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中国に踏み絵を踏まされる、どっちつかずのアメリカ

中国社会 - エキサイトニュース

中国がついに尖閣諸島問題でアメリカに文句を言い始めた。

今までリップサービスで実行力のない「日米安保の適用範囲」という発言も、責任の伴う発言となったようだ。

アメリカは、困っちゃうよね。どっちにつくのって? どっちにもつけないよね。

中国は世界最大の米国債保有国で、経済ではどっぷり依存している仲だし、日本には安保条約を結んでいる関係で、今は沖縄や思いやり予算のことがあるから、突き放すわけにはいかないし。

アメリカで3者による外相会談開きましょうって提案しているけど、それ実現しても、問題は中国の態度。絶対に領土問題では譲らないから、アメリカに尖閣を巡って日本に協力しないように踏み絵を踏ませるだろうね。

これまでは、ある程度、管理された緊張の中、どっちにも言葉巧みにいい顔してきたけど、日本は騙されても、中国が黙っちゃいなくなった。人民元切り上げの圧力を交わす意味でも、アメリカをびくっとさせておきたい狙いもあるかも。

どっちにしろ、「アメリカに尖閣は日本の領土だ、自衛隊と一緒に守る」なんては言わせない。それを言ったものなら、日本に対してやったように捨て身でかかってくるのは確実。

でも、日本にとってはいいんじゃない。アメリカの曖昧な態度に終止符が打たれ、アメリカが日本なんて守っていないし、守る気なんてさらさらないということがはっきりして。これを機会に、日米安保は破棄とまで言わないけど、思いやり予算やめて大幅に改正、というか、米軍基地は大幅縮小だね。そうなれば、こんなものが日本の領地の上で見られなくなるんだろうね。だと、いいけど。
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これ、首都のど真ん中にあるんだよ。

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by masagata2004 | 2010-10-31 19:01 | 時事トピック | Trackback | Comments(1)

旅小説「私を沖縄に連れてって」 最終章 真の海人

米軍基地建設に抵抗する海人(うみんちゅう)の戦い

まずは第1章から第20章までお読み下さい。

 それから数週間後、突如、日本政府は普天間飛行場の移設先を前政権がアメリカと決めた通り、辺奈古にすると発表した。昨年の政権交代以来、アメリカと交渉を続けてきたが、アメリカの方は当初案から一歩も譲らなかった。そして、結果、大騒ぎをした挙げ句、当初案に戻ったのだ。
 抑止力として、沖縄の海兵隊のプレゼンスは必要であるとして、当初案通りにするのがやも得ないとの結論に達したとのことだ。
 その決定の発表後、沖縄は一気に怒りに包まれた。当初から辺奈古案を支持していた人々も、散々期待を抱かされた挙げ句、弄ばれ裏切られたということで、むしろ反対に回ってしまった人も出たほどだ。
 発表後、首相は当初案に戻ることでお詫びを兼ね沖縄に出向いたが、首相が県知事に会うために訪れた県庁近くではプラカードや横断幕を抱えた人々が集まり「できれば国外、最低でも県外」という公約を破り、当初案に戻った主民党政権とその首相に抗議の意志を示した。
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 県知事は、当初、公約の実行は難しいとして県内移設を容認する立場であったが、県民の怒りの声があまりにも大きいがため「受け入れることは非常にむずかしい」と首相との会談で述べた。
 しかし、日米両政府は、辺奈古が最善の案だとして当初案通りに実行する共同声明を発表した。そして、それが日本政府の最終決定であることを明白にするため閣議決定もした。
 怒りはますます強まった。本土では、政権交代しても変わらず、アメリカのいいなりになる政府に対する失望感が広まった。日本は、未だにアメリカの属国のままかと。だが、遠い沖縄での問題だとして、やむなしと見る考えも広がり、発表後、本土では関心が急速に薄れていった。だが、ウチナンチュウには、辺奈古に滑走路を造る案など到底受け入れられない。
 
