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映画「リトル・バード」と綿井さん・高遠さんのトーク

昨日、文京シビックホールで「リトル・バード」というジャーナリストの綿井健陽さんが監督したドキュメンタリー映画を見た。映画の後には、イラクのサマワから帰ったばかりの綿井氏を司会として、ボランティアの高遠菜穂子さんとジャーナリストの広河さんがトークを交わした。

綿井さんと会うのも、高遠さんと会うのも、これで3回目だった。高遠さんは髪型をパーマに変え、すっかりイメージチェンジした感じだった。何とか元気にやっているらしくほっとした。

まず、映画の感想だが、まあよく出来ているといっていいだろう。だが、どうもドキュメンタリーは、映画館で見るのには向かない。ビデオ映像から取ったためか大画面のわりには画質がいまいちだった。DVDで見たかったな。
内容は、イラク戦争が起こる前からここ最近までのイラクの様子をドキュメントした映像。米兵や自衛隊の姿も映る。ちょっと、その辺がマイケル・ムーア気取りな感じがした。米兵に戦争の大儀について詰め寄っていたが、彼らに文句言っても仕方なかろうにと思った。ま、そういうシーンを盛り込まないと面白くないもんね。

その他の内容は、ニュースなんかでもすでに報道されていたし、それをもっと詳しく、身近に感じられる設定にした感じだった。だから、これを映画館で1800円も出して見ろというのは、ちょっともったいない気がする。DVDがリリースされたらレンタルで見ることをおすすめする。

この映画で思ったのだが、イラクの人は広島・長崎のことはよく知っているらしいが、南京虐殺のことは知らないのだろうか。アジアのよき友人であるはずの日本が、ファルージャのような、いやそれ以上にひどいのことをしたのを知っているのだろうか? 綿井さんもそういうことを教えたらいいのにと思ったりした。

映画の後のトークだが、綿井さんからサマワの近況報告があった。事態はさらに悪化しており、自衛隊は宿営地以外では活動しておらず、すぐ隣の浄水場へさえ、機械が故障しても修理に来てない状態だという。ま、こんな事態になることは当初から予想されてたことだが。

綿井さんは、アメリカのイラク報道を批判していたが、かつての日本もすさまじい軍賛報道をしていたことをご存じなのだろうか。その辺については、私が市民メディアのJANJANに投稿した「戦争責任の一端を担うマスコミ」を読んでもらいたい。

映像だけでは、戦争に関心をもってもらえないとか嘆いていたが、日本の場合、国民が意図的に戦争に関心を持たないような姿勢になっていると思う。それは、60年前の自ら起こした戦争を総括してないからだ。自国の被害ばかり語り、加害者であった事実を真っ向から見つめることをあまりしていない。だから、イラク戦争でも、他人事のように振る舞っていられるような気がする。

だから、こんな出来のいいドキュメンタリーを見ても、どうも感動できない。むしろ、虚しささえ感じる。
by masagata2004 | 2005-08-03 22:19 | 映画ドラマ評論 | Trackback | Comments(0)


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