沖縄で出会った宗教者たち
7月から3ヶ月の沖縄滞在の間、意外と思われるが、様々な宗教者との出会いがあった。
先月末の沖縄県知事選の玉城デニー氏の大勝の裏に、公明党の支持母体であった創価学会の信者達の反乱があったことは、メディアの出口調査などで明らかになっている。現に、私も那覇市のデニー氏の応援集会で創価学会の象徴の三色旗を目にしたし、玉城氏の選挙事務所でも勝利宣言と共に三色旗が振られているのが映されていた。辺野古新基地建設を容認する立場の候補を自民党と共に推薦する公明党と創価学会の間に亀裂が生じていることを如実に表している。沖縄県の公明党は、その意味でかねてから反対の立場であった。今年2月の名護市長選挙では、公明党の推薦は、容認派を当選させるのに、かなりの効果を奏したが今回は違った。さすがにもう統制が効かなくなってきたと思える。
これは、 仏法の真理が彼らを奮い立たせたのではと考える。その仏法だが、私は、沖縄で別の仏法をもつとある宗教団体の施設に通っていた。以前から東京とそれ以外のところにもある施設に通っていたが、沖縄で、それもスピリチュアルな修業をする意味で通ったのは初めてであった。そこでは「御仏様に全てをお任せしなさい」という言葉を頂いた。その日は8月8日、翁長前知事が亡くなった日であった。まるで、その後のことを予感させるような出来事であった。
それ以外に、辺野古でも仏教者に出会った。キャンプシュワブのゲート前で活動されている方であり、辺野古で道場を開き、居住している。その方は、「宗教は世界中ある」という言葉を私投げかけた。私が、実際のところ、無神論者だということだから、そんなことを言ったのか。
さてさて、他にも宗教といえば、キリスト教の牧師らとも出会いがあった。実は、私は家族はカトリック系。牧師というのは、プロテスタントの教会で説教を行う人。聖書の話をとっくりした。
出会ったのは日本人とアメリカ人の牧師であるが、日本人の牧師は老人で平和活動家の父親であった。アメリカ人は、元海兵隊員で辺野古に教会を開き、米兵たちに説教をしている初老の方。でもって、その教会にせっかくの機会だから、説教に参加。はっきりしたのが、如何に排他的であるということ。
というのは、牧師は、キリスト教の教えが絶対的で、それ以外は認められないと説いた。私が、仏教など道が違えど目指すところは同じではときくと、「そうではない」ときっぱり返答。
もう一つなのは、同性婚に関しての考えだ。アメリカ人牧師は、全米で合法化されても間違ったものと糾弾する発言。その頃、コロラド州でクリスチャンのケーキ屋が、同性カップルのウェディングケーキを作ることを信教上の理由で拒否した事件が話題になったが、自分がケーキ屋なら、作らないと明言。それに対して、何と若い米兵達が賛同。
同性愛者擁護論者が、聖書には混毛の服を着てはいけないという戒律があるなど同性愛禁止は聖書の時代の古い慣習に基づくもので、今の時代にそぐわないからこだわる必要はないとする意見を、牧師と若者が否定。いやあ、現在のアメリカ、いや、日本の世論の基準でも、かなり保守的な部類。西洋の同性愛否定は、やはりキリスト教にルーツありと思い知られた。
そのことを後に日本人牧師に話すと牧師は、アメリカ人牧師を批判した。絶対唯一信仰主義も、同性愛否定も、間違っていると言った。同性愛に関しては聖書に書いてはいるが、それは聖書の書かれたイスラエルの時代の世相に基づくもので、そのアメリカ人牧師を、聖書読みの聖書知らずと批判した。
しかし、アメリカ人牧師の凄さというのは、私が東京へ戻る時に、最後の別れの挨拶に行った時に、さらにはっきりする。
誰もいない教会で牧師と私だけで顔を合わしたのだが、私が東京に戻るので別れの挨拶に来たというと、なら元気でまた会おうと会話をして握手、ついでにと選挙で米兵の血を継ぐデニーさんが当選したことを話すと、それを初めて知ったらしく、最初は嬉しそうだったが、デニーさんが辺野古新基地反対派の支持を受けていたことを知るなり、「それは沖縄にとって悪いことだ」と嫌そうな表情に変わって言った。米軍にとってではなく、沖縄にとって悪く、抗議活動をしている人達を交通の邪魔をしていると批判。私が、それは市民不服従行為( Civil Disobedience )と説明すると、Uncivil (野蛮だ)とさらに批判。沖縄県民の多数が反対していることを言っても、彼の知る沖縄の人は、そんなことはないと主張。長年、沖縄に住んでいると聞いていたが、現状を知らないのか、知ろうとする気がないのか。いくら米兵の側に立つ立場といえ、そこには、沖縄県民の目線での基地問題への理解は微塵も感じられなかった。
結局、God bless you (神の祝福を)と言って別れたが、同牧師は、神の教えを理解しているのだろうかという疑問が残った。
宗教とはなんたるかを、いろいろと考えさせられた沖縄滞在でもあった。
私の体験記、意見、評論、人生観などについて書きます
by マサガタ
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