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小説で地球環境問題を考える Part 13

地球環境問題を小説で説いてみようと思って書きました。自作小説ですが、環境問題を考えるための記事と思ってください。

熱帯雨林を守ろうと奮闘する環境活動家と破壊を進める国家及び企業の対立から浮かび上がる不都合な真実。

まずはPart 1からPart 12を読んでください。

 由美子は、目を覚ますと、服を着たままベッドの上で寝そべっていた自分に気付いた。もう朝だ。窓からまぶしい朝陽が入り込んでいた。
 時計を見ると午前六時だった。しまった、と思った。この時間にロビーでみんなと待ち会わせる予定だったのだ。
 とにかく、起き上がった。急いでバスルームに駆け込んだ。服を脱ぎ、シャワーを浴びた。
 五分ほどして、シャワーを止めると、タオルで体をさっと拭きバスルームを出た。
 新しい服に着替えながら、昨夜のことを思い出していた。昨夜は、夕食の後、部屋に戻って、ずっと健次を待っていたのだ。
 だが、待てども、なかなか彼は現れなかった。気が付くとベッドの上で自分は寝込んでしまっていた。
 どうしたのだろう。忘れてしまったのか?もしかしたらそうかもしれない。昨夜は、皆疲れ切っていた。前日の森の探索に続き、サンプルの分析と今日の探索計画の打ち合わせが続き、心身ともに神経を張り詰めた状態にいた。自分だって、待ちながら寝込んでしまったほどだ。きっと健次も、ちょっと休むつもりが、朝まで寝込んでしまったのだろうと思った。
 とにかく、急いで、ロビーに行くことにした。みんなが待っている。そこに健次も来ているはずだ。
 服を着終わると、由美子は走ってスイートルームを出た。
 エレベーターに乗りロビー階のボタンを押した。エレベーターは、どんどん下に下がっていく。
 由美子は、心配になった。腕時計を見ると、約束の時間より十五分も遅れている。健次は、時間にうるさい男だ。もしかしして、自分を置いて隊員達とさっさと出かけていったのかもしれない。
 エレベーターがロビー階に着くと、さっと降り走った。
 見覚えのある仲間たちが立っているのが見える。
「おはよう。みんな、ごめんなさい。遅れてしまって」
 由美子は、苦笑いをしながら、みんなに声をかけた。
「あ、おはよう、由美子さん。あれ、健次は、一緒じゃないのかな?」
 堀田が顔をしかめて言った。
「え、彼、まだ来てないの?」
 見ると、皆来ているのに、健次は、ここにいない。
「由美子さんとずっと一緒だと思ってたんだがな?」
「え? 昨日の夜、わたし、ずっと待ってたけど、彼来なかったのよ。堀田さん、健次と同じ部屋だったんでしょ?」
「ええ、でも、健次は、僕が部屋に戻ったときにはいなくて、てっきり、由美子さんの部屋に行ったのかと・・」
 皆、騒然となった。大事なグループのリーダーが行方不明となったのだ。

 健次は目を覚ました。顔に水滴がぽとっと落ちたのを感じた。
 は、ここはどこだ? 自分は体を横たわらしている。体の下には、草や葉で作られた敷き布団のようなものがあるのを感じる。目を開き真上に見えるものは空ではない。木の枝と葉で作られた天井のようだ。ここは、人間の作った小屋の中のようだ。作りはかなり原始的だ。辺りは暗くない。もう夜中ではなく、昼になっているようだ。
 ザー、ザー、と激しい雨の降り注ぐ音が聞こえる。これは熱帯地方特有の雨、スコールだ。短時間に滝のように降り注ぐ大雨だ。
 ポタ、ポタっと、水滴が健次の顔に落ちてきた。雨漏りだ。天井から、水の雫がどんどん落ちてくる。健次は、体を動かして、よけようとした。だが、体が思うように動かない。体が、重くて動きにくいのだ。何だか体中に熱を感じる。かなり気分が悪い。
 ああ、そうだ、自分は、コブラに噛まれ死にかけているのだ。もうだめだ。誰がこんなところに連れてきたのか知らないが、自分はすでに死ぬ身にあるのだ。死の恐怖が、健次を襲った。
「目を覚ましたのかい? 大丈夫かい?」
と英語で、誰かが自分に話しかける声が聞こえた。誰だ? と思いつつ、健次は、力を振り絞り叫んだ。
「ノー、ヘルプ、ミー」
 その人物は、健次の体をさっと動かした。すると、雨漏りの水滴が、顔に当たらなくなった。     
「すまないな。天井に穴が開いてしまって。ところで気分は、良くなったかい。そうだ、もう一杯薬を飲ましてやるよ。まだ、気分は悪いだろうが、じきに良くなるさ。この薬は効くんだから。現に、今生きていられるのもこの薬のおかげさ」
 健次の口に男が木でできたコップのようなものを近付ける。健次は喉が乾いていたせいか何の抵抗もなく口を開くと、コップからどろっとした液体のようなものが流し込まれた。味を感じる前に、どんどん口から喉へと流れていく。
 健次は、目を開き男の顔を見た。気分が悪いから、ぼんやりとしか見えないのだが、この男の顔には見覚えがある。どこかで会ったことがあるはずだ。目、鼻、口などの細かい部分がぼやけていても、輪郭、それに頭の両側を剃り真ん中でまとめた特徴ある髪型には、見覚えがある。
「ゲンパ、ゲンパだろ。俺、君をクアランコクの市民会館で見たよ。やはりここに住んでいるんだな。ところでだが、どうして俺はここにいるんだ? 俺は蛇に噛まれたはずだが、どうなったんだ?」
と健次は英語で話しかけた。
 ゲンパは、言った。
「君が、蛇に噛まれて死にそうだったところをたまたま仲間が見つけた。急いで、薬を飲ませ、解毒した。今、毒は消えたが、体の痺れだけが残り苦しいんだ。だが、それもじきに治まる。安心してくれ」
「コブラの毒を解毒したのか」
「そうだ、我々部族が古くから使っているものだ。草をまぶし液体にしたものだ。コブラの解毒だけじゃなく、他のいろいろなな病気になったときに効く」
「何だって、血清ではなくコブラの毒を解毒する薬を草から取ったって? そんな草どこに生えているんだ?」
「木に登ると見つかるさ。木の上の方にある枝に生えてる草さ」
「木の上に草が生えている? そうか、鳥や風が種を運び空から落ちてきて寄生する植物だな!」
 健次は、ついさっきまで重苦しかった体と気分がどんどん軽くなっていくのを感じた。