 そんな折り、龍司は疲れ果てたヘインズと会った。二人で、トニーが落ちた崖の上に立って海を眺めていた。結局、滑走路が造られることとなった辺奈古の海だ。エメラルド・グリーンと薄い青色のコントラストが実に美しい。
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 真下を眺めると、急な崖だ。絶壁ではないので、腰を下げ滑り落ちるようにすれば怪我もせず麓の海岸に降りようと思えばできないことはない。だが、それも日の明るい昼間だからできることで、照明が全くない真っ暗な夜にそれをしたら危険極まりない。
 それをトニーはした。そして、死んだ。事故だったのか自殺だったのかは分からない。真っ暗だったから走った先に崖があるのを気付かなかったのかもしれない。しかし、夜中でも、そこが崖の先端だということは、近付けば何となく分かるような地形であり、星の光とそれに反射する海面はぼんやり見えたはずだ。それは、あの晩、トニーを追いかけた龍司やヘインズでも分かったほどだ。しかし、トニーは崖の先端にまで来ても立ち止まれなかった。それほどまでに追い詰められた状況だった。そして、追い詰めたのはトニーの実の父親だった。トニーが存在さえ知らない父親で、死ぬまで父親であることを知らせることができなかった人だ。
 ヘインズは、トニーが死んだ事件が起こった後、謹慎処分を受けていた。彼が指導する部隊の隊員が脱走を企て、その隊員を連れ戻すため個人的に接触したものの、その隊員が死んでしまう結果になったためだ。トニーの死は、軍によってトニー自身の過失による事故死として片付けられた。しかし、ヘインズには対応の不手際があったと指摘され、訓告と一週間程度の謹慎処分が下された。
 だが、ヘインズは謹慎が解かれた後に、自ら休職を願い出た。精神的に軍務を継続することが難しい状況にあるためだ。
 その申し出は認められ、ヘインズは三ヶ月程度休職することとなり、その間に沖縄に配属されて以来、帰ってない故郷に帰ろうということになった。何よりも、会わなければいけない人がいる。それは、トニーの母親であり、ヘインズの元恋人であったドロシーだ。二十年ぶりの再会になる。そして、それは実につら過ぎる再会となる。しかし、自らの責任として、しっかりと彼女にことの経緯を伝えないといけない。
「沖縄には、そのあと戻ってくるつもりか?」
と龍司はヘインズに訊いた。
「さあな、今のところ、私は海兵隊を辞めるつもりはない。しかし、考えなければいけないことはたくさんある。ドロシーと会って、すべきことをして、じっくり考えるつもりだ」
 ヘインズは、深く落ち込んだ表情でそう言った。すでに電話と手紙でドロシーにトニーの死は知らせた。あとはトニーの遺体をドロシーのところに運び、どのようにして死んだのかを説明しなければいけないのだ。きっとドロシーは怒り狂うに決まっている。だからこそ、電話や手紙ではなく、きちんと自分の口から話したいとヘインズは思っているのだ。
 存在さえ知らなかった父親と偶然にも再会したというのに、その父親が追い詰めて殺す結果になったとは。幸か不幸か、その人が実の父親であったことを知らないまま死んでしまった。
「結局、この海に滑走路ができることになったことは知っているだろう?」
「ああ」
「あんたの国の勝ちだな」
「だが、沖縄の人は怒り心頭だろう。私たちはますます憎まれるな」
「ふん、そうはいっても、俺はあんたとあんたの国を憎めないよ。それだけ、俺たち日本人はアメリカという国に親しんでいるんだ。ハリウッド映画とか、インターネットとか、ディズニーランドとか、そういうソフトパワーで憎めないようにさせられている。だから、今度のことでも、日米の関係は変わらないだろうな」
「ほう、そりゃ驚きだ。世界中からアメリカは嫌われているものだと思っていたが、日本では、そうではないんだな」
「ああ、原爆落とされ戦争に負けて憎んだけど、その後、民主主義を教えられ経済復興を手助けしてもらい、国を守って貰った歴史があるからな」
「君はどうするつもりなんだ? 抵抗はしないのか」
「するつもりさ。俺と俺の仲間は、相も変わらず、いやそれ以上に反対だ。政府が何を決めようが絶対に造らせない」
「そうか、しかし、簡単ではないんだろう」
「ああ、いっそのこと、日本とアメリカが、もう一度戦争するかと思うぐらい、国をあげてあんたらに反発が起こればいいんだけど。そうすれば、普天間とか辺奈古とか沖縄どころではなく、日本にある米軍基地を全て追い出せという気運が高まるぐらいでないと、この問題は解決できっこない。そのくらい根が深いんだ。しかし、それでも俺はやる」
 龍司が、そう声を荒げて言うと、ヘインズは、にんまりして、
「何にせよ。頑張れよ。俺は何の助けにもなってやれないが、幸運を祈るよ」
と言った。


 八月
 ボーリング調査の再開が発表された。政権交代以来、環境アセスメント調査は、移設先変更の可能性があったため中止されていたが、辺奈古に結局、舞い戻ったため、再開の運びとなった。
 ボーリング調査の作業船が、海に来るという知らせを聞いて、沖縄県内外の反基地及び環境保護活動家が集合し、作業阻止行動を開始した。
 内地では、もう終わったことになっていて、基地問題の報道は急激に少なくなったが、沖縄では未だ最大の関心事だ。地元紙とテレビ局は、その後の経過と反基地活動を大きく報道し続けている。
 まだ、この話しは終わっていない。まだ、沖縄では新基地が建設されることを認めたわけではない。断固阻止のため戦うのだ。
 龍司は、安次富と洋一と一緒に船に乗っていた。すぐそばには、ブルーピースのモーターボートが来ていて、そこにはセーラがいた。
 龍司はセーラに声をかけた。
「セーラ、大丈夫なのか。君の国の政府に背くことになるんだぞ」
「大丈夫よ。私たちの国には言論の自由というものがあるのよ。それに、これは人類共有の自然資源を保護するための戦いよ。日本の南極海での捕鯨を反対するのと同じことよ」
とセーラ、はつらつとした表情で言葉を返す。
 漁船やモーターボートの他にゴムボートやカヌーも多数、海上に浮かんだ状態で、ボーリング調査の行われる予定の珊瑚礁の真上にいる。また、上空には、この阻止行動を撮影しようと報道用のヘリコプターが数機飛んでいる。阻止の船やカヌーが集まっているところから離れた海にも報道のための船が数隻浮かんでいる。
 さらに離れた漁港と浜辺では、阻止と抗議のため数百人もの人々が集まり、横断幕にシュプレキコールを上げ続けており、実に緊張した雰囲気の漂う場になった。
 
