タグ:歴史 ( 123 ) タグの人気記事

映画「祇園囃子」と「緋牡丹博徒」 着物と封建社会

二つの着物が大きな意味を持つ映画を紹介したい。ついでにそれ以外の関連の映画と劇も。

一つは「祇園囃子」という1953年の白黒映画。京都の芸者の世界とはどういうものなのかという物語だ。15歳の少女が、年期の入った芸者見習い、つまり舞妓として弟子入りする。彼女は、芸者を芸の達人として自立した女性の職業と考え憧れを持ったが、思わぬ難儀に巻き込まれる。終戦後、基本的人権を尊重する日本国憲法により女性も自立して、自らの意志で自分の人生を開けるという確信を持てたはずであったが、花柳界は古い習わしに縛られたままであったというドラマ。

実をいうと、私はこの映画を以前、アメリカの大学で観た。それは「中国と日本の女性の歴史」というフェミニズム学のような講義でだ。映画は終戦後なので参政権を得た女性たちの本来ならなくなってもいいはずの「旦那の妾となる」というような風習が、実質的には残って続いてしまっているという実態が表されている。

つまり、芸者がデビューするには、大金を払ってくれるパトロンが必要だということだ。特に衣装として重要な着物はバカ高い。芸者の派遣業をする置屋が負担するのだ、当然、置屋は急いでその分の回収をしたいのである。だから戦前だと、花柳界に入った女性は世話をしてくれる置屋の女主人「おかあさん」の命に従い、本人が嫌でも旦那をつけられ妾となった。特に、多くの芸者の卵たちは芸者としての修業をする前に身売りをされ、その借金を返さなければならない立場だったからだ。その辺についてはハリウッド版芸者映画「SAYURI」が詳しい。

ちなみに芸者の見習い段階の舞妓は、戦前は12歳ぐらいの少女がなっていたという。だからこそ、舞妓の着物は縫い上げという肩の袖元に布が嵩張った状態にしているのだという。つまり、その後、成長するのに合わせて着物の寸法を調整できるようにするためだ。つまり、かつては今では禁じられている児童労働が堂々と認められていたということだ。今では15歳ぐらいから舞妓となる。したがって、今の縫い上げは名残でしかない。

もう一つの映画は女ヤクザの物語。富士純子主演のシリーズ「緋牡丹博徒」である。明治時代、熊本の五木村のヤクザ一家の一人娘として生まれ育った矢野竜子は、かたぎとして嫁入りするはずであったが、父親が殺されたことを期に仇相手を探すため渡世人となる。1960年代から70年代の間、8作製作されたものの最初と最後をレンタルして観た。ヤクザ映画の大御所、高倉健、松方弘樹、菅原文太との共演が味が出ている。

More
by masagata2004 | 2013-01-01 22:51 | 映画ドラマ評論

琉球のお庭

b0017892_1346386.jpg

近況は後日ご報告。琉球時代の迎賓館、識名園にて。
by masagata2004 | 2012-12-24 13:46 | 沖縄

右傾化する日本だからこそ問う「南京虐殺」

とういわけで、衆議院選挙の投票日に行ってきたのが「南京大虐殺75カ年証言集会」。

東京は亀戸市のカメリア・プラザであった。
b0017892_2249452.jpg


中国から来られた夏淑琴さんは、9歳の時に南京で日本軍により家族を目の前で殺され、自らも幼い体を日本兵により銃剣で刺されるという体験を語った。夏さんのケースに関しては、否定論を唱えた学者が日本国内の裁判で名誉毀損で訴えられ、最高裁で賠償命令が出されたことがある。

夏さんの証言の前に、南京虐殺での被害者と加害者が交互に体験を証言したドキュメンタリー映画の上映があった。被害者と同様に、強い衝撃を受けるのは加害者の証言である。「私は鬼畜となって50人以上の女性をレイプした」と生々しく語るシーンがある。加害者が生々しく証言ができるのは、日本のみができることだといえる。というのは、他の国では裁判にかけられかねないからだ。

さてさて、このような記事を書くと必ず、「南京虐殺はでっち上げだ」といきり立つ声が聞こえてくる。何度も経験したが、この手の論争を聞くと、その根底にあるのは「こんな過去のこと、語るな。語りたくない。目をそむけたい」というところではないか。右翼は、イデオロギー問題とすり替えて、否定説とブレンドさせた上で、揉み消そうとする。昨今では尖閣諸島問題を絡めることもある。