 由美子は、スイートルームで窓の景色を眺めていた。
 激しい雨が、降りしきっている。そのスコールを見ながら、抑えがきかないほど不安な気持ちで一杯だった。
 今朝は、大混乱だった。ホテル中を探し回ったが、見つからなかった。警察を呼ぼうとも思ったが、騒ぎを大きくするのは良くない。何か特別な事情があって、健次が伝言を残さずどこかに出かけたとも考えられるのだ。
 いずれ由美子か隊員の誰かに連絡を入れるかもしれない。今日一日はそれを待とう。そういう結論になり、当然のこと、今日の森林探索は中止となり、一同は健次からの連絡を待つこととなった。
 由美子は、嫌な予感がしてならなかった。今回の森林探索は、当初から様々なことが絡み合い、きな臭い雰囲気が常につきまとうのだ。
 まさか、健次の身にとんでもないことが? 由美子は、目から涙がこぼれてきそうだった。ハワイで過ごした健次との日々が思い浮かべられる。楽しかった二人だけの思い出が。まさか、まさか。

 健次は、気分がすっかり良くなり、ゲンパと顔を向き合いながら座っていた。空は、真っ赤に焼けていて今は夕方だ。腹が減っているのを感じてきたる。むんむんと湿気をたっぷり含んだ生暖かい空気が体を包んできて、とても心地よい。そんな心地良さが空腹感を誘う。
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 健次は思った。今まで、何度かインフルエンザや胃潰瘍などで病気をしてきたが、その後の病み上がりの状態が、今以上に心地良かったことはない。数倍の解放感を感じるのだ。コブラの毒から解放されただけでなく、体の他の部分も癒されたような気分だ。むしろ、以前よりも体の状態は良くなった感じがする。自分が飲まされた草の薬は、ただならぬものだと確信した。
「ゲンパ、こんな薬があったことをどうして君達は世間に知らせなかったんだ? コブラの毒を血清以外に解毒できる薬が森の木の上にあったなんて!」
 健次は感動を込めて言った。
「僕達にとっては、毎日、普通に使っている薬草さ。外の人達が珍しがるとも思えない」
「ああ、そうだな。だが、もしこの薬草にとんでもない効果があれば、君たちの住む森も守れるかもしれない」
「さあ、ケンジ、腹が減ってるだろう。妻と母ちゃんが、おいしい夕飯をこしらえてやる。明日になれば、おまえを町へ帰してやるからな。その前に元気をつけるんだ」
 健次は思った。何が何でもゲンパ達の住むこの森を守らなければ!

Part 14につづく。
by masagata2004 | 2007-08-28 21:40 | 環境問題を考える

ドイツ映画「グッバイ・レーニン」 ドイツ人なら大感動

するだろうと思う映画だ。

最近、ドイツでは、統一前の東ドイツ時代を懐かしむ映画が流行のようだ。「善き人のためのソナタ」という映画もそうだった。

東西が統一してからはや17年にもなろうとしている。東ドイツは、ある種の伝説となったみたいだ。

この映画の物語は、ベルリンの壁崩壊前後の東ドイツが舞台で、社会主義に忠誠を誓う母親が息子の反体制デモ参加を見てショックを受け昏睡状態に、意識が戻った時はベルリンの壁は崩壊、そして、西側の文化が東側にどっと押し寄せている。意識が戻っても、心臓が不安定な状態の母にショックを与えまいと、息子は状況の変化を隠し続けるのだが・・・

