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私の専攻、国際関係学とは

プロフィールを読んでご存知の方もいらっしゃると思いますが、私はアメリカの大学に留学していました。サンフランシスコ州立大学(San Francisco State University)というところを、卒業しました。

専攻は、国際関係学、英語ではInternational Relationsといいます。これを選んだ理由は、ただ単に取得しやすかったからです。当初は、就職に有利だろうと思い、ビジネスを専攻しようと思いましたが、それだと60単位以上とらなければならず、時間的に無理だと思いました。IRだと、その半分ですみました。ちなみに、我が母校は、国際関係学部発祥の大学だとか。

でもって内容はというと、あまり専門性はなく一般常識といったところでしょうか。それに、ちょっとばかり毛が生えたというところで、まあ、普通よりニュースが分かりやすくなるといった程度の知識を身につけた感じです。ただ、一般常識的な英語をしっかり学べたおかげもあって、現在の翻訳・通訳業には大いに役立っています。

具体的にどんなことを学んだかといいますと、印象に残っていることを列挙しますと、

(1) 民主主義国でも戦争をすることはある。今のアメリカを見よ!

(2) 世界の国々の関係は、友人同士と同じで、その上に強制力のある権限が存在しない。つまり、無法地帯でのパワーゲーム。

(3) 3つの国際システム。
   ユニラテラル=一国覇権主義。一国のみが強大な力を誇示する。
   バイポーラー=東西冷戦時代のような二極化した世界図。
   マルチラテラル=多極的な構図。アメリカ、EU、アジアという風に、各地域ごとに勢力が分かれている構図。

(4) ドミノ・セオリー、将棋倒しのように、最初は小さなことと見くびっていたのが、次第に周辺に影響が広がっていく。アメリカがベトナムやチリを共産主義拡大を防ぐため攻撃した理由もそのセオリーに基く。
 それから、第2次世界大戦中のドイツがチェコに進軍したことを容認したことが、ナチズムの拡大につながったことが教訓になっている。

(5) 正規の軍隊を持たない日本は平和ボケしている。(日系人の教授の教鞭から)

(6) 国家の定義で重要なこと、他国から認証を受けること。

(7) ナショナル・プライド(国家としての面子)を、外交戦略では計算に入れるべし。中国の靖国参拝反発の理由。北朝鮮が拉致問題解決に消極的な理由。ロシアが北方領土四島を譲らない理由。これらは、国家としての面子があり、経済制裁、はたまた戦争になっても、譲らないものであり、軽んじてはならない。

それから、この専攻とは関係ないのですが、アメリカ留学の前に日本人の経験者からよく言われたこと。何か文句があれば、相手にこんなにまでいってもいいのかと思うほど主張しなさいと。それで丁度いいと。ま、これは国どうしの外交でもいえることですわね。


それから、環境問題と国際関係についても学びました。それについては、「アメリカで環境学について学びました」を読んでみてください。

卒業前には、特定の一国に絞って、その国の外交政策を論ずる論文を書かされました。選んだ国はマレーシアです。実を言うと、そこで大騒動が起きました。というのは、マレーシアのマハティール元首相の反白人国家思想を紹介したところ、担当の教授(年寄りの白人)から待ったがかかったのです。そこで、それは人種差別だと大学側に抗議したら、その先生は私の論文評定から外され、日系人の講師が採点を担当。無事通過しました。ついでに言えば、その白人教授は、以前から他の生徒や講師の間から評判が悪いという事も聞かされました。忘れられない体験でした。

ところで、最近の日中関係を国際関係学をかじった私なりの立場で言うと、日本は外交のど素人です。ま、皆さん気付いていると思いますが、それに比べ中国は、いいにつけ悪いにつけプロです。今回の騒動も、日本は中国のペースにのせられていっているようで情けないです。

ま、日本の政治家には、国際関係の基礎知識さえないことがうかがえます。

国と国との関係に好き嫌いはないのです。付き合うには、何よりも戦略が大事です。戦略が日本には見られず、支離滅裂としています。いったい何をやりたいのかが見えてこないですね。

アメリカでさえも、中国相手には、かなり苦戦の外交を強いられていますからね。敵を批難する前に、敵のことをよく知らないといけないのですが、日本では感情論ばかり先行しています。北朝鮮の拉致問題の対応でもそうですね。

