「坂の上の雲」と辺野古移設問題
JANJANに掲載されているこの記事から転載です。
先週の日曜日からNHKの大河ドラマで「坂の上の雲」が始まった。四国、松山で生まれた3人の人物を中心に繰り広げられる歴史ドラマである。一番の中心となるのは、日露戦争の日本海海戦で参謀を務めた本木雅之演じる秋山真之である。
実をいうと、秋山真之参謀と筆者とは、ある種の腐れ縁がある。それを感じるからこそ、普段は見ない大河ドラマを見ることにした。
昨年の4月、横須賀米軍基地の原子力空母配備の反対運動を支援するため、横須賀へ行ったのだが、反対運動の拠点事務所に向かうはずが、道を迷い、日本海海戦で旗艦として活躍した三笠が展示されている三笠公園に辿り着いてしまった。
日本海海戦も、横須賀にそんなものがあったことも知らなかった筆者は戦艦に入り、中を見学したが、すると、信じられないことに、そこで水兵や士官らしき亡霊と出くわしてしまった。彼らとの出会いで、筆者はあることを学ばされた。
それは、当初、反原発の立場から空母母港化配備に反対であったのが、問題が外国軍の空母の母港化配備を容認すること、ひいては広大な港湾の土地を外国軍の基地として提供していることであると気付かされた。
先月は、話題となっている沖縄の辺野古へ足を運んだ。そこでも、同じような想いが募った。辺野古の美しい浜辺を占拠している米軍基地を見ながら、もし、秋山真之がこの場に立っていたら何を感じただろうと。
彼ならこう言ったのではないか。
「情けない。米軍が傲慢か、そうでないかを論じる前に、こんな事態を容認し続けた日本政府こそが問題だ」と。
この辺野古には、既存の基地を拡張するように滑走路付きの新基地が建設されようとしている。軍事ジャーナリストの田岡俊次氏によると、一時は普天間基地の移設では、嘉手納基地への統合案が米軍から提示があったものの、何と日本の方から公共事業にならないからと拒否され、現在の辺野古案になったのだという。
詳しくはこの番組を。
早い話、外交ではなく、これは国内の利権争いの問題なのである。しかし、これは同じ利権争いでも、国内の事業とは違う。外国軍の基地建設のための事業なのだ。利権のために協力することは、見方を変えれば、植民地の傀儡勢力に成り下がったに等しい。
「坂の上の雲」が軍部礼賛につながると批判を受けているらしいが、自分の国は、どんなにコストがかかっても自分たちで守り抜こうとする気概のあった明治の軍人たちの気持ちを、今こそ思い返し、この辺野古問題の根本、それは沖縄に負担を押しつけるべきかそうでないかではなく、果たして友好国といえども外国軍である米軍の駐留を容認することの是非を、しっかりと議論すべき時ではないのか。
米軍基地が幅をきかせている限り、日本はいつまで経っても諸外国から独立国とみなされず、明治維新の頃の「少年の国」のままであり続けるしかなくなるのではないだろうか。
これに関連しては、以下の記事も。現在、JANJAN人気記事ランキング1位に。うーん、共感する声が大きいという証明だ。
産経新聞ってCIA日本支部なの?
先週の日曜日からNHKの大河ドラマで「坂の上の雲」が始まった。四国、松山で生まれた3人の人物を中心に繰り広げられる歴史ドラマである。一番の中心となるのは、日露戦争の日本海海戦で参謀を務めた本木雅之演じる秋山真之である。
実をいうと、秋山真之参謀と筆者とは、ある種の腐れ縁がある。それを感じるからこそ、普段は見ない大河ドラマを見ることにした。
昨年の4月、横須賀米軍基地の原子力空母配備の反対運動を支援するため、横須賀へ行ったのだが、反対運動の拠点事務所に向かうはずが、道を迷い、日本海海戦で旗艦として活躍した三笠が展示されている三笠公園に辿り着いてしまった。
日本海海戦も、横須賀にそんなものがあったことも知らなかった筆者は戦艦に入り、中を見学したが、すると、信じられないことに、そこで水兵や士官らしき亡霊と出くわしてしまった。彼らとの出会いで、筆者はあることを学ばされた。
それは、当初、反原発の立場から空母母港化配備に反対であったのが、問題が外国軍の空母の母港化配備を容認すること、ひいては広大な港湾の土地を外国軍の基地として提供していることであると気付かされた。
先月は、話題となっている沖縄の辺野古へ足を運んだ。そこでも、同じような想いが募った。辺野古の美しい浜辺を占拠している米軍基地を見ながら、もし、秋山真之がこの場に立っていたら何を感じただろうと。
彼ならこう言ったのではないか。
「情けない。米軍が傲慢か、そうでないかを論じる前に、こんな事態を容認し続けた日本政府こそが問題だ」と。
この辺野古には、既存の基地を拡張するように滑走路付きの新基地が建設されようとしている。軍事ジャーナリストの田岡俊次氏によると、一時は普天間基地の移設では、嘉手納基地への統合案が米軍から提示があったものの、何と日本の方から公共事業にならないからと拒否され、現在の辺野古案になったのだという。
詳しくはこの番組を。
早い話、外交ではなく、これは国内の利権争いの問題なのである。しかし、これは同じ利権争いでも、国内の事業とは違う。外国軍の基地建設のための事業なのだ。利権のために協力することは、見方を変えれば、植民地の傀儡勢力に成り下がったに等しい。
「坂の上の雲」が軍部礼賛につながると批判を受けているらしいが、自分の国は、どんなにコストがかかっても自分たちで守り抜こうとする気概のあった明治の軍人たちの気持ちを、今こそ思い返し、この辺野古問題の根本、それは沖縄に負担を押しつけるべきかそうでないかではなく、果たして友好国といえども外国軍である米軍の駐留を容認することの是非を、しっかりと議論すべき時ではないのか。
米軍基地が幅をきかせている限り、日本はいつまで経っても諸外国から独立国とみなされず、明治維新の頃の「少年の国」のままであり続けるしかなくなるのではないだろうか。
これに関連しては、以下の記事も。現在、JANJAN人気記事ランキング1位に。うーん、共感する声が大きいという証明だ。
産経新聞ってCIA日本支部なの?
by masagata2004
| 2009-12-06 22:54
| 映画ドラマ評論
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