映画は、悲しいようでややコミカルな部分もある。社会主義から解放された東ドイツ人のとまどいが、見事に風刺された形だ。

最後は東西統一のシーンとなるが、それこそ、まさにドイツ人にとっての最大の感動の瞬間だったのだろうということがよく理解できる。

ドイツは、2度の大戦に敗れた国だ。あのヒトラーという指導者を生み、ホロコーストという人類史上最大の殺戮を行った国家でもある。戦後は、東西冷戦にもろに巻き込まれ、民族を分断されるという悲劇も体験する。しかし、そんな民族だからこそ味わえる感慨があるということを学ばされる。

この映画はレンタル店のドイツ映画のコーナーで見つけ借りたのだが、同じコーナーに「オペレーション・ワルキューレ」という映画もあったのでレンタルした。これも見物だ。まだ、全部は見てないのだが、見た後に同じく感想文を書きたい。主人公はヒトラー暗殺計画を実行した将校の物語で、何でもトム・クルーズ主演でハリウッド映画が製作中だとか。借りたのは、ドイツ人が作ったものである。

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by masagata2004 | 2007-08-27 23:38 | 映画ドラマ評論

朗読CDで「元始、女性は太陽であった」を聴く

CDを買うと言えば、普通、ロックやジャズなどの曲や歌の入ったものを聴くものだが、最近は初体験として、朗読CDを買った。CDのタイトルは「君死にたまうことなかれ」で、与謝野晶子、平塚雷鳥、津田梅子などの明治から大正にかけての女性著名人が書いた文章を栗原小巻が朗読したものだ。

特に惹かれたのは、婦人参政権運動家の平塚雷鳥が発刊した「青鞜」の創刊号で書き記した「元始、女性は太陽であった」の朗読だった。

「元始、女性は太陽であった。今、女性は月である。他によって光る青白い病人のようである。隠れた太陽を取り戻そう。」というフレーズが何度と繰り返される。

実に勢いのある文章である。心がこもり、抑圧から解き放とうと必死にもがく女性達の心情を分かりやすく描いている。この「太陽である」という言葉は、自ら輝ける自立したという意味意外に、古代の天テラス伝説に起因するものと言われている。

日本の女性は、戦後、米軍の民主化政策によって解放されたという言説がよく聞かれる。つい最近もブッシュ大統領が、「日本女性に参政権を認めるのには批判があり、夫に従順過ぎる女性達は政治的な自立思考ができないと言われていた」と演説をしたらしいのだが、これは間違いである。確かに、戦後の民主化により女性の参政権が認められ、その後、地位向上が進んでいったのだが、それはアメリカによって初めてもたらされたものとは言えない。

平塚雷鳥氏のような運動家が、戦前から必死の思いで築き上げたものが、戦後、大きく華開いたものだったと言える。大正時代、大正デモクラシーと呼ばれる民主主義運動が盛んで、所得に関係せず成人男子が投票権を得る普通選挙法が成立した。また、女性の場合で言えば、女性が政治集会に参加することを禁じた治安警察法も、雷鳥や市川房枝氏などの運動の末、改正させることができた。

参政権で言えば、昭和に入り、1930年、衆議院だけだが女性の地方議会の選挙権を認める法案が通過している。ただ、貴族院の反対により廃案にされたのである。翌年、満州事変が起こり日本が軍国化していってしまい、結局のところ滞ってしまった。もし、戦争がなければ、日本女性だけで勝ち取ることができたのかもしれない。それだけ、当時、婦人参政権運動の機運は高かったのだ。また、戦後の公職選挙法改正による婦人参政権も、新憲法発布の前であり、市川房枝らは「アメリカに与えられる形にならないようにしましょう」と提案し可決したとのことだった。

だから、日本にも欧米に負けないぐらいの婦人運動や民主化運動の根はあったのである。そういうものは他から決して押しつけられたり、与えられるものではない。

「元始、女性は太陽であった」という言葉は、まさにそれを象徴するものであろう。

ちなみに平塚雷鳥氏は、このブログの自作小説「白虹、日を貫けり」にも登場する人物です。
by masagata2004 | 2007-08-25 14:56 | 音楽

自作小説「北京の恋」 第6章 カナダからの電話

北京を舞台とした短編恋物語。筆者の実際の体験を基にしたストーリー。

まずは序章から第5章をお読み下さい。


「雅夫、それ本気で言っているの?」
 紅玲は言った。
「ああ、本気さ」
 雅夫は彼女の反応が気になった。本気だと分かって欲しい。そして、それについてどういう意見も持っているか聞きたい一心であった。
「雅夫、私とあなたは老師と生徒の関係だわ。それは分かっているわよね」
 紅玲は、やや困ったという表情をして言う。
「ああ、分かっているさ。それでも、男と女として付き合いたいと思っている」
「雅夫、駄目だわ。私は、あなたを生徒としてしか見られない。あなたは悪い人じゃないと思うけど」
 やはり、という反応である。雅夫は、これまでの人生で愛の告白をしたことは何度かあった。その半分はいい回答で、それ以外は彼女のように丁寧に断られるという具合である。そういう経験からか、振られたことがショックにはならなかった。
 しかし、急に目が覚めた感覚である。考えてみれば大それたことをしでかしたのだ。本来、短期の留学で来たのに、その学校の先生と関係を持とうとする。今後、ずっと住むわけでもないのに大胆不敵過ぎる。彼女だって困るだろう。日本で女の子を引っ掛けるのとは事情があまりにも違いすぎる。ましてや、今のように両国の関係が険悪化している時期に。彼女の親切につけ込んだみたいで情けなかった。
「すまない。バカなことを言ってしまって。単に気分的に出た言葉なんだ」
 雅夫は、とても恥ずかしかった。紅玲は、顔を赤らめた雅夫を見て気遣うように言った。
「気にしないで。こんなこと、あなただけじゃないから。今まで何度かあったことよ」
「過去にも何度か?」
 雅夫は、驚いて訊いた。
「そう、でも過去のこと。そうだ。今日の授業はこれでお終い。学院に帰りましょう」
 紅玲はそう言い、万葉亭から下る階段の方へ向かった。雅夫は、黙ってついていった。
 