 そして、正午になって現れた。ボーリング調査の作業船だ。さっそく、この場所に八ヶ月ぶりに櫓を建てようというのだ。
 その作業船から少し離れた海上には、警備のための海上保安庁の船が数隻航行している。これから、また、海上での取っ組み合いが始まるということか。
 やってやろうじゃないか。龍司は思った。米軍の基地建設をめぐり、日本人同士が対決している。何とも見苦しく滑稽な姿に思えた。
 と、その時、また、別の船がやってきた。小型のモーターボートだが、すぐに海兵隊の船だと分かった。人が一人乗っていて操縦している。操縦しているのも海兵隊員のようだ。サングラスをして、黒色のTシャツに迷彩色のズボンを着ている。いったいなぜ、まさか訓練でもあるまいし。多くの人の注目が、その海兵隊員に注がれた。
 ボートはカヌーや漁船が集まっているところの数十メートル先で止まった。ボートの左側には並ぶように作業船と海保の船が浮かんでいる。
 龍司は、ボートに乗っている男を見て驚いた。龍司のよく知っている人物だ。
 チャーリー、チャールズ・ヘインズ曹長だ。あ、そうか、休職から戻ってきたのか。しかし、いったい何をしに来たのか。ヘインズの乗っているボートには機関銃が台に乗せられ備え付けられている。操縦席から船首方向を射撃できるような形だ。
 しかし、変だ。今度の滑走路建設工事に海兵隊が関与することになっているとは聞いていないぞ。これは日本の業者が日本の税金でするプロジェクトだ。米軍は出来上がるまで任せっきりであり、海上の警備は日本の海上保安庁がする仕事だ。海兵隊が、そんなことに加わるなんて主権侵害になる。
 それになぜヘインズが? どうも変だ。三ヶ月も休職していて戻ってきたばかりのはずなのに。
 龍司は大声で声をかけようとした。何のつもりか訊きたかったのだ。
 ところが突然、ヘインズは台座の上の機関銃に手を置き、銃口を龍司や活動家たちに向けた。軍服姿で銃口を向ける姿勢。一瞬、恐怖がみなぎった。そして、
 パ、パ、パ、パという機関銃発射の炸裂音が海上に響いた。耳の鼓膜が破れるような音と共にカヤッカーと共にカヌーは転覆。船の上の者たちは身をふせた。
 龍司も身を伏せたが、炸裂音が鳴り響くのに耐えられず、すぐに海へと飛び込んだ。ウエットスーツを着た状態で潜り、水面に顔を出さない状態で、水中をぐいぐい泳ぎだした。目指すはヘインズのいるボートだ。

 船尾に来た。さと起きあがり、飛び魚のように跳ね上がり船上に入った。
 それに気付いたのか、ヘインズは龍司の方を見つめる。お互い知っている仲のせいもあり、大男は、にこっと微笑んだ。
 龍司は怒りを爆発させ、全身の力を振り絞り男の顎にパンチを加えた。男は、どたっと倒れ込んだ。
 ああ、何てことだ。どうして、こんなことにまでなったのか。

続き
by masagata2004 | 2010-10-29 02:43 | 沖縄 | Trackback | Comments(0)

漫画・ドラマ「エースをねらえ」 脇役が実をいうと主役

高校のテニス部に入ったばかりのずぶの素人の女子高生、岡ひろみが、鬼コーチに見初められ、選手に抜擢される。周囲は反発するのだが、思わぬことに彼女はめきめきと強くなっていく。

これは1970年代に漫画雑誌で連載され、その後、何度かアニメになり、2004年にテレビドラマ化されたもの。ストーリーは、漫画だけあって、非現実的な設定に強引な展開、だが、それでも多くの読者と視聴者をひきつける。

これは主人公を通して脇役のキャラを際だたせ、むしろ脇役を売り物にするストーリーの典型である。その意味でいえば児童文学の「小公女」と手法が似ている。

その主役たる脇役というのは、ひろみの憧れの先輩で後にライバルとなるお蝶夫人こと、竜崎麗香だ。大金持ちのお嬢様で、子供の頃からテニスの英才教育を受けたひろみにとっては雲の上の存在。当初、ひろみには優しく接するが、ひろみがめきめき成長して自分に追いつこうとしてくると脅威に感じ、冷たく当たようになるが、同時に誇り高き女性として彼女のよきライバルとなる。真の高潔さとは何かを問うている。素晴らしい言葉をひろみに与える。「負けることを恐れるのをやめなさい。それよりも全力を出し切れずに終わることを恐れなさい」

名前からして現実にはありえん人物。漫画でも、これが女子高生かと思えない老成ぶり、それはテレビドラマでも同じだったが、そんな視聴者の期待に応えた配役(松本莉緒)だったので思わず見入った。でも、現実にいたら、怖い。漫画だったから許容できたキャラだ。

もう一人、大事な脇役は、ひろみをしごく鬼コーチ、宗方仁だ。これは現実にいそうだが、しかし、ちとストーカー的で、あれほどのことをしたら、現実には大問題だろうと思えるほど、危うい男。しかし、よくよく見ると指導者としての資質はある。それは、ひろみを無理矢理抜擢し、周囲からの反発を受けても、それを貫き、そして、ひろみの心理とひろみのライバルたちの心理をしっかり見抜いて、彼女を着実に立派な選手に育て上げるからだ。

スポーツは力や技だけでなく、精神で勝負するものであるということを思い知らされる。

てなわけで、非現実ストーリーを大いに楽しめるのだが、テレビドラマ版では、実写ならではの醍醐味が味わえた。

それは、お蝶夫人と対する加賀のお蘭(酒井彩名)など、美女たちのセクシーテニスシーンがあったからだ。テニスはいい。特に女子テニスは観るのがいい。水着みたいに露出の広いテニスウエアはもっといい。サーブの時に叫び声を上げるとさらにいい。

