宇宙へ放される地上の熱を閉じ込め地球の温暖化を引き起こす原因となる。その上、熱帯雨林などの植物が減っているため、それらの炭素ガスを吸収し酸素に変える自然の作用も働かなくなり、増々温暖化に拍車がかかっているのだ。
 それによって北極や南極の氷が解け海面が上昇する。海面の上昇により、人の住む陸地の多くの地域が、水没の恐れにさらされるのだ。そして、温暖化によって変わった地球の気候は、これまでにない規模の台風や洪水をもたらす。
 またフロンガスの問題。スプレーの噴射剤や冷蔵庫の冷却剤として使われてきたフロンガスが使用後、空中に放出され化学反応を起こし行なわれるオゾン層の破壊。オゾン層は、大気圏より上空にあり、太陽から送られる有害な紫外線を吸収する役目を持つ。破壊されれば直接多くの紫外線が人体に当たることとなり、人々は皮膚ガンなどの危険にさらされる。すでに世界的に使用は禁止されているが、これまで上空に放出されたフロンガスが多量にあり、未だ影響力が懸念される。
 実際問題、地球の環境破壊は、恐ろしく深刻で、科学者の間では二十一世紀半ば頃には地球は人間の住める環境ではなくなるという予測があるほどだ。つまり人類の滅亡が近いとまでいわれている。
 環境学で学ぶ範囲は非常に幅広く、生物学から政治・経済学に及んだ。環境問題を語る上で、政治や経済の問題を無視して通ることはできないのだ。環境破壊の元凶は、国家や企業の経済利益拡大の名目に行なわれる開発に由るところが大きい。
 由美子が、環境学を専攻として選んだ理由は、自然を大切にするハワイの人々の心に共感したからだった。ハワイは、二十世紀初頭観光地化が進むなか、同時に自然破壊も著しく進んでいったところである。そのため、これ以上の自然破壊を防ごうと環境保護運動も盛んとなっっていった。そして、エコツアリズムといわれる環境保護と観光産業を両立しようという考えが近年になって生まれてきたのだ。
 いろいろな対策が設けられている。たとえば、観光バスが一時的であっても停まる時にはエンジンを切らなければならない。余分な排気ガスを出させないためだ。飛行機でアメリカ本土や外国から来る観光客は持ち込める植物に制限が加えられる。ハワイ原産の植物の種を守るためだ。また、環境を汚さない電力として、太陽熱や風力による発電が試みられている。
 由美子は大学にいたとき、さまざまな環境保護運動に参加していた。ゴルフ場建設の反対運動、空港の滑走路拡張工事の反対運動、熱帯雨林を伐採して造る地熱発電所建設反対運動などに参加した。運動に参加する度に、正義のために戦ったいう充実感を由美子は感じ、環境保護運動こそが自分の生きて行く上での使命と感じるようにさえなった。
 その意味でハワイでの生活はすばらしいものだった。その上、由美子は恵まれていた。父親の持つ別荘に住み、オープンのスポーツカーで大学に通った。天気はいつも晴れ、眺める海はエメラルド・グリーンに輝き美しい。
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 週末や休みの日にはビーチでサーフィン、ジェットスキー、パラセーリングなどのマリンスポーツを楽しんだ。また、友達を別荘に呼んでパーティをたくさん開いた。
 大学の実地研究として、ハワイ島にある世界一高い火山マウナ・ロア山に登る探険。ハワイのみならず、飛行機に乗って本土西海岸のサンフランシスコ近郊にあるヨセミテ国立公園、中米の熱帯雨林なども探検した。 
 遊んだり、学んだりと楽しいことばかりであった。しかし、こんな夢のように恵まれた生活もすべて大実業家の父、清太郎のおかげだったのだ。父親の仕送りとクレジットカードで何不十なく生活してきた。だが、清太郎が、そのために何をしていたのか関心を払うことは由美子には、全くなかった。
 生まれたときからそうだった。母親は自分を生んでからすぐに死んだから、親といえば身の回りの世話をする家政婦か、唯一の家族である父、清太郎でしかなかった。
 清太郎は、誕生日など、ことあるごとに自分にプレゼントをくれた。いつもそれは高価で美しいものだった。おもちゃに洋服、おいしいお菓子、それらは由美子の小学校の友達が羨むものばかりだった。