 昼食を食堂で済ませ、寮へと戻ろうと学院の廊下を歩いていると、ふと里美を目にした。誰もいない教室で、一人落ち込んで立っている。
 教室の中に入り、里美に声をかける。
「リーメイ、どうしたんだ? 元気ないようだけど」
「私、留学を切り上げて日本に帰ろうと思うの」
「え、どうして?」
 雅夫は驚いた。
「だって、もう自由に外に出られないんだもの。中国人の友達に電話しても、今は付き合えないって言われるし」
 里美の言葉には、苦悩が伝わった。純真爛漫なお嬢様が、生まれて初めての疎外感とそれから来る悲痛を味わっているのだ。
 里美が、可哀想に思えてきた。雅夫は、紅玲のことを考えてみた。彼女も本心では、自分が日本人であることに抵抗感を持っているのでは。そんな感情を抱いているのでは。そういう風に考えるのはとても失礼な気がしたが、しかし否定できないことではなかろうか。紅玲は中国人だ。そして、自分は日本人だ。その事実は大きい。
 雅夫は、思わず里美の肩に手を置き抱き寄せてしまった。里美に同情心が沸いたからだ。里美も、その抱き寄せに抵抗感なく応えた。
は、と目の前に、思わぬ人の視線を見てしまった。紅玲だ。王老師。たまたま教室の外の廊下を通りかかったようである。開けっ放しのドアから雅夫と里美が抱き合う姿が見えたようだ。
 だが、王老師は無表情である。視線をさっとそらし、何も見なかったように廊下を通り過ぎていく。ほんの一瞬の出来事であった。

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 翌日、授業のため教室に出向いた。王老師と顔を合わすのは実に気まずかった。昨日した告白と、里美との抱擁を目撃されたこと、気まずいことが重なってしまったのだ。彼女にはどう思われてしまっただろう。とても軽い男のように思ったことだろう。「好きだ」と告白しながら振られると、その後しばらくたって別の女性に乗りかえる男。
 しかし、雅夫は思った。それでいいんだ。どうせ、彼女とは結ばれる仲ではないんだから。むしろ、その程度の男と思われた方が気が楽だ。
 紅玲は、いつも変わらなく雅夫と接して授業を進めた。雅夫もたんたんと、生徒らしく授業を受けた。お互いの内心を意識することなく、午前の授業は終了した。
 食堂で昼食を済ませ、教室に戻ろうとする雅夫。丁度、職員室の前を通りかかった。何やら英語でややけんか腰の女性の声が聞こえる。それは紅玲の声だった。
 彼女が学内で英語を話すのは、雅夫だけであるので、不思議に思い聞き耳を立てた。ドアが開いているので、こっそりと様子を見る。紅玲は、電話の受話器を持って英語で話しをしている。かなり興奮した口調で。周囲に一人、年老いた男性の教師がいたが、彼には遠慮はしてないようだ。おそらく、その教師は英語が理解できないからだろう。彼女が英語で話すと言うことは、アメリカやイギリスからの英語圏の留学生か業者が相手だろうと推測される。
 雅夫は、何かトラブルが起こったのだろうか、と心配になった。
「グレッグ、お願い。もう私に構わないで。約束したでしょう。離婚した後は一切、顔を合わさないって」
 紅玲が声を荒げて言った。受話器から、大声で返答する声が漏れ聞こえ、それにまた返すように言う。
「カナダから来るですって。冗談じゃないわよ。私と寄りを戻せるって本気で思っているの?」
 離婚、カナダ、寄りを戻す、そんな言葉が雅夫の心に衝撃を与えた。
「いい加減にして。もうあなたが来ても、何の心変わりもしないわ。私にあんなひどい思いをさせて。それに、言っておくけど、私には、すでに好きな人がいるのよ」
 紅玲が、そう言った瞬間、ドア越しの雅夫と視線がぱったり合ってしまった。

最終章へつづく
by masagata2004 | 2007-08-19 17:01 | 自作小説

紙媒体のいいところ

インターネットの普及で衰え始めたのが、テレビや新聞、雑誌などの既存メディアである。テレビは視聴時間が減り、新聞、雑誌は売上が下げ止まらない。

というのも、ネットが彼らの役割を一手に引き受け、それもさらに効率よく情報を配信できる媒体となったからだ。テレビはネットのブロードバンド化によって、You TubeやYahoo動画などのメディアに駆逐・吸収される運命にあろう。4年後のテレビのデジタル化はコストがかかるだけで何の革新にもならない。ネットの方がはるかに安く、より多くのチャンネルで映像を配信できてしまうのは明らかだ。