もうここまで来ると、国連の常任理事国入りは無理でしょう。戦後処理に関して言えば、日本はなぜ、ドイツのように賢くなれなかったのかと問いたい。

どうして、こうもアホな政治家ばかりなのかと。

小泉さんにアドバイスしたい。私も実を言うと、今の時点で靖国参拝を中止するのには反対。まさに中国に言われてしましたでは情けないですから。

だから、今会期末に総理権限で衆議院を解散させなさい。口実は、郵政民営化法案がつぶれたとかで国民に信を問うとか言って。戦後初めての殿下の宝刀を使うのです。それで、政権交代を起こさせなさい。もう4年も総理になれたんだからいいでしょう。ここで花道が飾れますよ。

あのパフォだけの男には、さっさと退場してもらいたい。
by masagata2004 | 2005-05-25 22:24 | 米留学体験談 | Trackback | Comments(17)
Commented by kiyoaki.nemoto at 2005-05-26 00:44
去年の6月頃も、小泉さんは「人生いろいろ」発言で非難轟々でした。
この時期、頭の調子がおかしくなるのかなぁ、なんて思いました。

解散も良いと思いますが、次の本命がいない中でやっても、安倍氏辺りが出てきてしまって、対中関係に収拾がつかなくなる恐れも?
Commented by ぶるーいんぱるす at 2005-05-26 02:40 x
>今会期末に総理権限で衆議院を解散させなさい。

恐らく民主党が壊滅すると思います。党の支持率が1割切ってますからね・・・でもそれ以前に、郵政改革法案は普通に通っちゃう可能性が高いので解散する理由がありません。

>国連の常任理事国入り

ドイツよりも有利なくらいですよ、アナン事務総長は日本にだけお墨付きを与えましたし、アメリカは日本を支持しドイツに対しては否定的ですし。

中国が拒否権を使わないと阻止は難しいでしょうねー、でも拒否権を使ったら日本の国民感情は一気に反中国一直線~♪
Commented by ななし at 2005-05-26 12:15 x
>人生色々
この発言一番重要なのはそのあとに続く「会社も色々」という発言なんですよね。
この発言をした直後、岡田さんの兼職騒ぎがリークされたんです。まぁマスコミは無視しましたがw
Commented by ななし at 2005-05-26 12:21 x
>それに比べ中国は、いいにつけ悪いにつけプロです。今回の騒動も、日本は中国のペースにのせられていっているようで情けないです。

そうなんでしょうか?
外交上の非礼というより無礼な振る舞いをするのが「外交のプロ」なんですか?いくら兵器のない戦争と言われる外交であっても、一定のルールやマナー常識で動いています。それを無視「気にいらないから」と帰っていく中国の姿は「プロ」というよりは、子供です。
言うことを聞かなければ、相手の神経を逆撫でる。時にはそういう手腕を取るのは必要でしょうが、中国はそれを連発しすぎ、逆に対中強行派を勢いづかせてしまっているきっかけを作っている事は肝に銘じておくべきでしょう。
Commented by ククル at 2005-05-26 18:20 x
すみません、俺には審議拒否し続けて国民の同情を得ようとする民主や社民の方がパフォーマンスに見えるんですが。
国会はNHKで余すところなく放送されています。
普通のニュースは切り取って放送しますけど、それでも放送はされるでしょう。
審議して必死に戦えばそちらの方がよほど国民の支持を得られると思うんですがね。
まあ、あくまで民主や社民の主張が正しいと国民が感じるかどうかが最大の問題なんですけど。
Commented by masagata2004 at 2005-05-26 20:11
確かに民主党は頼りないですね。労組というしがらみもありますからね。ただ、自民党でないだけいいかなと思います。

理想の政党なんてないんです。私が民主党を推す理由は政権交代のための政権交代をする必要があるためです。
Commented by むにゅう! at 2005-05-26 21:47 x
>戦後処理に関して言えば、日本はなぜ、ドイツのように賢くなれなかったのかと問いたい。

ドイツは何も戦後処理をしていませんよ。
冷戦状況下で分断されていたために請求されていないだけです。
1951年のサンフランシスコ条約で、連合55国ヶ国中48ヶ国と講和しまし、戦後賠償も済ませています。

ドイツが行ったのはナチスの犯罪に関する個人補償のみです。
Commented by むにゅう! at 2005-05-26 21:51 x
書き忘れましたが、サンフランシスコ条約で賠償したのは、もちろん日本です。

>日本は外交のど素人です。ま、皆さん気付いていると思いますが、それに比べ中国は、いいにつけ悪いにつけプロです。今回の騒動も、日本は中国のペースにのせられていっているようで情けないです。