時には、エースをねらってみるか!
by masagata2004 | 2010-10-27 16:06 | スポーツ | Trackback | Comments(0)

映画「ミツバチの羽音と地球の回転」 原発に未来はない

「六ヶ所村ラプソディー」などで有名なドキュメンタリー映画監督、鎌仲ひとみの最新作。山口県の祝島の対岸にある長島・田ノ浦海岸を埋め立て原子力発電所の建設が進行中だが、そこにスポットを当て、持続可能な社会の在り方を問うドキュメンタリー。すでにこのブログで紹介した「祝の島」と重なる部分が多いが、原発やエネルギー問題に関する考察を加え、自然エネルギー先進国スウェーデンでの取材映像もある。

田ノ浦の海を埋め立てようとする工事に対し、祝島の漁船とカヤッカーによる抗議活動の模様は生々しい。工事業者は「第1次産業ではやっていけない。町の発展のためだ」と漁民に対してメガホンで言い放つ。

スウェーデンでは、風力やバイオマスによる自然エネルギーの普及が進んでおり、また、環境裁判所というものがあって、公正な環境アセスメントにより風力発電でさえ、森林環境保全のため制約を受けてしまう。また、日本と違い電力の送電権が一業者により独占されておらず、使用者が発電源によって電力を選択できるシステムになっている。

日本は毎年20兆円も出して石油を買っているが、それに匹敵する自然エネルギーがあるのになぜ使わないのか。原子力の再処理施設は、計画から30年間、未だ本格稼働していない。六ヶ所の近くには、発電用風車が立ち並んでおり、電力を東京に送電できるようになっている。

祝島で反対運動をしている人達に対して「なぜ自分たちの住処を守るぐらいのために原発に反対するのか」という批判の声を聞くことがあり、運動をしている島民からすれば「どうせその程度でしか、ものを見れない人が推進しているのが原発なんだ」と。

実に考えさせられる映画だったが、しかしながら、ドキュメンタリーとして評価すると、ちと構成が悪く、説明不足な感が否めなかった。問題となっている原発と自然エネルギーの対比を分かりやすく説明して貰いたかった。特に原発が炭素ガスを発電時に出さないから環境に優しいエネルギーであるという論に対する反論が聞きたかった。

分かりやすくいえば、最低30基造らなければ、炭素ガス削減の効果は出ないとか、また、原発の自然エネルギーと比較した費用対効果の悪さを伝えてくれれば、観客にとっては、より勉強になったと思う。

ところで、映画の中で業者の「第1次産業ではやっていけない」と反対派に言い放つ場面で思ったのは、むしろ、これを機会に第1次産業の重要性を考え直せと問題提起された気がした。

それは、誰でも食料なしには生きていけないという意味だけでなく、祝島のように自給自足によってコミュニティが維持され、子々孫々に伝わっていくものがないと、実に虚しいと思えるからだ。

祝島の人々を応援したい。そして、原発建設を是非とも阻止したい!

以下は、祝島島民の会のブログから転載したカンパ、ご支援のお願い。

+++転送、転載 歓迎です+++

祝島島民の会へのカンパ、ご支援のお願い

10月15日に始まった中国電力の埋立て工事の再開強行も、一週間を超えました。
この間、船による抗議も、陸上での抗議も、すべて各島民個人の負担でやってきました。しかし仕事を休んでの抗議は経済的な負担も大きく、長期化していることもあり、島民の会としては、せめて抗議行動に参加した船の燃油代だけでも会として負担できないかと考えています。

 祝島島民の会は、日常の活動やビラなどの印刷費用、また裁判費用など、全てを会員(祝島島民)の会費や、支援していただいている方々のカンパで運営されています。そのため、これまで多くの方々からご支援をいただいている現状で、さらにご支援のお願いを重ねることは本当に心苦しいのですが、長期化することで息切れをしてしまわぬよう、どうかご支援いただけますようお願いいたします。


銀行振込み
ゆうちょ銀行
加入者名:祝島島民の会(イワイシマトウミンノカイ)
店名:一三九(イチサンキュウ)
当座:0067782

郵便振替
加入者名:祝島島民の会(イワイシマトウミンノカイ)
口座番号:01390-4-67782

〒742-1401
山口県熊毛郡上関町大字祝島218
上関原発を建てさせない祝島島民の会
(「祝島島民の会」、あるいは「島民の会」宛でも郵便物は届きます)
iwaishima@gmail.com

なお、今回の埋立て工事再開への抗議の動きが全国に広がる中で、すでに多くの方から会にカンパなどのご支援をお寄せいただいています。本当にありがとうございます。

カンパいただいた方へはお礼状や領収書をお送りいたしておりますが、お名前やご住所を併せてご連絡いただいていない場合はお送りできないことがありますので、申し訳ありませんがご了解ください。

※カンパについては祝島島民の会ホームページ内の「祝島島民の会からのお知らせ、呼びかけ」にも記載しています。
カンパいただいた方へは礼状や領収書をお送りしていますので、郵便振替用紙の通信欄やメール(iwaishimaアットマークgmail.com)などで、お名前やご住所をご連絡ください。それらが必要でない方は、その旨を上記と同様の方法でご連絡ください。


祝島島民の会
http://blog.shimabito.net/

+++転送ここまで+++

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by masagata2004 | 2010-10-25 02:28 | 映画ドラマ評論 | Trackback | Comments(0)