だが、意外にも、紙媒体である新聞、雑誌、書籍はしぶとく残っていくと思う。電子メディアがこれだけ発達しても、文字情報や写真、イラストなどは紙で読みたい、見たいという人間の性質からだ。

理由はというと、

1.紙で読むのは目に優しい。画面から光を出しているのとは違い、光を反射した紙面だから明るすぎず見やすい。

2.軽くて柔軟。だからこそ、どこにでも持ち運べる。

3.長い文章を読みやすい。1と関連するが、コンピュータの画面は明るすぎる難点がある上、長く続く文章だと、スクロールしながら字を追っていかなければならない。これが目を疲れさせる。

4.書いたことが証拠となる。印刷された文字だから、後で好きに改変できない。よって、それだけ、責任を持って書かれたことがうかがわれる。また、その場で、そのままの形で見せることができる。ネットだとコンピュータというハードウェアを通してしか見ることが出来ない。

しかし、もちろん、メディアの形態や規模は必然的に変わるだろう。以下に例をあげると、

1.無料ペーパー、広告のみが収入源で、紙面の大半がスポンサーの広告、また記事も広告にタイアップした内容。しかし、無料だからこそ、より多くの人が目にしやすい。

2.地方特有のネタを扱った新聞。紙媒体は流通費用がかかるため、配布地域が限られてしまう。だからこそ、その地域に限定した特有の情報を売り物にする。全国ニュースや国際ニュースは通信社からの配信記事で済ます。有料でも、地域ネタならその地域の読者をつかみ、親しみを持ってもらえる。全国紙はなくなってしまうだろう。

3.雑誌は、グラビアに力を入れ写真の見栄えをよくする。

4.専門性を重視して、高くても特定の読者に売り込む。私はかつて、そんな雑誌社に記者として務めていたことがあります。月刊で1冊3000円もしましたが、特定業界者向けの特化情報だったので、それなりに儲っていました。

と以上、一種のメディア論でしたが、私個人とも最近、関連することがあるので付け加えておきますと、紙媒体の良さを唱った上記の理由に鑑み、このブログを紙媒体にしました。ご存知エキサイトにはブログ製本サービスがありますが、それで、このブログの開始時からの記事をまとめて印刷した本を作ってもらいました。文庫本サイズですが、手に取ってみるといいものです。とてもいい記録になると思います。存在感があり、ものを書いてきた立派な証を手にした気分です。以下はその写真です。

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by masagata2004 | 2007-08-17 22:17 | メディア問題

小説で地球環境問題を考える Part 12

地球環境問題を小説で説いてみようと思って書きました。自作小説ですが、環境問題を考えるための記事と思ってください。

熱帯雨林を守ろうと奮闘する環境活動家と破壊を進める国家及び企業の対立から浮かび上がる不都合な真実。

まずはPart 1からPart 11を読んでください。


 英明は、リムジンの中で考え事をしていた。気になっていることといえば由美子のことだ。あの女は、全く厄介だ。だが、自分の出世のためには社長の娘である由美子を利用しなければならない。
 由美子と結婚するのだ。由美子と結婚すれば、明智一族の仲間入りができる。由美子は、社長清太郎の跡継ぎだ。しかし、あんな世間知らずの小娘に跡など継げるはずなどない。ということは夫であるこの自分が変わりに継ぐこととなる。
 清太郎が、癌で余命いくばくもないのは知っている。野村院長が教えてくれた。あの男は、自分に負い目を感じているのだ。というのも、最近、野村が自分の所有する野村病院に新しい病棟を造る際の融資追加を明智物産傘下の銀行に依頼した時、英明の力が役に立ったのだ。英明が多額の融資を後押しする代わり、野村が清太郎の主治医となり清太郎の健康状態に関する情報を全て提供するという約束をさせたのだ。
 由美子と結婚すれば、明智物産は清太郎の死後、自分のものになる。

 英明は思った。由美子が、自分を心底嫌いなのは分かっている。だが、結婚はさせてみせる。いや、必ず結婚する。こっちには、ダム建設を中止できるという切札がある。あの女は愚か者だ。自然を守るという血迷った理想に打ち拉がれ、しまいには何でもすることになるだろう。あの鬱蒼とした不気味な森を守るために。
 だが、そこまで追い詰めるには今のところ一つの障害が存在する。それをなくさなければならない。それは安藤健次のことだ。由美子の恋人だ。二人揃って愚かな理想主義者といえる。英明は健次とハワイで会った時のことを思い出した。その時、健次は仕事に失敗したからとやけ酒を飲み、酔いつぶれ、あろうことか自分につっかかてきた。何とも不愉快な体験だったことを覚えている。
 由美子と同様、とても厄介な存在だ。あの男がいる限り、由美子は他の男と結婚するつもりにはならないだろう。そして、あの男は、会社が管理する土地となったあの森で、訳の分からないことをしている。あの森に癌やエイズを治す薬があるというのだ。英明にとっては、あの森は木や草が集まっただけのものに過ぎず、そんな優れものがあるとは信じがたかった。
 だが、英明はアメリカのハーバード大学に留学していた時、医学部の学生からこんな話を聞いたことがある。化学薬品の合成などで新薬を作ってきたこれまでのやり方以外に、画期的な方法として熱帯雨林の植物から、直接そんな原料を捜し当てるというやり方が注目されているという。もっとも、古代から現代に至るまで医薬品の原料は植物から採取することが多かったのだが、その中で熱帯雨林は未知の原料の宝庫であり、癌やエイズを治せる薬の原料が存在する可能性があるといわれているのだ。