 中学に入ってからは、私立の女学園に通うこととなった。メルセデスベンツの送り迎えが常だった。学校の中で彼女は重宝がられた。清太郎が由美子の学園に多額の寄付をしたからだ。
 だが、そんな生活が、すべて父親の会社が得る収益によって満たされてることなど、考えてもみなかった。それはとても当たり前のことだったが、当たり前過ぎて由美子は決して意識することがなかった。
 清太郎は、自分の愛する「お父さん」であり、それ以外の事業家としての父に関心を払おうとはしなかった。
 だが、由美子は今になって、ある一つの現実に直面させられていた。自分の今までの優雅な生活は、父親の事業によって支えられてきたものであったこと。その事業は、自然破壊という自分のもっとも憎むべきことにずっと関わってきたことだったのだ。父の会社、明智物産は日本でも指折りの総合商社だ。「明智財閥」とさえいわれている。様々な開発事業を請け負ってきた会社でもあるのだ。
 明智物産の手により、森が切り開かれ、その土地にビルや工場や発電所が建てられ、完成した工場や発電所からは、多量の炭素ガスが放出されてきた。
 事業内容はマスコミなどで聞かされ知っていたが、自分は今まで無関心だった。関心を持とうともしなかったのだ。もちろん、環境学の講議で企業と環境問題の関わりあいを学ぶ時に考えざるは得なかったが、環境破壊をやっている企業は明智物産だけではない。父の会社だけ責めても意味はないと思っていた。
 由美子は、凄まじい罪悪感に襲われた。自分が今まで愚かな偽善者をやっていたことを思い知らされた。
 しかしもっとも、父親が、自分と会社のためにしてきたことを今さら責めたとしても仕方のないことだ。これは環境学でも習ったことである。資本主義を基盤とした現代の経済活動においては当然のことなのだ。利益追求に明け暮れる企業にとっては、開発が優先され自然保護など眼中に入らないのだ。
 由美子は、大学でそんなことを学びながら、正義感からか、そんな社会のシステムを憎んでいた。しかし、自分が誰よりもその中にどっぷりと組み込まれていることに目を向けていなかった。理屈では、格好のいいことを唱え分かっていたものの、結局、現実に直面するのを恐れていた臆病者でしかなかったのだ。今、その現実に直接触れさせられているのだ。
 ベッドに寝そべってから、四、五時間が経っただろうか。その間、ずっと由美子は、考えごとを続けていた。
 トン、トン、と誰かがドアをノックする音が聞こえる。
『誰?』
 由美子は、元気のない声で言った。
「俺だよ、健次だ。由美子、開けてくれよ」
「健次!」
 由美子は、さっとベッドから立ち上がると勢いよくドアを開けた。
 健次は、由美子の顔を見ると言った。
「さすが、スイートルームだな。財閥のお嬢様だけはある。さっきはどうしたんだ、突然飛び出して? お前一人でジープを使って帰ったから俺たち迷惑したんだぞ」 
 由美子は、健次の顔を見ると、
「健次・・・」
と大声を上げて泣き出してしまった。
 由美子は、今までのいきさつをすべて話した。
「やっぱりな。それが会社ってもんだろう。いくら君が社長の娘っと言っても役員でもないから何の権限もない。君が悪いんじゃない、それが社会の仕組みというもんなんだ」
 健次は、必死で由美子を慰めた。
「ところでだが、俺たち一行は帰らなければいけなくなった。森に入れないんじゃ、調査のしようもない」
「そんな、帰っちゃうの?」
「このままここにいても仕方ないだろう」
「でも・・」
 由美子は、無性に悲しくなった。
「そうだ。俺たちさ、せめて帰る前に地元の人たちの集会にでも出ようかと思って」
 健次は、急に明るい調子で話した。
「集会?」
「そうなんだ。今夜あるんだ、この近くで開かれるらしい。あの森の近くに住む地元の人たちが反対運動しようって来てるんだ。ダムができるため彼らは立ち退きを言い渡されているのさ。そういうわけでさ、どうだ、一緒に行ってみないか?」
 由美子は、しばらく黙りこんで考えた。そして、
「ええ、是非とも行かせて」
と答えた。