伊波洋一 沖縄県知事選候補の講演に参加

以下に、講演を撮した動画と取材記事のリンクを貼っておきます。





伊波洋一氏 東京で沖縄県知事選に向けた抱負を語る
by masagata2004 | 2010-10-23 00:37 | 沖縄 | Trackback | Comments(0)

映画「祝の島」 瀬戸の原発と戦う人々

たまたま無料で放映していたので観賞。

1982年、山口県の上関町田ノ浦に原発の建設計画が発表されたが、その田ノ浦から海を隔てて4キロ程先に住む祝島の人々の日々の営み、島に対する想いが語られるドキュメント。

内容的には淡々としたもの。

住民の多くは高齢者なので、じじ、ばば、談義といったところ。主な産業は漁業だ。原発が建設されれば間違いなく温排水により漁場が壊滅的打撃を受ける。美味しい魚がたくさん捕れる宝の海を守るため、埋め立て作業に対して抗議の船を出し続けている。

島に対する愛着はもちろんだが、瀬戸内海にある小島なので、漁業以外に棚田を使った農業をするなど自給自足主義である。また、島から他のところに容易に移動できないという地理的不便さから、島から離れて仕事に行くことができないので、電力会社からの漁業補償金を受け取るメリットをあまり感じないというのが、同じ上関町の本土部と違い、反対論が強い理由である。

しかし、この島の人々の生き方は、日本人の多くが忘れかけているコミュニティの原点や大切さを思い起こさせている。

海は金では買えないものだということ。原発なんて一定期間、電力を流すだけ、その間に恒久的に汚水を海に排出し続け、漁場を駄目にする。それは祝島の海だけではなく、瀬戸内海全域に及ぶかもしれない。

目先の利益にとらわれ、本来見るべき、もっと大きなもの、生活基盤がどうなるかということを忘れている。

生きていくためにはお金や電気よりも、食うための魚を獲る漁場、作物を植える土壌、そして、安全で快適な住処がまず必要だ。言い方を換えれば、それさえあればいいのではないか。もちろん、祝島の人々も、それだけで生きているわけではないが、基本的に社会の基礎というものは何かと考えれば、おのずと、こんな揉め事を起こしてまで、原発を建てる意義などあるのか、答えが見えてくると思う。

ちなみに原発が温室効果ガス削減につながる環境に優しいエネルギーだという考えは、実は大間違いである。電力会社の大嘘プロパガンダに乗せられているだけ。

安全性の議論は別にして、問題なのはコストの問題。炭素ガス削減をするためにどれだけ原発を造らなければならないか。発電した後の核廃棄物の処理はどうなるのか、などなど、知れば知るほど首をかしげる事実に直面する。

これに関しては、明後日、この映画を観たのと同じところで観る予定の映画で詳しく学べるかもしれない。なので、乞うご期待。

ちなみに、祝島の原発抵抗運動は現在進行中で、今やこれまでになく緊迫した状況だということ。それに関しては以下のサイトと私が書いたJANJAN記事をお読み下さい。

祝島島民の会のブログ

瀬戸内海原発建設を阻止せよ 参院議員会館での集会参加報告

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by masagata2004 | 2010-10-22 15:25 | 映画ドラマ評論 | Trackback | Comments(0)

蚕の繭

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新宿高層ビル街にて。東京モード学園のビル。
by masagata2004 | 2010-10-22 12:25 | 風景写真&動画集 | Trackback | Comments(0)

旅小説「私を沖縄に連れてって」 第20章 ヘインズの秘密



 辺奈古は、日もそろそろ暮れ始める時間になっていた。キャンプのゲートに向かおうとしたが、たまたまゲートに向かう途中の金網フェンスから、芝生のフィールドで格闘訓練の指導をしているヘインズ曹長を見つけた。立ち止まって、金網からヘインズとヘインズから訓練を受ける数十人の若い兵士たちの姿を眺めていた。ヘインズはTシャツにサングラスをしており、大柄な兵士たちの中でも一際、体格の大きさと逞しさが目立つ。一人の訓練兵士を地面に四つんばいにしたうえで、羽交い締めの方法を教えている。殺人の訓練なのだろうか。
 金網越しの自分に気付いてくれないだろうかと思った。いちいちゲートまでいって呼び出すのも面倒くさい。
 すると、警備員、見るからにウチナンチュウの年老いた男が近付いてきて、
「あんた、ここで突っ立って何をしている。じっとしてないで、どっかいかんね」
と声をかけた。
 龍司は、警備員に言った。
「あの教官、ヘインズ曹長っていうんでしょう。彼に伝えてくれませんか、トニーのことで緊急に用があるって。そう言えば分かるし、そのことを伝えなければあなたにとって不利な結果になりますよ」
 警備員は、はあ、という顔をしたが、しばらく考え込んで、訓練中のヘインズに近付き、龍司のいる方向を指差し、何かを言っている様子だ。
 すると、ヘインズが走って金網までやってきた。
「やあ、チャーリー、ごきげんよう」
「リュージ、トニーのいる場所を知っているのか」
「二人だけで話せないか」と龍司。
「もちろんだ、そこで待ってろ。今から、そっちに行く」
とヘインズ、訓練生を解散させ、建物の中に入っていく。思った通りだ。
 そして、数分後、龍司のところに現れた。二人は車の中に入った。
「トニーに会いたい。君のところにいるんだろう」
「事情は分かっているよ。だけど、彼を連れ戻す気ではないよな。明日にはアフガニスタンに連れて行くのだろう」
と龍司。
「何を言っている。奴は脱走をしたんだぞ志願して入ったからには決められた任務を全うする契約がある。このまま明日の招集までに戻らなければ軍法会議にかけられる。そうなれば刑務所行きだ。刑務所を出た後は、そのことが一生つきまとう。非国民としてリストされ、就職もまともにできなくなるんだ」
 龍司は言葉を失った。これが軍隊のある国の掟なのか。日本の自衛隊なら好きな時に除隊できる。そして、除隊してもお咎めなしだ。
「しかし、今のトニーを見る限り、とてもじゃないが戦場に行ける状態じゃないぞ」
「私が彼を説得させる」
「無理矢理連れ戻すんじゃないよな」
「そんなことはしない、私と彼なら、じっくり話しをして解決策が見つける。会わせてくれ。頼む」
 ヘインズの表情は深刻そのものだ。
「分かったよ、チャーリー」
と言って龍司は車を発進させた。