 そんなこと起こるなどと本気で思ってはいない。しかし、万が一の可能性も無視できないのだ。英明は、用心深い性分だった。
 障害となる要素は徹底して排除しなければならないと考えた英明は、携帯電話を取り上げた。番号を押した。しばらくして、
「ハロー、あんたかね。頼みたいことがある。厄介な奴が私の周りにいてね、・・・」
 こんな問題を処理してくれる裏世界の組織がクアランコクに存在することを英明はよく知っていた。


 次の日 
 昨晩、クアランコクに戻った時から、健次と隊員たちは採取したサンプルの分析をスワレシア国立クアランコク大学から借りた研究室で行った。
 昨日採ってきた植物のサンプルの中には特別なものはなかった。健次達は、形が奇妙で、不思議な匂いがする魅惑の熱帯雨林ならではの珍しい植物ばかりを採ってきたのだが、医学的な効果を及ぼす成分などは含まれていなかった。
 その他、昆虫も調べてみた。どれも奇妙な形や色をしたものばかりだった。日本では、絶対に見ることはできないものばかりだ。面白いのは、その多くは、カメレオンのように洩り全体の景色と形や色がマッチしており、その体自体が、葉っぱや木の枝とそっくりで、カモフラージュ効果といわれる天敵から見つかりにくくなるような外見をしているのだ。しかし、それらからも何も得られなかった。
 まだまだ、始まったばかりだ。それに昨日採ってきたのは、あの森にある生物のほんの一部でしかない。熱帯雨林には何百万という種類の生物が存在し、その多くがまだ人間に発見されていないものばかりだ。昨日採ってきたのはその中の数百でしかない。
 サンプルの分析が一段落すると、由美子も加わり、明日の探索の予定を決める打ち合わせが始まった。打ち合わせは長く続き、終わった時は夜遅くだった。取りあえず、一通りの計画はできあがった。明日からの探索は数日に渡り野宿して行う予定となった。限られた時間を活かし、なんとしてでもいい薬の原料を探し出さなければならない。あと三週間しかないのだ。

 健次と由美子と隊員達はホテルに戻った。
 健次は、フロントで鍵を受け取り、一人で自分の部屋へ行った。由美子と隊員達が、一階のレストランで一緒に食事をしようと誘ったのだが、食欲が湧かず断わった。
 ドアを開け部屋の中に入る。健次は思った。まず、シャワーでも浴びよう。汗だくだくで、体は石になったみたいに疲れている。今日は特別体を動かしたわけではないのだが、たまっていた緊張が、今になってどっと押し寄せてきたような感覚だ。
 シャワーを浴びたら由美子の部屋へ行こうと思った。今夜は二人で過ごすと約束したのだ。全くこんなに疲れている時に恋人のお務めをさせられるとはつらいものだが、考えてみれば、彼女の部屋はスイートルームだ。休むなら由美子と一緒にあの広い部屋で休むのが最適である。
 部屋の電気をつけた。
 目の前に三人の見知らぬ男達がいる。
「何だ、貴様ら!」
 健次は、大声を上げた。二人の男が健次の両腕を両側からぐっとつかむ。健次は力一杯抵抗した。両足を上げ、目の前のもう一人の男の腹を蹴った。男は床に倒される。
 即座、両側の男たちは、健次の両足を右と左からぐっと踏み、健次は立ったまま身動きできない状態にされた。
 腹を蹴られた男は、さっと床から起き上がり右手に拳を作ると、健次の頬を力一杯殴った。
 ばしっと、顔全体に衝撃が走った。すぐにもう一発が入った。その痛みを実感する間もなく、今度は腹に男の拳が入る。何度も強い衝撃が腹を攻める。内臓が破裂しそうな痛みだ。
 だんだん意識がもうろうとしてきた。目の前の男の顔がぼやけて見える。健次は何も考えられなくなり目を閉じた。
 二人の男は健次の意識がなくなったのを確認すると、手を放し床へ落とした。
 ガタっと、この部屋のバスルームのドアが開いた。一人の背広姿の男が現われた。
「終わったか!」
と英明が三人の男達に言った。
 男達は、揃って頷いた。
「じゃあ、さっそく後の処理を頼む。この男、とてもあの森が気に入ってるんだ。あの森の中で死ねたら本望だろう。連れていってやれ」
 気を失い床にひれ伏した健次を見下ろし、英明は勝ち誇った微笑みを浮かべた。
 