Part 7へつづく。
by masagata2004 | 2007-05-12 20:50 | 環境問題を考える | Trackback | Comments(0)

川田龍平さんと握手しました

今朝、いつも出勤に利用する駅前で演説していた川田龍平さんと出会い、握手をしました。

ご存知の通り、薬害エイズ事件でエイズ感染をしてしまった人です。

もちろん握手で感染などしませんから、堂々と握手をしました。

世の中が少しでも良くなるようにという願いを込めてしました。

演説は参院選出馬の表明でした。

ちなみにこんな本を最近出版されたとか。

頑張ってくださいね。
by masagata2004 | 2007-05-09 22:32 | マサガタな日々 | Trackback | Comments(1)

自作小説「北京の恋」 第2章 我有愛人

北京を舞台とした短編恋物語。筆者の実際の体験を基にしたストーリー。

まずは序章をお読み下さい。

 王というのは名字で、老師(ラオシ)というのは年寄り若いにかかわらず「先生」という意味である。ちなみに中国語で「先生」は男性の敬称として使い、英語で言えば「ミスター」に当たるのだと王老師に説明を受け雅夫は驚いた。
 雅夫は、彼女を王老師(ワン・ラオシ)と呼ぶことになり、彼女は雅夫の名字の中国読みの「中島(ゾンダオ)」と呼ぶこととした。
 王老師は、まず教科書を雅夫に提供した。初日の授業は、定番の挨拶と中国語を習う上で重要な発音と声調の練習である。
 中国語の最大の特徴といえるのがこの声調である。声調は四パターンある。第一声が高い音を平坦に流すもの。第二声が下から上へ調子を上げていく発音。第三声が下がったと思うと上げる調子。第四声がさっと下がる感じである。日本語で同じようなパターンは、第一声は驚いた時の「キャー」、第二声は、これも驚いた時の「アレー」といった感じ、第三声はがっくりした時に言う「あーあ」といった感じ、第四声は、軽く驚いた時の「まあ」といったところだろうか。
 この声調の違いを習得することが最も重要だと言われる。声調が違うと意味が全然変わってくる。これを聞き分け且つ話し分けないと全く意志の疎通ができない。例えば、「マー」という発音を取ってみても、第一声だとそれは「年上の女性」という意味で第二声だと「しびれる」を意味して第三声だと「馬」 を意味し第四声だと「ののしる」という意味になる。ほんの一つの字の読み方が意味をがらりと変えてしまう。
 老師の発声に続いて、雅夫は繰り返し発声した。間違えると老師は指摘して、やり直す。挨拶と声調。一時間毎に休憩を十分ほど取り、昼食には一時間という具合で、その日五時間の授業は終わった。
 だが、王老師は、雅夫に自室に戻り、練習をやり直すように指示した。
 雅夫は、自室に戻った途端、その日の衝撃的な出会いを振り返った。彼女の唇を何度となく思い出した。美しい唇だった。白い肌に赤い唇。モデルか女優のように美しい顔。授業には集中していたが、ずっとその美しさにも見とれていた。
 こんなことまで考えてしまった。いっそのこと彼女に結婚を申し込もうか。彼女を日本に連れてきて、いや、彼女とこの北京で暮らしてもいい。そうだ。そして家庭を築くんだ。子供も作るんだ。そんな人生プランまで思いついてしまい、その日は一晩中、王老師とまさかの結婚生活に思いを巡らした。
 練習そっちのけになりそうだったが、雅夫は真面目にもなり、そんな夢が実現した場合のためにも彼女の言葉で会話ができるよう中国語をしっかり習得しようと発声練習に専念した。
 翌日の授業は、午前中は前日の続きで発声練習と挨拶だった。昨日よりうまくなったと褒められた。
 午後は、新しい会話の練習となった。昨日習った「イ尓好ニーハオ(こんにちは)」「謝謝シェイシェイ(ありがとう)」「再見ツァイチェン(さようなら)」という挨拶より踏み込んだ会話の常用句だ。
 よく使う言葉として「有(ヨウ)」という動詞を教えられた。これは日本語と同様に、「ある」とか「持っている」「所有する」という意味がある。それの否定形として「ない」「持っていない」という場合は「没有(メイヨウ)」という言葉を使う。例えば「私はノートを持っている」は中国語で「我有本子」という。持っていなければ「我没有本子」である。また、相手がノートを持っているかいないかを訊く場合は「イ尓有没有本子?」と言う。買い物ではよく使う表現だ。二人でキャッチボールのように「何々ありますか」「はい、あります」「いいえ、ありません」という会話の練習を対象となるものの言葉を変えながら繰り返した。
 日本語は中国から数々の漢字を採り入れたため、日本語と共通の意味を持つ字もあれば、同じ語句なのに、意味が微妙に違うものもある。その違いに驚きを感じざる得ないものもある。それは家族関係を表す言葉を学ぶ時に知った。「愛人(アイレン)」という言葉だ。
 日本語では、とてもどぎつい意味が込められている。つまりは、結婚している男性が妻以外に関係を持っている女性。別の言い方をすると「情婦」だ。
 だが、中国語ではこれは配偶者を意味する。つまりは女性にとっては「夫」、男性にとっては「妻」だ。これはとても驚きであった。同時に使うのが何だか恥ずかしくも思えた。しかし中国人は普通に「夫・妻」として使っているのだ。
 雅夫は、言葉と会話の練習をしながらふと思った。まだ会って二日目の彼女に対し、彼女の個人的なことを訊くのは失礼ではないか。特にここは中国だ。男女関係の礼節は、日本以上にわきまえないといけない。その上、先生と生徒の間柄、明らかに彼女の方が若いが、敬意を示して接しなければいけない相手だ。そのことを考えると訊きにくい。彼女から話す気配もないから、訊かない限り、彼女自身のことを何も知らず日々を過ごしてしまうかもしれない。それでは何だかもったいない。これからずっと二人だけでいれるのに。
そう考えながら、どうしても訊いておきたいことを中国語で訊こうと考えた。昨日の授業が終わってからずっと最も気になっていたことだ。会話の練習の振りをして訊くのだ。
 雅夫は、王老師の顔を見つめながら真剣な面持ちで言った。
「イ尓有没有愛人?」
 王老師はさっと答えた。
「我有愛人」
 雅夫の夢は、一瞬にして崩れさった。

第3章へつづく。
by masagata2004 | 2007-05-04 19:51 | 自作小説 | Trackback | Comments(0)


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