 車は別荘に着いた。日は暮れ、辺りは暗くなっている。電灯の点いた別荘の中に入った。リビングルームにセーラとトニーがいた。二人はソファに座ってコーヒーを飲んでいた。
 トニーは、ヘインズを見た瞬間、立ち上がった。
「僕は戻らないぞ」
と大声で叫んだ。
「連れ戻しに来たんじゃない。一緒に話しに来たんだ」
とヘインズ。
「うそだ。あんたたちもひどい。助ける振りして、こんなひどいことするなんて」
 トニーは、さっと走り、キッチン側に向かい、キッチンの裏口を開け外に出た。
 三人はトニーの後を追う。トニーはひたすら走る。暗い中、森の中を走る。
「トニー、止まるんだ」
 龍司が叫んだ。この先が崖だということを知っている。止まらざる得ないだろう。
 だが、トニーは止まらなかった。そして、その崖から姿が見えなくなった。どうしたのだろうかと思った。暗くてどこへ行ったのか分からない。しかし、この先が崖である限り、その先に進めないはずだ。
 崖を滑って降りたのか。昼なら、腰をかがめながら、足を滑らせながら降りられないこともないが、こんなに暗くなると足元が見えないから転げ落ちるしかなくなる。そうなるとかなり急だから、危険だ。
 三人とも、崖の先まで来たが辺りにトニーはいない。崖の下は真っ暗で何も見えない。崖の下は海岸だ。二、三〇メートルの高さがある。
 海岸まで、車で道路を走って降りることにした。五分後、崖の真下の海岸まで来た。真っ暗な砂浜にヘッドライトを照らす。崖の真下のごつごつとした岩場に人らしきものが横たわっている。
 まさか、と思って照らした。あ、トニーだ。倒れ込んでいる。どうなったのかと不安になり近付く。
 血まみれだ。頭や胸から血を流している。かなりの重体だ。ヘインズが抱き上げる。反応がない。しかし、虫の息程度の呼吸と脈はあるみたいだ。急いで、救急車を呼ばないと、と思い龍司は携帯電話を取り出した。
 すると、ヘインズが叫んだ。
「私の息子なんだ。私の息子なんだ、トニーは」
 チャーリーは涙を流しながら大声を上げた。

 それから、一時間後、手術室の前に龍司とヘインズがいた。救急車で運ばれ緊急手術が始まった。腕や足、肋骨を骨折、内臓も破裂している。かなり危ない状態であるということで、すぐに手術室に運ばれた。
 セーラは、別荘にいて軍警察と海兵隊に事情を説明することになった。
 龍司は、あっぷあっぷした表情のヘインズを見ながら、不思議な気持ちでならなかった。自分の息子が自分が指導する部隊の一員で脱走。そして、突然、こんな事態に。トニーは父親である教官を見て逃げ出した。何ともわけの分からない展開だ。
 ヘインズのトニーに対する思い入れは、息子だったからだというのは理解できたが、しかし、どうして、こんなことに。釈然としない気分だ。しかし、今は一刻も早くトニーが助かることを願いたい。
「私が父親であることをトニーは知らないんだ」
と突然、ヘインズが口にした。
「チャーリー、それはいったいどういうことなんだ。ずっと同じキャンプにいたんだろう」
「私が彼が自分の息子であるということを知ったのも、つい最近だ。それまでは自分に息子がいたということさえ知らなかった」
「え?」
 龍司は驚きを隠せなかった。どういうことなんだ。ヘインズは、その経緯を話し始めた。

