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韓国映画「力道山」 圧倒された演技力と映像力

戦後日本でプロレス界をリードした男、力道山の伝記映画。

映画館には、当時を知る年配の方々が目立った。相撲取りだった力道山は、当初は横綱を目指していたが、朝鮮人であるという民族差別にぶち当たり相撲界を去る。

その後、アメリカに留学、帰国後プロレスの世界を築き大活躍する。だが、ある日、暴漢に刺され世を去る。

実在した人物の波乱万丈な人生というところ。ただ、この映画は、韓国映画ということもあってか、朝鮮人としての力道山の人生を表現しているところが印象的だ。

韓国映画といっても、全編ほぼ日本語である。クレジットや年号・場所を表す字幕がハングルだから、基本的には韓国人向けなのだろうが、主演のソル・ギョングの日本語による演技はなかなかだった。映画は、ともすれば民族差別がテーマになっているようにも感じるが、全体を見てみるとそうでもなく、力道山独自の生き様が、ただ表されているように感じた。力道山が韓国語で言う「自分は日本人でも、朝鮮人でもなく、世界人だ」という台詞が印象的だった。
その他、力道山の妻を演じる中谷美紀など日本人俳優面々の演技もすばらしかった。演出や演技指導が良かったのかなとも思える。

全体を通して印象的だったのは、あの時代の日本がとてもエキゾチックに描かれていたことだ。韓国人からの視点のせいなのだろうが、日本人だとこんな風には表現できないと思われる映像が随所で見られた。けっして間違いではなく、普段よりエキゾチックなのだ。これは、ハリウッド映画「SAYURI」の時にも感じたことだ。日本人が映す日本は、なんとも味気ないのだが、外国人の視点だと、ある種の味が引き出されており、見ているものを楽しませてくれる。もしかして、これが真の日本の姿なのかも知れないなと思えたりもする。

日本人が、まさに日本のことを知らなかったということに気付かされるのだ。
by masagata2004 | 2006-03-11 18:50 | 映画ドラマ評論 | Trackback(1) | Comments(0)
Tracked from soramove at 2006-03-27 11:11
タイトル : 「力道山」ソル・ギョングの役者魂は本物!
この記事は2004年12月23日ソウルで見た時 すぐにブログにソウルから書いたもの。 日本でも公開が始まったので再掲載する。 「力道山」★★★☆ ソル・ギョング、中谷美紀主演 ソン・ヘソン監督、2004年韓国 土曜の深夜、残りひとつの席に滑り込む。 ソル・...... more


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