中国は今回の騒動で何か利益を手に入れることができましたでしょうか?
中国と日本に今すぐ話し合う必要のある問題はありません。
中国が一人で醜態をさらしているだけだと思います。
Commented by 名無しさんは創氏改名中 at 2005-05-27 00:04 x
>私が民主党を推す理由は政権交代のための政権交代をする必要があるためです。

外交オンチの上に政治オンチですか。
こういうことをいうとまた「専門家ではない」などというのでしょうが、そういう阿呆なことは無意味の極みです。
民主党の政策が自民党以上に愚策だから支持されていないんですよ?
そのことも考慮せずに「政権交代のための政権交代」?無責任にも程がある。
Commented by Hiro at 2005-05-27 05:32 x
>日本はなぜ、ドイツのように賢くなれなかったのかと問いたい。
賢かったんですかね?むしろドイツ人はナチスとは違うんだと別の民族でも作って放棄したような卑怯な感じがします。日本人にはできんでしょう。
日本を取り巻く国がドイツと違うだけでは?

>あのパフォだけの男には、さっさと退場してもらいたい。
歴代の総理はパフォーマンスすらできなかったからマシだと思ったり。

>理想の政党なんてないんです。私が民主党を推す理由は政権交代のための政権交代をする必要があるためです。
共産党とかでも良いんですか? 民主党である理由は野党第一党だからですか?
Commented by 右左あんつぁん at 2005-05-27 11:27 x
私も大昔国際関係論を教養課程の単位として取得しました。
小泉総理はバカのようでバカでない。此れは片岡鉄哉氏の読みですが同感です。
他のブログにコメントした内容ですが、こちらにもコメントさせていただきます。

日米の結束は固い。ブッシュは小泉に勇み足はしないでくれよと言ってあるはずだ。米国はチャイナのマーケットだけを考えている。其れは前世紀の始めから一貫している外交政策なのだ。朝鮮半島はどうでもよい。韓国がこれ以上北になびけば南ベトナムのように見捨てるだろう。自国民が命を懸けて守ろうとしない国を米国は助ける気など毛頭無い。米国の理想はチャイナが内部崩壊すること。其れが駄目ならイラク問題が落ち着いた段階で、何処かの導火線に火をつけるかもしれない。新彊ウイグル地区か、台湾か、それとも北朝鮮か。一番米国軍が動きやすいのは国連軍として展開している朝鮮半島だ。それまでに米国は憲法改正をして欲しいと日本に願っている。小泉は憲法改正をするためにわざとチャイナに苛められているのだ。今のチャイナに其所まで読み切れる人物がいるだろうか。
Commented by masagata2004 at 2005-05-27 20:20
あのような暴動が起こることなど、日中双方とも予想はしていなかったのでしょう。ただのデモならまだしも、投石までするとは。

小泉が参拝するのは、強力な支持母体の遺族会の意向によるものです。本人でさえ、まずいと思っており、8月15日にしたことは、宣言しながら一度もありません。
Commented by 名無しさんは創氏改名中 at 2005-05-28 02:53 x
>あのような暴動が起こることなど、日中双方とも予想はしていなかったのでしょう。ただのデモならまだしも、投石までするとは。

予想していなかったから、なに?
中国当局が国際条約を反故にして領事館を守らなかった事実に変わりはないぞ。

>本人でさえ、まずいと思っており、8月15日にしたことは、宣言しながら一度もありません。

これまでしていないからと言ってこれからもしないとは限らないわけですがなにか?
Commented by ただの翻訳家が at 2005-05-28 13:17 x
「今の日本の外交は情けない。中国はプロだ」ですか。
ただの翻訳家が。
そうですか。
ブログって責任ないから言いたい放題いいですな。

南京大虐殺に関する貴方の定義、ここにリンク貼ってください。
お願いします。
Commented by その他の会社員 at 2005-05-28 22:41 x
何にせよ小泉総理は何時か引退するわけですが、次の首相は誰が良いですか?
「誰でもいい」というわけではないですよね?
Commented by RR at 2005-06-01 17:19 x
次期総理ですか・・少なくとも「イラクの人たちは10年も泥水飲んでるんだから(上水道整備などの)復興支援は必要ない」とか言った人とかになって欲しくはないのは確かです。
Commented by うら at 2005-06-02 19:41 x
結局民衆としては選べる範囲の中からよりましなものを選ぶほかないわけですが。
野党第一党の民主の代表がアレじゃあなあ。
社民党は絶望だし。
実際は選択の余地がないのですね。


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