 話しは二十年ほど前、チャールズ・ヘインズが高校生の時にさかのぼる。彼にはドロシーという同じ学校に通うガールフレンドがいた。二人は仲が良く、高校生にして恋人同士、卒業後は結婚する約束までしていた。
 だが、二人には問題があった。黒人と白人のカップルだということだ。それは、チャーリーの父親には絶対に許されることではなかった。厳格で保守的な考えを持ち、人種差別主義者であったチャーリーの父親は、チャーリーとドロシーが二人きりで家の中で抱き合っていたところを目にしたとたん激怒、ドロシーを汚い言葉で罵って追い出し、チャーリーには暴力を振り、二度と彼女と会うなと命令した。ドロシーは深く傷付き、そのためチャーリーも彼女に会いづらく、二人は互いを避けるようになった。
 それを機に元から父親と反りの合わなかったチャーリーは家を出ることに。チャーリーは家族と縁を切り自分一人で生きていくためにもと考え海兵隊に入隊することにした。
 これでドロシーとは永遠に顔を会わすことはないと思った。
 海兵隊に入隊後、湾岸戦争に派遣された。
その後、世界各所を回る任務に就きベテランの海兵隊員となった。白人の女性と結婚。子供のいる暖かい家庭を望んだが、五年も結婚していて、性生活にも問題がなかったはずなのに、夫婦の間に子供ができない。なぜなのか知りたくて、妻は生殖機能に問題がないか検査を受けたが医師の診断では問題なしと出た。チャーリーも受けてみることにした。
 すると、チャーリーの精液に異常があると医師から検査結果の報告を受けた。精子が正常な男性に比べ、極端に少ないというのだ。この状態では生殖は困難だと診断された。
 それは湾岸戦争シンドロームと呼ばれる現象ではないかと疑いを持った。
 すでにチャーリーの知る湾岸で従軍した仲間の中には、頭痛、めまいが長期に続く、手足が動かなくなるなどの体の障害を訴える者が何人もいて、戦争中に使われた劣化ウラン弾や化学兵器によるものではないかと噂された。若いのに白血病や癌にかかって死んだという話しまで聞いた。軍は、症状と兵器の関連性を認めてはいなかった。しかし、明らかに同期に湾岸に派遣された仲間に顕著に見られた現象だったのである。イラクでは一般市民の間で数多く報告されていると聞く。
 仲間には自身に異常は見られなくとも、彼らから生まれてくる子供に奇形児やダウン症の子供が生まれてきたという話しをしばしば聞いた。精子の異常が原因と思われるという。
 まさか自分が。しかし、それは分からない。先天的なものの可能性もある。自分には、それ以外、体の異常なんてあり得なかった。湾岸に従軍したことが原因だなどと断定はできない。してはいけないと思った。
 しかし、子供を作れないという事実を知って絶望したことには変わりなかった。自分には自分の血を分けた子供を作れない。その絶望により離婚を体験することになった。
 それから、海兵隊の教官となり、沖縄に配属された。そして、トニーが自分が指導する部隊に入った。当初は、何ら他の新兵たちと変わらず接していたが、ある日、二十年もご無沙汰だったドロシーから手紙が届いた。
 なぜ今になってと思い手紙を読んでみると、トニーという隊員が彼女の息子で、そして、彼がドロシーとチャーリーの間の子供であるという事実が書かれてあった。ドロシーはチャーリーと別れた後に妊娠していることを知ったが、チャーリーと寄りを戻せなくなり、やも得ずチャーリーに知らせないまま、トニーを出産したという。
 シングルマザーとして苦労しながらトニーを育てたが、貧しく子供を大学に行かせることができず、結局、海兵隊に入隊することになったと。ドロシーは反対であったが、そこでしか希望を実現することができないというのであればやも得なかったと綴られ、だが、不思議な偶然で彼の指導教官が彼の父親であったというのだ。もちろん、トニーは知らない。ドロシーはトニーが沖縄から送ってきた手紙に入っていた写真にチャーリーが写っていて、教官の名前もチャールズ・ヘインズだということで分かったという。
 ドロシーはトニーに、チャーリーが父親であることは教えていない。なぜなら、トニーには父親は事故で死んだのだと子供の頃に伝えたので、今更、本当のことは話せないというのだ。
 チャーリーは、それを聞いて動揺したと同時に喜びをも感じる複雑な心境になった。なぜドロシーは今まで教えてくれなかったのかと怒りを感じつつも、その事情は理解できた。自分にも責任があるのだ。別れた後に彼女を気にかけず避けてしまった自分に責任があるのだ。
 しかし、自分に息子がいた。今まで顔を会わすことはなかったものの、しっかり成長して、偶然にも自分の近くにいる。まさに神の巡り合わせだ。
 それ以来、チャーリーには特別目をかけた。贔屓したりはしなかったが、他の隊員よりも、ずっと注意深く接した。自分が父親であるということを告げられなかったからこそ、その想いは人一倍強かった。いつか自分が父親であることを告げたい。いつになったらそれができるのかどぎまぎしていた。しかし、それはドロシーと相談して時期を考えようと思った。
 少なくとも新兵として訓練中は無理だと考えた。一番大事な時だ。心の動揺を与えてはいけないと。じっと、その想いをこらえていた。
 そして、今やこんな事態に。彼が目を覚ましたら、きちんと伝えようと決心した。もう離さない。どんなことがあっても。

 手術室の灯りが点ってから五時間以上が経っただろうか、窓から少しずつ日の光が入って差し込んでいる。
 突然、手術室のドアが開いた。医師が出てきた。その医師の表情から、龍司は何となく手術の結末が予想できた。とても想い表情で医師は言った。
「申し訳ございません。手は尽くしましたが、先程、出血多量と内臓圧迫により死亡いたしました」
 龍司はチャーリーに英語で「すまない。か彼は死んだ」と告げた。
 そのとたん、チャーリーは、もぬけの殻になったかのように巨体を床にひざまずかせ、両手を床に置いた。声は全く出さず目からぼろぼろと涙をこぼしている。大量の涙が床にこぼれた。
 そんなチャーリーの姿を見て、龍司もつられて目から涙をこぼしてしまった。
 ああ、何と残酷なことが起こったんだ!
by masagata2004 | 2010-10-22 10:25 | 沖縄 | Trackback | Comments(0)