ま、どこの国でも、そんなものだろう。知りたいことだけを知ろうという心理は万国共通。この手の歴史に関して、じっくり取り組んできたのはあのドイツぐらいで、それだって陸続きのお付き合いというやまれぬ事情があってのこと。写真はベルリンのホロコースト記念碑。
b0017892_22515866.jpg


だが、私は、日本人としていうと、このようないわゆる「自虐的な」事実を知れば知るほど、むしろ、自分の国に愛着を強めていくという気分を覚える。それは、真に自分の国を知ったということからくるものだ。

でもって、9条改正は賛成派。つまりのところ、右翼でも左翼でもない。むしろ、現実主義者、客観主義者ということかもしれない。南京虐殺をするような外敵に襲われないためにも、または、そんなひどい目にあっている世界のどこかの国の人々を救うためにも、軍隊は結局必要になってくるのだろう、と思ってしまう。だからこそ、極限の状況とは何かとしっかりと知るべきだと思う。

ちなみに歴史的観点からいうと南京虐殺は、日本の軍隊が劣化していった過程の象徴的な事件だともいえる。満州事変前までの近代日本の対外戦争、日清、日露、第1次世界大戦までは、国際法を遵守するという前提で戦闘をするべきと天皇が声明を出していたが、満州事変以後、それはなくなったという。つまり、暴走に歯止めがかからなくなった結果ということだ。

なので、未来に役立てるための失敗の歴史の総括という意味で、人類全体で共有すべしものだといえる。

ま、私のような考えの人間は少数派なのだろうけど。

みんなそんな重いことを真面目臭く考えたくないよな、まったりと、そんなことは誰かに任せて。自分は日々、適当に楽しければいいさと思っているんだろうしね。その結果が衆院選の最低投票率に最低とも最高ともいえない結果。

あの安倍が総理とはね。まあ、あの民主党だと無理はないと思うけど。

我々は、歴史から学んで、進歩できる人間になれるのだろうか。
by masagata2004 | 2012-12-17 22:53 | 中国

226流血事件現場

b0017892_123551.jpg


東京は小金井の江戸東京たてもの園に展示されている旧高橋是清邸。昭和恐慌時代、首相や大蔵大臣を務めた人の邸宅です。赤坂にあったものが移築されたものです。ちなみに元の場所は公園になっています。

高橋是清は、1936年の226事件で同邸宅の寝室で暗殺されました。その翌年から、日本は日中戦争と泥沼の時代に突入。今と似ているのかも。

以下は、裏庭からと家の中で撮った私の姿。着物をつけて、彼の時代に想いを馳せました。

b0017892_1913944.jpg
b0017892_19132837.jpg


ここで思わぬエピソードが、靴のまま入ってきた外人男性に、「エクスキューズ・ミー・サー」と思わず声をかけてしまい玄関に戻らせ、靴を脱がせました。これって是清さんを代弁したのかな。
by masagata2004 | 2012-10-27 12:03 | マサガタな日々

只今、MIYAKOにいます

b0017892_1411633.jpg


醍醐寺の五重の塔。建てられたのは、今から1000年以上も前。
by masagata2004 | 2012-10-21 14:11 | 旅行

慰安婦問題について語る集会参加報告

8月26日、早稲田大学構内の「女たちの戦争と平和資料館」で、昨今の日韓関係において領土問題と並んで論争となっている慰安婦問題について、長年、この問題を政治や司法の場で追究してきた女性団体の主催により、「丸わかり!「慰安婦」問題・基本のキ」というカフェスタイルの集会があり参加した。

参加したのは30人ほど、ほとんどが女性で、男は私を含め3人程度だった。

さて、この集会が開かれた目的は、日韓関係に影を落としている以外に、国内において、石原都知事や橋下大阪市長などのように「慰安婦などなかった」「売春婦だった」「証拠となる文書がない」「河野談話を撤回せよ」という発言で大変な危機感を抱いたため、事実を分かりやすく説明しようというものである。

以下にて箇条書きにして、よくいわれる論争とそれに対する答えをまとめた。

「慰安婦と呼ばれる人達は、自ら金欲しさに売春業者に身入りした。または、親に売られてそのようになったので、自らの意志だったり、法にのっとたものだから強制売春ではない」というが、