 健次は目を覚ました。自分が寝そべっていることに気が付いた。その場所は、かなり寝心地が悪い。じめじめとした地面の上だ。
 辺りは暗いのだが、空に大きな満月が出ているのが見えた。満月の明かりが、わずかながら、ぼんやりと辺りの姿を照らしている。自分が調査で歩き回っていたあの森の中にいることが分かった。なぜこんなところにいるのだ?
 遠くから人の声と馬の足音が、小さいながらも聞こえる。声と音は、どんどん遠ざかっている。はっきり聞こえないのだが、日本語ではないようだ。スワレシア語で話す何人かの男の声のようだ。
 健次は思い出した。ホテルの部屋に入って、見知らぬ男達に囲まれ、顔や腹を殴られ気を失った。それからあとは半分夢を見ていたような心地だったが、自分が車で運ばれていたような覚えがある。
 そして、その次は、何か動物の背の上だった。かなりぐらぐらと揺れていた。
 それから、地面に意識がはっきりしないまま、叩き落とされたのだ。その落とされた瞬間、はっきりと意識が戻り目が覚めたのだ。
 一体、何だって自分がこんな目に遭わなければならないのか、健次には、皆目見当がつかなかった。
 どうして、奴らは、自分をこんなところへ連れてきたのか?
 何はともあれ起き上がろう。こんなところでじっとしてはいられない。
 突如、ジーっと、ラジオの雑音のような音が聞こえた。何だろうと思って目を凝らすと、ほとんど真っ暗だが、月の明かりでうっすらとそのものの形が見えた。そのものに見覚えがあったため、何なのかはすぐに分かった。
 昨日の探索でも、何度か出くわしている。熱帯ジャングルでは絶対に気をつけなければならない生物、毒蛇コブラだ。それもかなり体長が大きい。綱のような太く長い胴体をキュッと立て、ぎらりと自分をにらみつけてる。
 ジー、ジー、と身を凍らせる不気味な声を何度も立てる。舌を鳴らして周りの匂いを感じとっているのだ。健次は不利な体勢にあった。起き上がって逃げようとすれは、相手は自分が攻撃を仕掛けたと思い、防御のため噛み付くだろう。
 ただ、じっとしておくしかない。少しでも動けば噛み付かれる、猛毒のしみ込んだ鋭い歯が襲ってくるのだ。
 健次の体は蒸し焼きにされたように熱くなった。夜でも炎天下と変わらないジャングルの暑さに加え、目の前に迫る恐怖が体温を上げている。
 だが、その熱い体も一気に凍った。
 コブラは、さっと胴体を延ばし健次の腕に噛み付いた。
 腕に凄まじい痛みを感じた。そして、体全体が急激に痺れてきた。意識を再び失う。

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Part 13へつづく。
by masagata2004 | 2007-08-15 10:08 | 環境問題を考える

独映画「善き人のためのソナタ」 過酷なドイツの歴史を垣間見る

DVDで借りて見た感動のドイツ映画。

舞台はベルリンの壁崩壊前の東ドイツ、国家保安省(シュタージ)の局員、ヴィースラーは、劇作家とその恋人の女優が反体制運動に関わってないかを調査する任務に携わる。彼らの住まいに盗聴器をしかけ、屋根裏から日々の動きを記録に取り監視する。不思議なことに、彼らの愛の営み、共産党体制化で芸術家として生きていく悲哀を知るたびに次第に彼らに惹かれていき、ついには任務に反してまで彼らの苦難を救うことをしてしまう。

つまりはミイラ取りがミイラになってしまったというお話。よい出来であったが、難点をいえば、主人公の男の気心が変化していく理由をもっと説得力のある描写にして欲しかった。だが、面白い発想である。監視されている側は、監視している者を当然知らない。彼らは芸術家であるが、全くの日常を地で演じているのに、影の観客がその劇の虜となってしまう。そんな観客がいるということも知らないで。

だが、この映画を観て、かつての東ドイツでの生活がいかに過酷であったかを知ることが出来る。共産党を批判することは許されず、思想に問題はないかと、かつてのゲシュタボに似た秘密警察に監視される。お偉方に媚びないと、出世も存続も危ぶまれる。そんな絶望から多くの人々が自殺したり、または西へと命懸けで脱出する。

ドイツの苦難の歴史の一場面を垣間見る。つまりは、何ともドイツとはテーマの多い国だということだ。そんな意味で、ベルリンに行ってみたい。というか来年には行く予定である。ナチスや東西冷戦について学びたいのだ。

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by masagata2004 | 2007-08-09 20:50 | 映画ドラマ評論

淋しい、日本女性の現状

ニューヨーク・タイムズで日本における女性の労働状況に関する記事を目にした。

アメリカからすると、日本女性の立場というのは、かなり可哀想に見えるらしい。

アメリカでは企業管理職の4割以上は女性である。日本では、まだ1割程度。20年前に男女雇用均等法が制定されたが、その時と比べても数パーセントの変化しかない。また、法的拘束力が弱く、罰則は実質的にはない。

男尊女卑の企業文化が要因としてあげられるが、それ以外に、夜遅くまで働かされる長時間労働が改善を阻んでいるらしい。これは、最近の出生率低下の原因ともなっていることだ。