旅小説「私を沖縄に連れてって」 第19章 脱走

米軍基地建設に抵抗する海人(うみんちゅう)の戦い

まずは第1章から第18章までお読み下さい。

 五月
 その日、龍司とセーラは、名古市にある大型スーパーマーケット、ジャスコに一緒に行って買い物をしようということになった。
 漁港にいた龍司をセーラが誘ってくれたのだ。龍司は快く誘いを受けた。セーラがブルーピースのワゴン車をドライブして島の反対側にあるジャスコまで行った。郊外型の大型スーパーマーケットで何でも揃っている。
b0017892_16144139.jpg

 ジャスコでの二人だけの買い物は実に楽しかった。食料のまとめ買いだけでなく、服、本、、CD、電球、洗剤など生活に必要なものをまとめて買っておこうということにした。
 買い物しながら、お互いのことを話した。彼女は、沖縄がとても気に入っている。昨年の滞在でも素晴らしい体験をしたが、先月からの数ヶ月に渡る長期の滞在にも満足していると話した。ブルーピースが滞在のために借り切っている別荘も辺奈古の海が見渡せ、とても快適なところであると。いずれ、より詳しい海の環境調査を発表するつもりであると息巻いていた。
 龍司は、CDコーナーにあった昨年、浜辺でのコンサートで演奏を聴いたバンド、ビギンのCDを買い、これを帰る時、一緒に車の中で聴こうと言った。セーラは微笑んで「是非とも」と言った。
 龍司はセーラの生い立ちについて訊いた。龍司も自らのことを話し、セーラも応えるように話した。セーラは生まれも育ちもフロリダ州で両親はクルージングなどのツアーを提供する観光業者であった。そのため、幼い頃から海への親しみは実に強かった。高校卒業後、フロリダ州立大学の海洋生物学部に入学して、その後、同学科の大学院に進み、そして、講師として採用され博士号も取得した。しかし、州の教育予算削減のため解雇された。その時に知り合いの紹介で環境保護団体ブルーピースに海洋環境調査のスタッフとして採用されることになったのだ。沖縄は故郷のフロリダと気候的に似通い、その意味でも自分にとっては第二の故郷のように思えてならないほど親しみやすいと語る。
 龍司のような大都会のコンクリート・ジャングルで育った者よりも、アメリカ人でありながら、馴染みやすいところのようだ。日本人でありながら全く違った環境だからこそ惹かれた男と、アメリカ人でありながら馴染んだ環境に似ているからこそ惹かれた女という不思議な組み合わせだ。
 買い物が終わり車で辺奈古に戻っていった。セーラが運転して、龍司が助手席に座る。カーステレオでビギンのCDを流しながらのドライブだ。漁港近くのアパートに着いた。最近、龍司が一人で暮らすため引っ越したところだ。漁港からも安次富の家からも歩いて五分もないところだ。安次富の家は、洋一が帰って以来、活動家が頻繁に出入りしたり泊まったりするようになり騒々しく、また、自立した漁師になるという意味で別に住居を構えることにしたのだ。
 車は停まったが、セーラは言った。
「ねえ、私もアパートに入っていいかしら、これから、明日の朝まで、どうせ別荘で一人きりなの。他のスタッフはみんな泡瀬や高江に行ってしまって」
 セーラの瞳は瞬いていた。これは実にいい。二人っきりになりたいと誘ってくれているのだ。アパートの一室で夜通し過ごそうということなのか。誰にも邪魔されず、二人っきりで。すると、突然、車の後部座席のドアが開き人が入ってきた。何だと思い、振り向くと、後部座席に男が座り込んでいる。所狭しと置いた買い物袋を押しのけて勝手に何だと思ったが、男には見覚えがあった。
「トニー、君、何しているんだ?」

続き
by masagata2004 | 2010-10-21 16:22 | 沖縄 | Trackback | Comments(0)

映画「シャーロック・ホームズ」新バージョン なぜ人は人を騙し操りたいのか

テーマは、そんなところか。ま、所詮はアクション娯楽映画だけど、そういう哲学が根底にあると難しく考える私である。

舞台は19世紀のイギリス、タワーブリッジが建造されていた時代。連続殺人犯の男を逮捕したホームズだったが、しかし、その男が生きて姿を現し、次々と殺人事件を起こす。その謎を解いて、男を再度捕まえようとするホームズだが、自ら命を狙われ、様々な危機に直面する。

娯楽アクションの定番ストーリーに原作にあったホームズの観察力、分析力を取り混ぜ、敵対する相手と知恵比べの連続。魔術なんて存在しない、そんな風に見せるからくりに過ぎないという西洋人の科学万能主義が垣間見られるのに東洋人としてむっとする感あり。

もちろんのこと、結末は、世界を支配したい謎の組織の陰謀、そして、それを、これまた定番だが食い止める。そうなんだけど、そこで終わらない。また、その裏に陰謀が、でつづく。

ふうん、その結末が、人間の本性というものを見極めよ、と訴えたいのか。人は常に、強欲に何かを追い求めている。他を騙して操り、世界を支配したいと思う。他を思いやる善意のかけらなどない。

そういえば、昨今、瀬戸内海でも、そんな強欲さが、牙をむき出しにして襲いかかる現象が起きている。ホームズや、その敵対する相手のようなしたたかさはないのだが、強欲さはただものじゃない。実に分かりやすい。



そして、それはこの映画に負けないような娯楽ストーリーのネタにもなる。実際に、私は短編だが書いた。読んでくれ。また、沖縄でも同様の現象が、それもネタにした中編ストーリーを連載中。

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by masagata2004 | 2010-10-20 18:29 | 映画ドラマ評論 | Trackback | Comments(0)


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