実際のところ、聞き取り調査をした被害者の証言からは、その多くは、他の仕事を斡旋するなど、嘘をおしえられ連れて行かれたり、憲兵から無理矢理連行されたというものばかりである。それは過去の日本国内での裁判で事実認定されている。朝鮮半島では主に甘い言葉で騙されたケースが多いが、その他のアジアの地域ではほとんどが、明らかに憲兵やそれに雇われた業者などによる誘拐に近い強制連行だった。

「証拠はない。軍が直接命令を下したことを示す文書などない」といわれるが、

文書は、一部では発見されている。オランダ人女性が慰安婦にされた事件の裁判などで文書になって残っているものがある。ただ、文書は燃やされてなかったり、未公開だったりする場合もある。そもそも、やましいことをする時に、わざわざ証拠となる文書を作成したり残したりすることは頻繁にない。文書でないと証拠ではないというのは詭弁である。

一部で慰安婦募集広告があったとか、親から身売りされたという証言があったとかあるが、それは全体のほんの一部であり、それをさも、全体のことと採り上げる手法を否定派はよく使い分かりにくくする。

これは、軍人の一部が犯した行為ではなく、国家ぐるみで組織的に広範囲の強制売春(レイプ)を行った歴史上前代未聞の行為なのである。当時の公娼制度と混同すべきではない。

さて、事実あったとして、日本は河野談話で謝罪して、国民基金で賠償をしたのだから、もうほじくり回す必要はないのではないか、という議論については、

続き
by masagata2004 | 2012-09-06 20:50 | 時事トピック

映画「聯合艦隊司令長官 山本五十六」 問題提起か

日独伊三国軍事同盟と、続く日米開戦に反対し続け、ついには南方で敵弾に散った連合艦隊司令長官、山本五十六の当時の姿を追った物語。

ちと美化しすぎていないかと勘ぐる場面が多々あったが、映画の主題は同時の日本の軍部、政治、マスコミ、世論の状態が、異常であったのではないかという問題提起だ。それは、現代でも通じるところがみられる。

明らかに国力で圧倒するアメリカを相手に、ばくち打ちのような戦争を仕掛けようと考えるわりには、いざとなると「なんとかしよう」「敵がそんなことをするはずがない」といういい加減さ。ついには、「そんなの我慢ならん」と感情的になり、ものごとをロジカルに判断しようとしない。

当時までは日本は戦争に負けたことがなかった。特に日露戦争の辛勝の栄光にすがるところもあった。なので、無謀な道にどんどん突き進んでいった。

現実を真正面に見る冷静な判断力、ものごとを広い視野で総合的に分析する能力、それらがいちじるしく欠けていたという点が問題。だから、現代と照らし合わせて、そんな間違いを繰り返さないようにしようという問題提起である。

だが、私としては、これにもう一つ重要な要素を加えたいと思う。それは、この手の映画に常に欠けている視点。真珠湾の前の段階で、すでに日本が間違った道を踏み出してしまったこと。それは中国大陸への進出だ。そもそも、日米関係が悪化した要因は、三国同盟の前に、日本の中国侵略が大きかったことが重要だ。

実をいうと、私はその要素を大いに含め、この映画にある問題提起をより分かりやすく綴った小説を、ブログ上で書いた。機会があれば、是非とも読んでいただきたい。

自作小説「白虹、日を貫けり」 

人気ブログランキングへ
by masagata2004 | 2012-08-21 23:03 | 映画ドラマ評論

韓国映画「マイ・ウェイ 12,000キロの真実」 国家と自分

実話を元にしていると宣伝文句にあるが、どう考えても完全なる実話でないことは確か。だが、史実を元に、観客を飽きさせない最高のストーリーに仕上げている。

そして、映画は、ある種の人間のサガというものをテーマにしていて、その意味で考えさせられる。

日本が韓国に統治されていた時代、祖父を軍人に、父を医者に持つ日本人の少年が、ソウルの祖父の家を訪ね、その家で使用人として働く男の息子と親交を深めることになる。二人の男はマラソンのライバル選手同士として成長していくが、差別、戦争が彼らの人生に覆い被さり、両者はユーラシア大陸の戦場をまたぐ数奇な運命を辿る。

国家に忠誠を誓うことがどんな意味を為すのかということを考えさせられる。韓国人にとって、自分たちを二流国民扱いをする宗主国だった日本は、本当に忠誠を誓うべき対象だったのか。もちろん、そうではないからこそ、捕虜になった時、日本人と韓国人は違った行動をすることになる。