日本が婦人参政権を認めたのは、戦後のこと。だが、それって歴史的に見ると決して他国より遅れていたとは言えないらしい。アメリカやドイツは第1次世界大戦後だが、イギリスは、それより数年後で、その上、年齢制限に男女差があり、決して平等とはいえなかったらしい。日本でも、戦前、参政権運動は盛んで、衆議院だけだが婦人参政権法案が通った歴史がある。

ちなみに欧州でも、イタリアやフランスは戦後に参政権が認められた。ちょっと驚くことだが、フランスでは、1991年まで女性が銀行口座を取得するのには、夫や父親などの許可がないと取れないという差別的な法律があったそうだ。

とはいえ、世界第2の経済大国としては実にふさわしくない女性の現状である。先頃、米連邦議会下院で通った従軍慰安婦に関する謝罪要求決議でも、日本の人権感覚が問われた。恐ろしいことに「当時は、公娼が当たり前だった」、「どこの軍隊でもやっていた」という弁を堂々と述べる政治家や識者がいたのには、呆れた人も多かったのではないか。これは障害者、難民、同性愛者など他の人権問題にも同じことが言える。日本は人権という意味では「先進国」だとは言えない。実に情けない。これでは日本人であることを誇りに思って生きていくことがむずかしい。


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by masagata2004 | 2007-08-06 21:02 | 時事トピック

映画「東京原発」 来年にも現実化されるらしいけど

Excite エキサイト : 社会ニュース

2007年8月3日に投稿
日本映画は普段見ないし、嫌いなのだが、この映画は柏崎刈羽原発の地震による緊急停止事件で原発危機に直面した現在、とても身にしみいるテーマとして見ることができた。ドイツ映画「みえない雲」と同様の反原発映画だ。

物語は、役所広司演ずる東京都知事が、東京に原発を誘致することを提起する。もちろん、都の役員達は唖然とする。だが、都知事には、ある企みがあった。

ドラマの中では、原発に関する神話とその反証が分かりやすく説明されていた。

日本にある原発で阪神大震災級の地震に耐えうる原発は実をいうと一つもない。柏崎刈羽の惨状を見てもご覧の通り。

日本の電力の3割は原子力で担っているので欠かせないとかいうが、原子力がなくても、残りの火力や水力を最大限活かせば、実を言うとピーク時でさえ何とかまかなえる。現に柏崎刈羽での電力供給停止の補填のめどは東電はつけているようで。というのも、火力や水力は、普段、最大出力の2割しか稼働していない。でもって原子力は出力調整のできない発電機。つまりは、原子力のために他の電力が必要になるってこと。

そもそも、日本の原子力政策は、何の戦略もない、土壇場的に積み上がった政策だったといわざる得ない。当初はエネルギー危機から生まれた発想だったが、いつのまにか利権の伴う「発電のための発電」へと変貌していき、国民の無関心から自然エネルギーへの転換政策が遅れ、原発に対する危機意識が薄れていったということだ。実に日本的だ。

ちなみに、この東京原発、まんざら映画の話しだけではすまなそうだ。というのも、来年、横須賀の米海軍基地が原子力空母「ジョージ・ワシントン」号の母港基地となるというのだ。つまりは、首都圏に陸上よりも危険な海を航行する原発ができるという。1年の半分を原発が横須賀にいて、母港として修繕などもそこで行う。おお、危険極まりない。

原発よりもひどいのは、それが都市に電力を供給せず、軍艦のみの、それも我々の税金で、でもって、アメリカの軍事戦略のために使われる。

日本は、アメリカに3発目の原爆を落とされるということか。

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by masagata2004 | 2007-08-03 23:10 | 環境問題を考える

草野マサムネの「木綿のハンカチーフ」に夢中

最近、たまたまレンタルDVD店で流れていた有線放送で聴いた曲に夢中になっている。

曲名は「木綿のハンカチーフ」で、そもそもは1975年、太田裕美が歌った曲であった。

「恋人よ、僕は旅立つ。東へと向かう列車へ」という出だしだ。考えてみると、これは男性が歌うべき曲だったと言える。

有線で流れていたのは、スピッツのメンバー、草野マサムネが、最近リリースされたアルバム「筒美京平トリビュート」のカバーナンバーの1曲として歌ったもの。いわゆるリバイバルだ。

以前、付き合っていた女性が好きでカラオケでよくこの歌を歌っていたのを覚えている。太田裕美が歌ったオリジナル版も聴いたことがある。だが、それまで、そんなに印象に残るほどいい曲だとは思えなかった。

ところが、草野マサムネが歌ったのはすばらしかった。歌唱力の凄さというか、テンポの良さというか、とても惹きつけられた。CDを買って何度も聴いている。何とも不思議な魅力を持つ歌声だ。久しぶりのマイ・ヒット・ナンバーに出会えた。

でもってだが、この曲のタイトル「木綿のハンカチーフ」は合わない感じがする。そもそもサビの部分にこの言葉はない。後半にやっと出てくるし、それほど歌詞の中で重要な意味を占めているとは思えない。

いっそのこと、のっけからの「恋人よ」にしちゃえば良かったのにと思ったが、確かそれと同じ曲があったっけ。
by masagata2004 | 2007-08-02 22:36 | 音楽


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