また、命からがら生き延びたいと思えば、1個人としての自分が重要で国家なんてどうでもよくなる。その時、その時に人間はいかように環境に対して適応できてしまう。それはあさましいことでもあるが、同時に国家という物自体、まぼろしでしかないのではないかと、実をいうと多くの人々が分かっているのに口に出さないだけだと。戦場という極限の状態は、そんな人間の本性が暴露される場だ。

この映画では、韓国を占領統治する日本人役に名だたる俳優が出演していることに感心する。ほとんどの役柄は、傲慢な日本人統治者だ。脱原発俳優、山本太郎の軍人キャラも強烈だ。これが韓国人の見る日本人の姿なのかということをまざまざと思い知らされる。

でも、考えてみれば、そんな類の映画を日韓共同で製作できるようになったというのが現代における日韓関係なのかもしれない。二度と、映画で表された時代のようになりませんように。

人気ブログランキングへ
by masagata2004 | 2012-07-21 03:05 | 映画ドラマ評論

「ワシントンハイツ」に思いを馳せて

皆さんは、ワシントン・ハイツという場所をご存知だろうか。

それは代々木公園のあった場所にあった第2次世界大戦後、敗戦国日本に駐留した米軍将校のための住宅地である。

これについては、同名の書籍が出ているので、読んでみると詳しい。終戦後、急ピッチで建設され、東京のど真ん中に、ぽっかりとアメリカが移転した形となった。戦前は、ここは陸軍の占有地だったと。元陸軍の基地で、明治神宮に隣接する立地という点からして戦勝国による威嚇の意味もあったと考えられるが、同時に、それにより戦後、日本に多くのアメリカ文化が伝承されたという事実もある。

例えば、森英恵のようなデザイナーが生まれたのも、この住宅地に住む将校の夫人たちを相手にした洋裁店を開業したことからというし、米軍向けのエンターテイメントを提供する芸能プロダクションとしてジャーニーズ事務所が発足したともいう。日本人が生野菜のサラダを食べるようになったのも、彼らからの要請で衛生の問題を克服した農法でサラダに合う野菜を生産し始めたからだと。

東京オリンピックの開催が決まり、その地は全面返還となった。オリンピックでは家屋は、選手が滞在するための選手村として利用され、今も、その1軒が記念として残されている。

b0017892_2033271.jpg


だが、選手村の前に、そこは戦後日本におけるアメリカ文化発祥の地だったのだ。そんな思いを馳せながら、代々木公園を歩いていると、ジャズを奏でるバンドに出くわした。おそらく、この地で、日本に赴任した米軍将校とその家族たちを退屈させないため、こんなバンドグループが、やって来て彼らの前で演奏をしたことだろう。


by masagata2004 | 2012-05-30 19:43 | 書籍評論

消えたコマ劇場 in 新宿

b0017892_1965895.jpg

そして隣接していた映画館も。

かつて、ここに映画館があった。
b0017892_23184566.jpg

by masagata2004 | 2012-01-17 19:06 | 風景写真&動画集


人生は常に進歩していかなければならない


by マサガタ

プロフィールを見る
画像一覧

S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

カテゴリ

全体
プロフィール
自作小説
映画ドラマ評論
環境問題を考える
時事トピック
音楽
スポーツ
ライフ・スタイル
米留学体験談
イベント告知板
メディア問題
旅行
中国
風景写真&動画集
書籍評論
演劇評論
アート
マサガタな日々
JANJAN
スキー
沖縄

タグ

最新のトラックバック

映画「終戦のエンペラー」..
from soramove
【映画】バーダー・マイン..
from しづのをだまき
インサイダー
from 映鍵(ei_ken)

フォロー中のブログ

高遠菜穂子のイラク・ホー...
ジャーナリスト・志葉玲の...
増山麗奈の革命鍋!
*華の宴* ~ Life...
poziomkaとポーラ...
広島瀬戸内新聞ニュース(...
楽なログ
美ら海・沖縄に基地はいらない!

その他のお薦めリンク

ノーモア南京の会
Peaceful Tomorrows
Our Planet
環境エネルギー政策研究所


私へのメールは、
masagata1029アットマークy8.dion.ne.jp まで。

当ブログへのリンクはフリーです。

検索

その他のジャンル

ブログパーツ

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

東京
旅行家・冒険家

画像一覧